アメコミタッチで、かなりアクの強いキャラクターたちが登場する全編手描きの痛快アニメ。
製作期間には7年以上も費やし、作画枚数も10万枚以上使用したとかで、最初から動く動く!
話の基本は、宇宙版「マッハGOGOGO」と言うか「チキチキマシン猛レース」と言うか、単純明快なカーレースの話である。
前半は、何やら「スター・ウォーズ」風な雰囲気があるが、後半は、有名なSFアニメの大パロディ大会のような趣になっている。
べたべたとした感傷的な要素や、説教臭いメッセージ性のようなものはほとんどなく、理屈無用で全体的にからっとした痛快娯楽作になっている。
正直、その独特のキャラクターには好き嫌いもあると思うが、観ているうちに慣れて来る部分はある。
声を演じている木村拓哉や蒼井優には、ほとんど違和感がない。
若干、浅野忠信の声は本人の顔が浮かんでしまうが、これは、彼が演じているフリスビーと言うキャラクターがあまりに人間離れした風貌で、その外見に最後まで違和感があるためだと思う。
「ロボワールド」や姫とレースとの関係性など、設定で、若干分かりにくい部分もあるのだが、その辺は「ノリ」と言うか「雰囲気」で観てしまえば良いような気もする。
女性層などに好まれる内容かどうかはやや疑問だが、少なくとも、男の子には面白い作品ではないかと思う。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
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2010年、マッドハウス+REDLINE委員会、石井克人原案+原作+脚本、榎戸洋司+ 櫻井圭記脚本、小池健監督作品。 ずっとずっと未来、人間たちは四輪を捨て、エアカーに移行しようとしている中。失われた魂を取り戻そうと、四輪に拘る愚か者がいた… ピーナッツのようなものを食っている犬形宇宙人ら、色々な星の連中が集まったドロシー星で、準決勝的意味合いの「イエローライン」レース開始を知らせる狼煙が上がる。 パパ、パパ、カメラ!と叫んでいる宇宙人少年は、間もなく目の前を通過するレースカーを、父親宇宙人に取ってもらいたがっていたが、接近して来たレースカーは、そんなカメラに捉えられる間もなく通過して行く。 クラブソノシーに乗ったソノシー(声-蒼井優)が先頭を走り、トランザム20000改WRを操縦するJP(声-木村拓哉)は7位と出遅れていた。 しかし、JPは、カプセル状のものを、操縦席横の装置に入れると、にわかにエンジンがパワーアップし、トランザム20000改WRは急加速すると、見る見る先頭集団の中に食い込んで来る。 赤いレースカーが、すぐにミサイルを撃って来る。 このレースは、競争相手を妨害するための武器搭載は許されているだったのだ。 JPのトランザム20000改WRは、巨大なレースカーの下をかい潜り、巧みなハンドルさばきで先頭に出ようとする。 そのレースの模様を聞いていたキャプテン・ザ・クラックは、賭け率が押されている、今のところ、計画通り…、これは買っておかないと…と答えていたのは、フリスビー(声-浅野忠信)だった。 ここに来て、奴が勝つなんてことはないだろうな?とキャプテンが疑わしそうに聞くと、ありません。必ず負けますとフリスビーは太鼓判を押す。 ソノシーのクラブソノシーは、川に飛び込み、ホバークラフト走行に切り替える。 JPの方は、その川の横の道をゴールに向け最後の勝負に出る。 キャプテン・ザ・クラックのいる部屋では、子分たちが銃をフリスビーに突きつけ、賭けを締切るようにキャプテン・ザ・クラックが命じる。 ソロシーは、最後のパワーアップを図り、JPも、最後のエネルギカプセルを投入する。 ゴール直前、ついにJPの車がトップになったと思った次の瞬間、トランザム20000改WRは急に爆発し、大きく跳び上がった末、地上に落下し、大破してしまう。 結局、「イエローライン」の優勝者はソノシーになる。 赤いインクが車の形になり走る。 タイトル JPは、貧しかった子供の頃、かっこいい大人がすごい車に女を乗せて走り去る所を憧れの対象として心に刻んでいた。 それ以来、JPのステータスは車になったのだ。 JPは入院した病室のTVに映し出された、優勝者ソノシー・マクラレンが、シャンパンを明けて自らを祝っている映像を観ていた。 そして、「レッドライン」出場者の発表が間近に迫っていた。 そんな病室にジュラルミンケースを抱えたフリスビーがやって来る。 大分かかっただろう?あのトランザム…とJPは聞くが、フリスビーは、レーサーとメカニックは一心同体。又イカサマやる時は呼んでくれと言って、そのジュラルミンケースを置いて帰ろうとするが、JPがそのケースを投げ返して来たので、保釈金どうするんだ?とフリスビーが聞くと、おとなしく戻るさ…とJPは答える。 その時、突然、マスコミの連中が病室内になだれ込んで来て、クルクルとショート・オージンが出場を辞退したので、JPのレッドライン出場が決まったと興奮気味に報告する。 テレビを観ると、レッドラインが開催される場所が、M3星雲の「ロボワールド」と言う、外部からの侵入を許さない!と息巻いている凶暴な大統領(声-廣田行生)のいる星域に決まったので、クルクルとショートオージンはブルってしまい、出場を辞退したのだと言う。 それを知ったJPは、前言を撤回する!その金をトランザムの修理費用にしてくれ!とフリスビーに頼む。 衛星エウロペ 宇宙空間に浮かんでいた宇宙艇から、大量のカプセルが落とされ、その中の1つにJPは乗っていた。 JPはフラップボタンを押し、減速すると、惑星に到着する。 ロボワールド大統領は、タイタン国防長官(声-堀内賢雄)偵察艇の報告を受けていた。 惑星エウロパは、漂流難民に大統領がくれてやった星だった。 今や、永世中立星だったが、スラム地区が発生していますとのタイタンの報告を受けた大統領は、休戦条件を利用されたか…と悔しがる。 大統領閣下、このまま見過ごすおつもりですか?とタイタン国防長官が聞くと、全員絞首刑だ!わしが正義だ!と大統領は叫ぶ。 ボルトン防衛大佐(声-石塚運昇)に、正義のために血を流す気あるか?究極の正義をやりたまえと大統領は命じる。 エウロパのスラム街にやって来たJPは、子供たちから金をせびられながら、所持金を換金するが、もらった金があまりに少ないので、換金率知ってんの?と嫌味を言う。 その金でタバコを買おうとすると、たった1箱しか出て来ないし、しかも、封が切ってあり、中味も抜かれていることに気づくと、JPもさすがに怒りたくなるが、相手が老婆らしいので我慢する。 その後、JPは、エアバイクに乗り、荒野をぶっ飛ばしてスカッとする。 漂流難民の慰留地と言えばこんなもんだろう…とJPを出迎えたのは、手が4本あるジャンク屋のもぐらオヤジ(声-青野武)だった。 フリスビーから金の入ったアタッシュが届いたと爺さんが言うと、良いジャンクやも減ったとJPは嘆く。 加速装置2度も使ったそうだな?と、イエローラインでの試合振りをからかうもぐらオヤジ。 すると、JPは、レッドラインでは3回使いたいんだと言い出すと、武器くらい付けろよともぐらオヤジは呆れる。 しかし、JPは、加速装置しか使わない…と拘っていた。 蔵弾ポリシーに拘っていると、時代の波に乗り遅れるぞともぐらオヤジは注意すると、エンジンのカスタムとか、設計とチューンはフリスビーがやるよとJPは言う。 それを聞いたもぐらオヤジは、あいつはもう堅気じゃない。人でなしと言うので、八百長のことか?とJPは聞き返すが、人でなしに狩りを作るのも人でなし…ともぐらオヤジは頑固そうに答える。 そこに、当のフリスビーがやって来て、メカニックの腕まで衰えちゃいないぜ。きちんとチューンナップしないと、八百長できないからと爺さんに言う。 エンジンと部品のカスタムは爺さんの仕事、他はフリスビーの仕事、俺の仕事は座ってから…とJPははっきり言い渡す。 その後、巨大なレストランにやって来たJPは、店長が、注文のスープパスタを運んで来たのは、あのソノシーだと気づき、店長!ダレスコード違反と言いながら、同じテーブルに勝手に座る。 店長のズボンが半分ずれ落ちかけていたのだ。 ところで、それ食べるの?とJPがスープパスタをフォークに巻き、食べかけていたソノシーに聞く。 パスタと思っていたものが、グニョグニョと蠢いていたからだ。 指摘されたソノシーも、初めてそのことに気づいたようで、すっかり食欲をなくしたようだった。 ソノシーは、図々しいJPの顔をまじまじと観て、あなた、イエローラインにいた人でしょう?補欠がレッドラインに出るんでしょう?と上から目線で聞いて来たので、ホバークラフト、車オタクのエンスーガール!人間の友達、出来ないタイプだと、JPもスープを飲みながら言い返す。 父親がレーサーだったのよ。そして家がジャンク屋…、そんな家…と、ソノシーは、青く光る宝石のようなものをいじりながら、あっさり打ち明ける。 それスチームライト?とJPが聞くと、7歳の時、お父さんからもらったの。コールドニトロの100倍になるんですってとソノシーは答える。 そんな店内で、シンカイ(声-森下能幸)とデイズナ弟(声-三宅健太)と言うレーサー同士が喧嘩を始める。 デイズナ弟は、既に泣いていたが、泣いてから強くなるタイプだとJPがソノシーに教える。 そこにやって来たのは、レッドライン優勝の本命で、ミスターレッドラインと称されているマシンヘッド鉄仁(石井康嗣)だった。 巨大なマシンヘッドは、目の前を塞いでいるデイズナ弟を、邪魔だと言いながら蹴飛ばしてしまう。 その時、突如、店内に大量の水が押し寄せて来る。 JPは思わず、JPを助ける。 実は、バー全体が潜水艇で、今は浮上した所だった。 そこに、侵入して来たのは、ボルトン大佐率いるロボワールドの軍隊だった。 ボルトン大佐はデイズナ弟を見つけると、随分探したぞ。まだ出撃命令出ていないぞ。勝手に動くな!と叱り、殴りつける。 その様子を観ていたマシンヘッドは、非武装地帯でうろちょろされるとうるさいんだ!と文句を言う。 すると、ボルトン大佐は、我が軍にも、レッドラインに出場命令が下ったのだ。大統領の思し召しだ。それまで、君らのことを匿ってやるよなどと答えたので、風通し悪くなるんだよとJPが文句を言うと、後頭部を殴られてしまう。 殴られた後頭部をさすりながら店の外に出たJPは、エアバイクでソノシーを送って行くことにする。 走りながら、ソノシーは何のために走っているのかなって?とJPが冗談めかして聞くと、ソノシーの方もJPのことを聞きたがる。 しかし、両者とも答えを言わないまま、ソノシーの宿泊先に到着する。 別れ際、ソノシーは、もう少し鍛えなさいよ。軍隊に負けないくらいと言い残してホテルに入って行く。 その時、JPは、ソノシーが落として行ったスチームライトのペンダントを拾い上げる。 (回想)昔、若かったJPとフリスビーが、とある素人レースを見物していた時、まだ少女だったソノシーが、レースに参加しており、途中で防護壁にぶつかり、車が動かなくなったのに、試合を放棄しようとせず、こんな所でエンストしているわけにはいかないの!などとわめきながら、必死に車の体勢を立て直そうと頑張っているのを目撃する。 それをへらへら観ているJPたちの視線に気づいたソノシーは、悔しかったら、あんたたちも同じ舞台に上がって来なさいよ!と挑発し、その後、見事に車を動かし、レースに戻ることに成功させてしまう。 その一部始終を観ていた若き日のJPは、すげえ!とすっかり感心してしまう。 (回想明け)でも、覚えてないよな~…と呟くと、そのままエアバイクで帰ることにする。 翌日、ジャンク屋に出向いてみると、もぐらオヤジが、こいつとは一緒に仕事できないと、フリスビーを前にふてくされていた。 レッドラインだぞ!ともぐらオヤジはフリスビーの提案に反対しているようだったが、俺がチューンすれば勝てるとフリスビーは断言する。 親父、用意してやってくれ。マシンの設計関係はあいつの仕事なんだよとJPはじいさんに頼む。 エンジン部分の提供は親父の仕事とフリスビーも言う。 レッドライン2日前 ここにいるのは貧乏なレーサーだけか?その日、部品調達を待つだけでやることがないフリスビーとJPは、一緒に外でビール等飲んでいた。 第3クォーターまではビリで、ラストクォーターでトップグループに入る…、俺たちは運命共同体…と、2人でレース展開の打ち合わせをしていた。 その頃、地下採掘場の労働者たちは、作業を途中で止め、レッドラインの賭けチケットを買いに出かけていた。 スラム街に集まったそうしたチケット目当ての客に、出動して来た天使のような形のポリスロボが、解散しなさい!と呼び掛け、いきなり発砲して来る。 シャワー浴びたのか、トップレス姿のまま、自宅のソファにくつろいだソノシーは、テレビで、レッドライン出場者たちの紹介ビデオを観ていた。 みんな、何かしら、タイアップしているらしきCMと抱き合わせのわざとらしい紹介になっていたので、ソノシーはしらけてしまう。 マシンヘッド鉄仁をはじめ、超能力の法力を封印しての出場と言う2人の歌って走れるレーサー、ボスボス(声-AKEMI)とボイボイ(声-阪井あかね)。 ヒールマッドブラザーの異名を取るリンチマン(声-我修院達也)とジョニーボーヤ(声-岡田義徳)コンビは、5年前とは違うぜ!とアピールしていた。 レッドライン前日 荒野でテストカーの走行を観ているフリスビー。 それに乗っていたJPは、走るね~!走るじゃん!と興奮して喜んでいたが、そのテスト途中、クラッシュしてしまう。 その間も、テレビでは、出場レーサーの紹介が行われていた。 三木(三木俊一郎)と轟木(轟木一騎)コンビ、ダーティポリスゴリライダー(郷里大輔) ようやく到着したエンジンを見つめる爺さんとフリスビーは、その桁外れの大きさに愕然としていた。 フリスビーは、今晩中にこれを積み、ニトロタンクも強化させると言う。 その時、上空に浮かぶロボワールド星で、多数の爆破のような光が見えたので、何事かとJPは外に出て眺める。 地下経電地点では、ロボワールド部隊が何かの作業していたが、そこに、天使形のポリスロボがやって来て、投降を呼びかけ、両者の撃ち合いの中、入力発電が破壊してしまう。 そんな騒動が起こっているとも知らず、自宅にいたソノシーは、1人料理を作っていた。 外に気配を感じ、ドアを開けてみたソノシーは、そこに花束が置かれていることに気づく。 エアバイクに乗って帰っていたJPは、崖から落下し、投げ出されてしまう。 (回想)名前?私、ソノシーと、ソノシーが答える。 (回想明け)JPは花畑に墜落したお陰か、無傷ですんだ。 その頃、ソノシーは、明日のコース選択をしていた。 テレビでは、ジョの特集をやっており、八百長レースのスペシャリストとして有名と言っていたので、それを見たソノシーは、何これ!と愕然としてしまう。 決戦当日 ロボワールド大統領は、特殊な力がある王妃と手を組んだのか…と呟いていた。 もぐらオヤジは、テストランなしで本番になっちまった…と、最終的な改造車の試験が出来なかったことを悔んでいた。 赤いガスは何だ?とロボワールド大統領は聞く。 遠隔魔法を使う姫(声-寿美菜子)が登場し、レースの道筋を描いて行く。 西はノックタワー、東は次元ドライブでしてくる模様 タイタン国防長官も始動するよう、大統領から命じられていた。 もぐらオヤジは、ジャンク屋のテレビで中継を観ていた。 フリスビーは市場に来ていた。 三点分解砲、アポジテーター点火!とタイタン国防長官が指示を出す。 エネルギー充填90%! 大統領は遮光メガネをかけ。三点分解砲発射!と命じるが、装置が作動しないので、何故発射しない?と聞くと、タイタン国防長官は故障していますと報告する。 この妨害工作失敗の結果、軌道衛星から、レースカーが無事エウロパに落下して、5年に1度のビッグレースが始まる。 賭けのオッズは、2万5000倍とJPは呟く。 放送席の解説には、第2回優勝者のミレルバ(声-立川三貴)が招かれていた。 大統領府では、ボルトン部隊が操縦者が車と一体化した飛行メカになり出動していた。 地上からは、落下して来るレースカーに向け砲撃が始まる。 ボルトン部隊が攻撃して来たのだった。 その時、大統領に電話がかかり、このレースは、M3星雲の45.2%に中継されていると言う報告が上がる。 下手なことをすると、星雲中に知れ渡ってしまうと言うことだった。 ソノシーは、クワガタ形のリンチマンの車リンチカーを見つけて、その角の部分を外す。 泣いてから強いタイプのデイズナ弟は、俺を残して、除隊したのを後悔しろ!と泣きながら操縦していた。 テレビ中継を観ていたもぐらオヤジは、JPのトランザム20000改WRを観て、マシンとエンジンのバランスが悪い!とぼやいていた。 JPは、最初の加速を行う。 トランザムは、水面を水切りのように走って行く。 同じく、市場のモニターでレースを観ていたフリスビーは、JPがラスト、勝ちに拘ると困るよ、万一の時…と賭け主から念を押され、大丈夫ですよ。万一のことなんてないですからと保証する。 ボイボイとボスボスのマシン、ボインカーは、コースを外れるが、マシンはレディロボに変型する。 デイズナ弟は、7Xの地雷帯へコースを切る。 ボルトン部隊は、7Xに出動する。 セブンX地下 三木チームは、足で漕ぐスタイルで地下を進んでいた。 やがて、上空に大統領らが乗った空母が出現する。 日本車も走っていた。 大統領は、雑魚相手にもう攻撃する必要はないだろ?と問いかけるが、手を抜くことは許されないのです!とボルトンは答え、ソノシーの車も攻撃を受けてしまう。 JPは、横転した車からソノシーを救出する。 その時、突如、巨神兵のようなファンキーボーイが地底から起き上がると、口から砲火を発射する。 ファンキーボーイが暴走を始めたことを知った大統領は、三点分解砲の照準をファンキーボーイに合わせ発射する。 大爆発が起きたので、観客たちは、出場者全員死んじゃったのか!と唖然とする。 ソノシー、大丈夫か?と声をかけたJPは、横転したトランザムを元に戻そうと悪戦苦闘していた。 レッドライン出るの、君の夢だろ?君を乗せて行く。勝つよ、ソノシート一緒に勝つよ!とJPは宣言する。 ソノシーは、聞きたいことがあるの。JPって、八百長レースで警察に捕まったことがあるの?と聞いて来る。 ああ、8年前のイエローマックスで、優勝賞金担保に、マフィアと手を組んだんだけど、警察の囮捜査が入って…、おいつ動けなくなった。ずっと借りがあるんだと告白する。 話を聞いていたソノシーは、じゃあ返そうよ、このレースで!と言うので、手伝うのか!とJPが喜ぶと、その代わり、私の夢も叶えてねと言うので、JPは、もちろん!と答える。 三点分離砲の最重点には2時間かかると知ったボルトン大佐は、タコのような触手生物と合体し、パワーを得ると、ファンキーボーイと抱き合う。 トランザムを起こしたJPは、ソノシーを膝の上に乗せて再出発する。 中継を観ていたマフィアは、JPが運転するトランザムが3位まで上がって来た所で、もう十分だから、その起爆装置を寄越せ。イエローラインの倍の報酬を出すとフリスビーに迫る。 しかし、フリスビーは、俺は最後までレースが観たいんです。JPが勝つの観たくなったんですと答えたので、子分から殴られてしまう。 その時、突然、もぐらオヤジが飛び込んで来て、マフィアを撃つ。 そして、フリスビーから起爆装置を取り上げると、これは俺が預かるぞ。メカニックはレースを最後まで観る義務があるんだと言うので、フリスビーは思わず泣き出してしまう。 JPの膝の上に乗っていたソノシーは、アウトコースが空いたわ!と知らせる。 トランザムが追い上げて来たのに気づいたマシンヘッド鉄仁は、来たな!と呟くとラストスパートに入る。 ソノシーは、JPが最後のカプセルを投じた加速装置に、自分の青いスチームライトも投げ入れ、約束よ、私の夢、叶えてね!と叫ぶ。 JPは、なめんじゃねえぞ〜!と絶叫する。 中継を観ていたフリスビーは、人間は絶えられねえぞ!と絶叫していた。 そのくらい、もんスター級の加速がJPにかかっていた。 他社も一斉にチューンナップする。 ボルトン部隊は、さすがにもう追いつけないと諦める。 ゴール地点は、高い塔の天辺だっため、垂直に壁を登らない限りゴールに到達できないはずで、どうなることかと思われたが、突如、姫のマザーシップが塔の上に出現し、ゴールに繋がる新しい曲線の坂道のラインを作ってしまう。 その坂道を上るのは、マシンヘッド鉄仁の車と、JPのトランザムの一騎打ちになる。 絶対勝つ!JPが叫ぶ。 来た〜!JPとソノシーの車が来た〜!アナウンサーも絶叫する。 JPには、子供の頃観た、かっこいい車に女を乗せ去って行った金持ちの若者の姿が見えた。 JPのトランザムが先頭になり、マシンヘッド鉄仁のマシンが追って来る。 勝つには、強烈なインパクトが必要だ!何かねえかな〜?もうねえよ…、エンジンブローだ! マシンヘッド鉄仁のマシンが猛追をかける。 トランザムが一瞬早くゴールインし、大爆発を起こす。 JPとソノシーは空中に放り投げられる。 2人の身体は、一緒にゴール地点を通過していた。 やっちまった!と唖然とするJP 面白いじゃないかと感心するマシンヘッド鉄仁。 ソノシー、愛してる!と空中でJPが告白すると、嬉しい!私も!とソノシーも答え、2人は空中でキスをするのだった。 LOVE END |
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