1997年、スウェーデン、アストリッド・リンドグレーン原作、ヨーラン・カームバック原案+脚本+監督作品。
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カッレ(マルテ・フォースベリィ)、エーヴァ・ロッタ(ジョセフィン・オーリング)、アンデス(トッテ・ステンビー)の仲良しトリオ「白バラ団」は、今日も、聖像を求め、ライバルトリオである「赤バラ団」との攻防を、近所の空き家で繰り広げていた。
空き家の中に忍び込んだエーヴァ・ロッタは、急にカッレの姿が見えなくなり、その内、誰かから口を塞がれたのでびっくりするが、それはアンデスの仕業だったので、脅かさないでよと文句を言う。
「赤バラ団」のリーダー、シックステン(ビクター・サンドベリィ)を見つけたアンデスは、持っていた棒きれでフェンシングごっこを始める。
シックステンは、二刀流で応戦し始め、剣代わりの棒を取り落としたアンデスは、庭の石垣を渡り逃げ始める。
シックステンもその後を追い、他のメンバーたちは、二人の追いかけっこを見つめていたが、突然、アンデスの足下の石垣が崩れ、アンデスは、崖の下に墜落してしまう。
驚いたみんなが、アンデスの様子を覗き込むと、アンデスは、石垣の途中に突き出た棒にしがみついていた。
急いでロープを持って来たカッレは、それを石垣の下に落とすが、ロープは、アンデスがしがみついている場所から少し離れていた。
エーヴァ・ロッタが、ロープを引っ張り、アンデスの方に近づけたので、何とか、アンデスはそのロープをつかむ事が出来、上に引っ張り上げられる。
戦争ごっこを終え、一緒に帰っていた「白バラ団」トリオは、5歳のラスムス(ウィリアム・スヴェドベリィ)と言う幼児から声をかけられたので、ちょっと話しかける。
近くにはサイドカー付きバイクが置いてあり、ラスムスが言うには、自分のパパが、穴の空かない軽金属を発明したのだと言う。
そのパパらしき男が近づいて来ると、ラスムスをサイドカー付きバイクに乗せ、一緒に立ち去って行く。
その後、パン屋の屋根裏部屋にいたエーヴァ・ロッタの元に集結したカッレとアンデスは、シックステンからの手紙を読むと、夜食用にパンを持ち、エーヴァ・ロッタは「みんなへ 戦争に行ってきます。すぐに戻ります。多分ね。エーヴァ・ロッタ」と言う置き手紙を残して、家を後にする。
橋の所で、仲良しのビョルク巡査(クラース・マルムベリィ)と出会うが、ビョルク巡査は「軽金属発明!戦争兵器に大革命?」と大きく書かれた新聞記事を読んでいた。
暗くなって、マスムスの家の前の草むらで隠れていたカッレたちは、車が近づいて来て、そこから降り立った男たちが、家の中を覗いたり、梯子で二階に上るなど、怪し気な行動をとり始めたので、油断なく監視していた。
やがて、あのラスムスを連れ出した男たちを見たエーヴァ・ロッタは、これは誘拐だと気づき、ビョルク巡査を呼ぼうとする。
しかし、間に合いそうもないと悟ったエーヴァ・ロッタは、車の後部座席に忍び込む。
さらに、ラスムスのパパの教授も誘拐されてしまう。
運転はブルム、後部座席には、ペータースと呼ばれる犯人のリーダー的男と教授、そして、いつの間にか乗り込んでいたエーヴァ・ロッタが並んで座り、出発した犯人たちの車を、カッレとアンデスは、サイドカーで追いかける事にする。
助手席に座った犯人の一人ニッケ(ピエール・リンドステット)に抱っこされて寝ていたラスムスが目を覚ます。
エーヴァ・ロッタは、持っていたパンを小さくちぎったものを、こっそり、窓から捨てる。
分かれ道に来たカッレとアンデスは、一方の道に、ちぎったパンが落ちていたのに気づき、エーヴァ・ロッタが目印用に落としたものだと気づくと、そちらの道に進む。
森の中に入り込んだ犯人の車は、やがて湖畔に出ると、そこから犯人たちは、ボートで移動し始める。
遅れてその場所に到達したカッレとアンデスは、犯人たちの目的地が、湖の中にあるカルブ島だと気づき、服を脱いで頭の上に乗せると、泳いで渡り始める。
島にたどり着いた犯人組のリーダー、ペータースは、屋敷の前のテーブルで、教授に、新発明の設計図を渡せば100万渡すと交渉していた。
しかし、教授は、設計図は、自分個人のものではなく、スウェーデン政府のものだと固辞する。
すると、ペータースは、嫌なら、息子さんと引き離すと、ラスムスを連れて行こうとする。
その時、ラスムスが、パパが仕舞う所を見たよと突然言い出す。
教授は言っちゃダメだと口止めするが、ラスムスは、上でもないし、下でもないし…と、何だか今にもしゃべりたさそうな雰囲気。
その時、近くの小屋に監禁していたエーヴァ・ロッタが、「出して!」と騒ぎ出したので、ニッケは、ラスムスを連れて、小屋の中に入って来る。
エーヴァ・ロッタは、ニッケに、「ハムエッグが食べたい!両面焼きよ」と注文する。
ニッケが小屋を出て行くと、白バラ団が助けに来たとラスムスに伝えると、ラスムスは自分も入りたいと言い出す。
二人のことを誰にも言わなければ入れてあげると約束したエーヴァ・ロッタは、その後、疲れ切ったラスムスと一緒に小屋の中で寝る。
その夜、カッレとアンデスは、小屋に近づき、エーヴァ・ロッタから、夕食の残りのパンをもらい、教授は、屋敷の一番上の部屋にいると教えてもらう。
ラスムスが、又、白バラ団に入れてとねだったので、アンデスは、黙っていたらねと約束する。
そこに、ニッケがやって来て、ラスムスに優しく接してくれたので、ラスムスは、良い誘拐犯だねと言う。
エーヴァ・ロッタは、ベッドにラスムスを寝かしてやったニッケに、又、食べ物を要求する。
アンデスは、教授と話そうとカッレと相談するが、自分はもう高い所は懲りたと言う。
仕方なく、カッレが、屋敷の壁をよじ登り、一番上の部屋に軟禁されていた教授に話しかけ、警察に知らせようか?と聞くが、ペータースは危険な男だし、息子は隠し場所を知っていると言う。
カッレは、秘密の書類を隠し直そうか?と相談するが、その時、ペータースがいきなり部屋に入って来たので、驚いたカッレは、地面に落ちてしまう。
ペータースは、ニッケとブルムの名を呼ぶと、誰かがいるぞ!と伝える。
しかし、カッレとアンデスは二人の追跡をかわすと、何とか、その夜は洞窟の中に隠れ、見つからずにすむ。
翌朝、ニッケは、小屋に朝食を運んで来るが、その時、ラスムスに手製の船を手渡す。
そこに、ペータースとブルムがやって来て、ラスムスに、パパの書類はどこかな?と優しく問いかける。
ラスムスは、犯人には教えない…と言いながらも、つい「本の後ろなんて…」としゃべってしまう。
その頃、カッレとアンデスは、モーターボートに乗ろうとしていたが、肝心のキーが見つからない。
仕方がないので、手漕ぎの小舟で、湖を渡り、サイドカーで教授の家まで戻る事にする。
一方、ペータースとブルムも、車で教授の家に向かう。
カッレとアンデスは、本棚を必死に探し、何とか封筒を見つけ出すが、そこにペータースが到着したので、梯子を伝って下へ下りようとして、落下してしまう。
ペータースは、逃げるカッレたちを銃で撃とうとするが、二人は森の中に駆け込み難を逃れる。
やがて、ビョルク巡査に会ったので、悪人がいると教えるが、ビョルク巡査が二人の言葉を信用せず、家の人が心配していたよと教える。
カッレはアンデスに、ラスムスが危ないから、今は言えないと制する。
その頃、島の小屋に監禁されていたエーヴァ・ロッタは、ニッケを呼ぶと、ラスムスと泳ぎたいと言い、外に出してもらう。
そして、しげみの中で服を脱ぐからと言い、ニッケから離れると、白バラ団に入りたい?とラスムスに聞き、カッレとアンデスを見つけるのよと言いながら、森の中を走り始める。
しかし、ラスムスは、すぐに、森の中は嫌!パパに会いたいとぐずり始める。
そこに、戻って来たカッレが合流し、洞窟の中でも嫌かな?と言い、穴の中に連れて行くと、自宅から持ち込んで来たパパのキャンプ用具で食事を作り、みんなに食べさせる。
翌朝、カッレたちは、船に乗り込み、湖を渡ろうとするが、アンデスが洞窟に懐中電灯を忘れたと言い出し取りに戻る。
しかし、なかなか戻って来ないので、ラスムスが探しに行き、カッレとエーヴァ・ロッタも洞窟に迎えに行くが、そこにはブルムが待ち構えており、カッレとエーヴァ・ロッタも捕まってしまう。
アンデスとラスムスは、ペータースが確保していた。
書類の在処を知っているのはカッレだけだとラスムスがしゃべるが、ペータースは、スウェーデンにいたら、一生刑務所にいるくらい悪い事をしているんだと脅す。
子供たちは、ブルムとニッケに連れて行かれたので、ラスムスは、ニッケなんか嫌いだと言い出す。
歩きながら、カッレは方法があると呟き、ボートのキーを持っていたニッケに全員で襲いかかる。
そして、キーを奪い、モーターボートを動かそうとしたカッレだったが、なぜかボートは動かなかった。
ニッケは、カッレが逃げたと仲間たちに大声で知らせる。
カッレは、小屋の裏に隠れていた。
ニッケは、パータースに、俺は降りる。子供をあんなにして…と抗議していた。
ブルムは、明日の朝7時に、水上飛行機が迎えに来ると教えるが、ニッケは、教授と子供たちは生きて出られない。殺人じゃないかと怒る。
ブルムは、屋敷の中の無線で、明日の朝の飛行機の到着に付いて打ち合わせをしていたが、通信が終わり部屋を出て行った後、こっそり、その部屋に忍び込んだカッレは、無線機を使って「カルブ島にいます。警察に知らせて下さい」と通信を送る。
しかし、その途中で、声に気づいたブルムが戻って来て、カッレは捕まってしまい、みんなが閉じ込められていた小屋の中に連れて来られる。
気がつくと、ラスムスが持っていた船の玩具の中に、モーターボートの鍵が入っていた。
それを見つけたアンデスは、明日朝5時に脱出だ!と、みんなに告げる。
翌朝、予定通り、水上飛行機が島に近づいて来る。
エーヴァ・ロッタは、今日は、白バラ団に入る最後のテストよと言い、ラスムスを起こすと、ペータースがやって来て、ラスムスを連れて行こうとする。
思わず、エーヴァ・ロッタは、側にいたニッケに助けてと懇願する。
ニッケは、ペータースを殴ると、ラスムスを連れ、守へ逃げようとする。
ペータースは、銃を撃ちながらそれを追う。
カッレは秘かに水上飛行機に乗り込もうとしていた。
そこに、ボートに乗ったブルムたちが近づいて来たので、カッレは、水上飛行機のフロート部分をはがし始める。
みんなが乗り込み、水上を滑走し始めた飛行機だったが、操縦不能となったので、全員湖に飛び込む。
水上機は、ブイに衝突し、爆発炎上する。
ペータースは、泳いで島に戻るが、隠れていたアンデスが、足を引っかけ、転ばせる。
ニッケは、腹を射たれて出血していた。
その側にいたラスムスは。好きだよ、ニッケと伝え、行こうよと誘うが、ニッケはここに残る。射たれているからと告げる。
警察隊が、ボートで島に到着したので、ペータースは、どうしてここが分かったと驚くが、降りて来た警官が、学校の先生が、カッレの緊急無線を傍受したのだと教える。
カッレは、秘密の設計図は、パン屋の引き出しの中にあるのだと教える。
事件が決着し、白バラ団に入る事になったラスムスは、他の3人の前で、「秘密を守る事」「赤バラ団を見つけたら戦う事」と言う宣誓をする事になるが、「赤バラ団を見つけたら、秘密を漏らす事」と言ってしまう。
それでも、ラスムスは、エーヴァ・ロッタに抱っこされるのだった。
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「名探偵カッレ」シリーズの一本。
今回は、新発明をした教授の息子と知り合ったカッレたち「白バラ団」が、スパイ団の悪者たちと戦うと言う冒険色の濃い内容になっている。
相変わらず、女の子なのに男勝りのエーヴァ・ロッタが、母性本能を見せながら、幼いラスムスを守る姿が印象的。
又、敵のスパイ団の一人ニッケが、子供好きだったため、途中で改心すると言うのも興味深い。
無人島、ボートやサイドカーでの移動など、男の子にはわくわくするような設定が随所に登場し、楽しい展開になっている。