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釣りバカ日誌3

「男はつらいよ」の併映作として定着したシリーズ第3弾。

今回は、ある女性との出会いをきっかけに、スーさんの過去のロマンスが語られる展開になっている。

この時期の釣りバカは善くも悪くも「添え物」感がぷんぷんしており、話の展開も見え見えと言うかシンプルというか、たあいない印象のものが多い。

あくまでも、時間つぶしとしては、さほど退屈もせず、ちょうど良いと言った感じ。

見所としては、女子社員の1人として「ちびまる子」で知られるTARAKOが出ているのが今観ると珍しいくらいだろうか?

加藤武は、この時期入れ歯をなさっていたのか、黒澤演出の影響なのか、いかにも無理にセリフをはっきり言おうとしている様子がうかがえる。

マエタケ(前田武彦)などの自然なセリフ回しに比べると、かなり不自然さが目立つ。

又、この時期のみち子役を演じている石田えりも、目がいつも笑ってないというか、作り笑顔の不自然さが目につくような気がする。

何となく、ハマちゃんのテンションに付き合い切れてない違和感が見えて取れるのだ。

そう言う「付き合いきれない」と言うことを表現する演技なのだろうか?

ハマちゃんが、何か悪のりをしているシーンではそうかもしれないが、みち子の笑顔はいつも同じに見える。

登場シーンは少ないながら、スーさんの奥さん久江役の丹阿弥谷津子の方にはそうした違和感のようなものはない。

いかにもそう言う奥様はいそうだし、存在感がある。

それに対し、みち子のキャラクターが今ひとつはっきりしていないこともあるのかもしれない。

生活感がないと言うべきかもしれない。

いつもニコニコしているだけという曖昧なキャラクターに、石田えりは溶け込めなかったのではないだろうか。

この後のシリーズで、みち子役が交代したということを知っていることから感じるこちらの思い過ごしかも知れないが、何となく気になってしまう。

このシリーズの中では、普通くらいの出来ではないだろうか。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1990年、やまさき十三+北見けんいち原作、山田洋次+ 堀本卓脚本、栗山富夫監督作品。

太田屋の前でイライラしながら近くしているスーさんを待ちわびるハマちゃん(西田敏行)は、釣りだけは絶対遅れるなって言ってるのに…と呟く。

大田丸の船長が出るよと言って来るが、俺に弟子なんだ。幸薄き老人なんだよと説明し、何とか無理して待ってもらう。

ようやくタクシーが到着し、降り立ったスーさん(三國連太郎)は、高速が混んでて…などというだけで、謝罪は一切なく、ハマちゃんに自分の荷物を持たせると、先に船に乗り込み、荷物を持って乗り込もうとするハマちゃんの手を引いてやる始末。

ようやく出航した太田丸の上で、不機嫌そうな顔のハマちゃんは、スーさんに、これまで自分が立て替えて来た20314円を返してと請求するが、スーさんはすまして財布を渡す。

しかし、カードばかりで現金が入っていない財布を観たハマちゃんは怒り出す。

スーさんは、カードは万国共通ですなどと言いながら、持ち込んだロマネコンティをグラスに注いでハマちゃんに渡してやる。

立ち上がって場所移動しようとした二人の身体がぶつかり、スーさんが持っていたロマネコンティがこぼれ出したので、もったいないと、ハマちゃんは、瓶から流れ出るワインに口を持って行く。

タイトル

船上で、ハマちゃんに餌を付けてもらおうとするスーさんだったが、そろそろ自分でしましょうとハマちゃんは相手にしない。

メガネを忘れて来たんだと事情を説明しても、ハマちゃんのスーさんに対する姿勢は厳しく、隣の人に餌を付けてもらっていたスーさんに、何、甘えてるの?と後ろから注意して来る。

やがて、スーさん、ハマちゃん、共に当たりがあるが、糸を引いてみると、2人、同じ石鯛を釣っていたことが分かりがっくり。(ここまでタイトルバック)

朝、出勤のため自宅を出ようとしていたハマちゃんは、今日は会社に行くの止めると言い出したので、みち子(石田えり)が訳を聞くと、今日は一日中、みち子さんの顔を観ていたいなどと甘え出したので、みち子は家に戻り、自分が写った写真を持たせ、会社へ送り出す。

一方、スーさんの方は、今夜、温暖とオペラに行くから、外で食べて来てと言う妻の久江(丹阿弥谷津子)に見送られて自動車で出社する。

鈴木建設に到着したスーさんを、待ち構えていた秋山専務(加藤武)や堀田常務(前田武彦)が、あれこれと報告して来るので、スーさんは君たちに任すと言ってあるだろう!と癇癪を起こしエレベーターに乗り込む。

そこに、みち子の写真を見ながら入口にぶつかったハマちゃんが、慌てて乗り込んで来る。

ハマちゃんは、営業三課の階数をとっさに思い出さなかったが、先に乗っていたスーさんが4階と教えてやる。

10月22日を知らせる社内放送と共に、全課では社歌を歌い始めるが、1人ハマちゃんだけは、みち子さんの写真を見つめながら「君といつまでも」を歌っていた。

草森秘書(園田裕久)は、社歌を歌いながら、社長室に入って来るが、スーさんからうるさいと叱られてしまう。

仕事中もずっとみち子さんの写真を見つめてばかりいるハマちゃんに、恵(戸川純)が、付き合っていた相手と分かれたらしく、自分が使っていた写真立てをくれる。

そこに、珍しく笹原(丹野由之)が遅刻して来て、今朝、赤ん坊が生まれたというので、課内はみんなその話題一色になる。

すると、恵が、赤ん坊の写真を披露していた笹原に渡すのでさっき渡した写真立てを返してくれと言い出し、ハマちゃんも、赤ちゃんが出来たら渡すと言われたのでがっかりする。

昼休み、近くのビルの屋上のペットショップで子犬を抱いていたハマちゃんに、何をしているのかと声をかけて来たのはスーさんだった。

子供がいないので、ペットでも飼おうかと思って…とハマちゃんが説明すると、スーさんは、子供を持つのも善し悪しだよ。うちなんか2人の子供が苦労の種だと言う。

それでも、そんな苦労がしてみたいんだ。自分で子供を抱いてみたいのよと言うハマちゃんは、医者に診てもらったけど、問題なし。むしろ、濃過ぎるので、渋滞して目的地に届かないのかもと医者に言われたと話すと、それを真に受けたスーさんがすっかり感心するので、ハマちゃんは冗談だよと返す。

その後、工事現場の視察に来たスーさんは、規則ですからと、ヘルメットをかぶるように言われるが、サイズがあったものがないので、小さなヘルメットをちょこんとかぶって視察を始める。

夜、帰宅して風呂上がりのハマちゃんは、愉快そうに「こんにちわ赤ちゃん」の歌を歌っていたが、それを聞きながらビールの準備をするみち子の表情は暗かった。

ごめんね、生まれないの、私のせいよ…と急に謝るみち子に、どうしたの?とハマちゃんは聞き返すが、この頃毎晩ハマちゃんはお風呂でその歌を歌っている…と言うので、ハマちゃんは自分の無神経振りに気づき慌てて謝ると、みち子を抱きしめるが、それを邪魔するように電話がかかって来る。

それはスーさんからの電話で、今度、星ヶ浦でヒラメをやろうよという誘いだった。

スーさんはみち子に電話を代わってもらうが、みち子は、側に付きっきりで段々興奮して来たハマちゃんから身体をくすぐられ笑いっぱなしだったので、事情を察したスーさんは。結構です、十分お楽しみくださいと言って電話を切ると、ああ青春か…とため息をつく。

電車とタクシーを乗り継ぎ、星ヶ浦に到着したスーさんは、町並みを観ながら、昔来た時のことを思い出し嬉しそうだった。

一方、朝が早かったハマちゃんの方は眠気に勝てず、舞い上がってあれこれ話しかけて来るスーさんを無視して怒らせてしまう。

港に着いたハマちゃんは、船の世話をしてもらう馴染みの松造(花澤徳衛)爺さんに挨拶をしに来るが、その松造爺さんが、あんたらの他に、もう1人乗っけてもらえないか?と聞いて来る。

観ると、小柄な人影が海に向かって座っていたので、快く承知したハマちゃんだったが、スーさんの方は、自分が素人のくせに、他の素人を同乗させるのに乗り気ではないようだった。

ところが、振り向いて2人に挨拶した佐原雪子(五月みどり)は美しい女性だったので、ハマちゃんは喜ぶが、スーさんの方は何かに驚いたようだった。

松造爺さんの船が出発し、いよいよヒラメ釣りを始めてみると、驚いたことに、かなりの凄腕だった。

吊り上げたヒラメが赤ん坊だと気づくと、海に帰してやる優しさやマナーも兼ね備えていた。

星ヶ浦荘で、夕食を共にしたスーさんが、雪子にこの町の生まれでしょう?と聞くと、中学までいて、その後は母と全国を転々、母が亡くなった時、どうしても海が見えるここに埋めてくれというので…と雪子は教える。

さらに、母は、音楽学校を出ていたので、この土地で学校の先生をしていたと言う雪子の言葉を聞いていたスーさんは、何かを思い詰めているようだった。

一方、ハマちゃんの方は、朝早かったことが利いて来たのか、早くも眠り始めていた。

スーさんは、お母さんの名前は、村上多恵子さんでは?と聞くと、雪子は驚いたように、どうして母の名をご存知なのですか?と聞き返す。

スーさんは、終戦の年、兵隊に取られ、ここに駐留しており、その時、お母さんとちょっと接触があたんですと説明する。

すると、雪子も、鈴木さんのお名前は一之助さんとおっしゃるのでは?母がよく話していましたと言うではないか。

感激したスーさんは、随分探したんですよ、お母さんのことは…とつぶやき、雪子の方も、お母さんに聞かせたかったと感激する。

その時、松造爺さんが、雪子が吊り上げたヒラメを薄造りにしたものを持って来てくれたので、スーさんは、寝ていたハマちゃんを起こして、自分もさっそく口にするが、わさびを入れ過ぎたのか辛いと顔をしかめる。

翌日、雪子と共に、彼女の母親の墓参りに行ったスーさんは、貧相な墓を恥ずかしがる雪子から、最近、この辺りにゴルフ場を作るので、この墓も立ち退いてくれと開発業者から言われていると打ち明ける。

それを聞いたスーさんは、情けない連中ですなと怒る。

その後、帰宅したハマちゃんは、雪子はスーさんの恋人の娘さんらしく、2人が別れるときは哀しそうだったよなどとみち子に説明しながら、日焼けした顔を修復するためにパックをしていた。

すると、みち子が、スーさんは若い頃ハンサムなはずよ。鼻も高いし…と言うと、急にハマちゃんはむくれ出す。

ハマちゃんが、顔のことを言われるといつも怒ることに気づいたみち子は、私はハンサムじゃないハマちゃんが好きなの。新婚旅行の時にも言ったでしょう?私はその丸い顔が好きなのと必死にフォローすると、ようやく機嫌を直したハマちゃんは、ベッドにみち子を押し倒し、合体するのであった。

翌日の鈴木建設では重役会議が行われていた。

疲れが溜まっていたスーさんは、席上居眠りをしていたが、そんな社長に苛つきながらも、秋山専務が、内野部長(三谷昇)にスクリーンの準備をさせると、上伊豆町の会員制ゴルフ場を含む海岸地区リゾート建設のプランを話し始める。

マリーナとショッピングセンターを建設すると話し終えた時に目覚めたスーさんは、これは何ですか?と聞く。

星ヶ浦を含む上伊豆町です。1974年の町村合併で田所村と合併して、今や上伊豆町と呼ばれており、上伊豆の陳情で始めたものですと秋山専務が説明すると、スーさんはいら立ったように、住民感情のことだよと言い出し、1人でも反対者がいればやらんと言うのが、うちの基本姿勢だと言う。

秋山専務は、今の所、全くないと聞いておりますと答え、この件は、7月の役員会で社長の承認を得ておりますが?と言われると、後は君に任せると言い残してスーさんは退席する。

その社長の態度に呆れていた堀田常務などは、あれはアルツハイマーだねと嘲笑するが、そこに当のスーさんが戻って来たので、全員固まってしまう。

東駒形2丁目公民館で、「涙の連絡船」のカラオケ指導していた雪子は、近所の寿司屋に呼び出したハマちゃんに会いに行く。

カラオケの先生をしているんですって?と今、店の主人から聞いたばかりのことを確認したハマちゃんに、雪子は、一時は歌手を目指していたこともあると言いながら、座敷で対面する。

ハマちゃんは、話があると言う雪子に、みち子の写真を出して見せ、貯金もないからなどと警戒するが、雪子はそう言うことではなくて、星ヶ浦でスーさんにあって以来眠れないのと言い出す。

あんな爺のどこが良いのと又しても先走るハマちゃんに、自分はお父さんの顔を知らない。母は父の話をしてくれなかったし、人の話ではひどい男だったらしいと雪子は説明する。

木一之助さんは、私にとって、幻の父だったの。この人が私のお父さんだったらって思っていたら、石屋さんが来た時、お母さんのお墓の注文を受けたけど、どんな形にしますか?と言われたので、驚いて注文先を訪ねたら、それがスーさんだったのよと雪子は続ける。

それを聞いたハマちゃんは、スーさんはお父さんなんじゃないの?あの人以外とケチなのよ。俺が立て替えた金すら返してくれないし…と言い、寿司屋の主人に墓の相場を聞くと、最低でも200万というので、それだけ使うということはただ事ではない。すぐにでも親子の名乗りを上げないと…、俺、全部段取るわと一人で決めてしまう。

その後、佐々木課長(谷啓)に、今日はもう戻らないと一方的に連絡をして、電話を切ってしまったハマちゃんだったが、堪忍袋の緒が切れた佐々木課長は首だ!と指を突き出す。

その時、その指の先にいたのは、女子社員の香織(TARAKO)だったので、香織は一瞬気絶しかけるが、佐々木課長の説明で勘違いだったと分かると、持って来た書類にどんどんハンコを押させる。

その夜、料亭から車で帰宅途中だったスーさんは、前原運転手(笹野高史)から、みち子さんという女性から電話があり、必ず来て下さるようにとのことでしたと聞くと、一瞬、どこのみち子さんだったかと考えるが、すぐに気づいて笑顔になる。

その頃、ハマちゃんはみち子と、自宅に雪子を招いていたが、スーさんが来たチャイムが聞こえると、雪子をカーテンの奥の部屋に一旦隠して、スーさんを向かえる。

みち子が、今日、ハマちゃん、雪子さんに会ったんだって。スーさんがお墓送ったの、喜んでいたってと口火を切る。

ハマちゃんは、じっとスーさんを見つめながら、ユッコ、お父さんだよって言ってやってよ。あの日から彼女眠れないんだって。一目で分かったって、スーさんがお父さんだってと詰め寄るが、スーさんは、何の話ですか?と意味が分からない様子。

そうか、私をお父さんだって思ってくれているのか…とようやく得心したスーさんだったが、40年間も苦しんできたそうよとみち子が言い、カーテンを開けて当の雪子が姿を見せると、スーさんは、彼女のお母さんとは、昔、ただそう言うことになってしまったってことなんだよと言うだけ。

何のことかとハマちゃんが問いつめると、どうやらスーさんは、2人の間には男女の関係などはなかったと言っていたのだが、俺だって子供の作り方くらい知ってるよ!とハマちゃんが怒ると、でも赤ちゃん出来ないじゃないか!とついスーさんも言い返してしまう。

それを聞いていたみち子は、ひどい!と泣き出してしまい、ハマちゃんは怒り出し、スーさんは、そんなつもりじゃなかったんだと詫びるしかなかった。

終戦の晩、彼女のお母さんと私は、松林の中で会い、手を握っただけで、この人は私の娘じゃないんだよと説明したスーさんに、ハマちゃんは、釣りが好きな奴はみんなスケベなんだよと迫り、2人は取っ組み合いになってしまう。

怒ってハマちゃんの家を飛び出したスーさんは、居眠りをしていた前原運転手を起こし、車に乗り込もうとするが、後を追って来た雪子に気づくと、少し歩き、あなたが私の実の娘であったら…と残念がり、雪子の方も嬉しい!と感極まり、スーさんに抱きつく。

スーさんは、車を呼び寄せると、今度又2人きりでお会いしましょうと雪子に言い残すと、ハマちゃんの家から一旦持ち帰って来たみやげを、又雪子に手渡し、車に乗り込むと帰って行くのだった。

翌日、中米視察に向かうことになったスーさんは、社長室横の秘密の釣り部屋で道具を物色しながら、秘書の草森に、航空便で送るようにと指示を出していた。

上伊豆町星ヶ浦公民館

松造爺さんが集まった町民の前で、港と魚を守ろうと言う演説を行っていた。

それを聞きながら拍手をしていた参加者の中に、ハマちゃんと雪子の姿もあった。

その後、海辺付近に来て、開発反対の署名活動をしていたハマちゃんは、堤防で釣っていた男女にも署名を求めるが、興味がないからと断られると、釣りの仕方がなっていないんだよなどと一方的に指導を始め、今まで集めた署名書が風に飛ばされるのもおかまいなしだった。

星ヶ浦での住民反対運動で、市長が窮地に追い込まれたことは新聞で報道される。

中米パナマから、急遽ラフなリゾート姿のまま鈴木建設の社長室に舞い戻って来たスーさんは、集まって来た役員たち、特に秋山専務に、君はこの新聞を読んだかね?と問いつめる。

しかし、秋山専務初め役員たちは、この程度の反対は良くあることで、反対派に現金をばらまいて解決しましょうと持ちかける。

スーさんは結論を言うと良いながら、かぶっていた帽子を投げると、それは女性秘書の頭にすっぽりかぶさる。

我々の開発事業は、自然を破壊する宿命にあり、孫子の代まで責任を負わねばならない。

今回の星ヶ浦開発は中止する。もちろん自分は企業のトップですから、一切の責任は取ると言い渡す。

そんなスーさんの元に新聞を持って近づいた内野部長は、ここに写っている反対運動の人間は、うちの社の営業三課にいる浜崎伝助ですと指摘する。

スーさんは、絶対間違いないと証明できるのかと反論するが、奥さんに電話して確認してみた所、星ヶ浦開発の反対運動に行くと言っていたと言っていたと内野部長は言う。

そこまで言われれば、さすがのスーさんも反論できず、その男を呼びなさいと命じるしかなかった。

その頃、ハマちゃんは、営業第三課の自分の机で「サビキ」を作っていた。

女子社員たちが興味を示してそれは何かと聞くので、ハマちゃんは説明を始めるが、材料として使ったコンドームの正体が分からない香織たちに愉快そうだった。

そこに血相を変えてやって来た佐々木課長と草森秘書によって、ハマちゃんはイスごと社長室へ連れて行かれる。

社長室に着くと、待ち受けていた秋山専務から、この新聞に載っているのは君かと聞かれたのであっさりそうだと答えたハマちゃんは、町から請け負っていたのはうちの会社だと聞かされると、はじめて、自分がやってしまったことに気づいたようだった。

その場で知らん振りをしているスーさんに眼で合図を送るが、スーさんも対処しかねる様子で相手にしない。

堀田常務から社長が計画を中止したんだと聞くと、ハマちゃんは思わず、偉い!と言ってしまう。

地球儀を持ち出したスーさんは、ハマちゃんの転勤先としてあれこれ候補地を言うが、その度にハマちゃんは目を輝かせ、その地で捕れる魚の名を上げ始める。

呆れたスーさんは、地球儀を放り投げると、釣りの部屋に逃げ込んでしまう。

その夜、帰宅したハマちゃんは、もし僕がものすご〜く遠くに転勤させられたら、みち子さん付いて来てくれる?と聞くと、みち子はどこまでも付いて行くと答えてくれる。

その時、やって来たのは佐々木課長だった。

ハマちゃんが奇妙な帽子をかぶっているので、何だそれはと聞くので、みち子さんが帽子のデザインを始めたと答えるハマちゃんに、佐々木課長は、今まで君の処分に付いて話し合っていたが、結局、君に一番懲罰になるのは、課長にさせることに決まったという。

それを聞いたハマちゃんは青ざめ、そんなことになったら会社を辞めると慌てるが、そんなことする訳ないだろう?君は今のままだ。営業三課にいるってことだと佐々木課長は冗談を訂正する。

何の懲罰もなかったと安心したハマちゃんだったが、出社停止2週間だと佐々木課長が突きつけると、かえって喜んで、佐々木課長が置いていたケーキをもらおうとするので、佐々木課長はそれはうちの3番目の息子の誕生日用のケーキだと照れくさそうに取り戻す。

子供たちの顔を観ると、疲れが跳んでしまうんだとにやけながら帰って行った佐々木課長をうらやましく感じたハマちゃんとみち子は、その夜、又合体するのだった。

その後、出社停止2週間を有効利用し、スーさんと共に星ヶ浦の松造爺さんの船で釣りを楽しんでいたハマちゃんだったが、そろそろ病院に電話したいので帰ると言い出す。

誰か病気なのかと聞くスーさんに、みち子が病院に行っているという。

妊娠検査のことだと気づいたスーさんは、だったら心配ないと言いながら、自分用の携帯伝アをハマちゃんに貸し、会場からの通信は違反だが、この際良いだろうと、電話をかけさせる。

病院のみち子と電話が繋がったハマちゃんは検査結果を聞くが、又ダメだったと聞くと、心底がっかりして、持っていた携帯を海に投げ込んでしまう。

携帯電話は海中を落下しながら、まだみち子からの声を伝えていた。

もしもし?ハマちゃんいるの?今の噓、本当は出来たの、3ヶ月だって…

海底に到着した携帯に魚が近づいて来る。


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