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Let's豪徳寺

1987年、松竹、庄司陽子原作、斉藤博脚本、前田陽一監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

大富豪の豪徳寺家は女系家族。

祖母香(南美江)は「時の過ぎ行くままに」を口ずさみながら、ジグソーパズルを組み立てる毎日で、「もう時期死ぬだけ」が口癖。

女主人雅(岸田今日子)は、畑仕事のかたわら、仲間たちとハレーレーダビッドソンを走らせるのが趣味。

長女、美姫(紺野美沙子)は、仕事一筋で、すでに二回の離婚歴の持主だったのだが、今の亭主もお手伝いと関係があることが発覚したので、三回目の離婚をすることになる。

次女、舞姫(岡安由美子)は、幼稚園の先生ながら無類の男好き。姉の亭主とも関係があったとか…。

そして、三女の咲姫(鈴木保奈美)は女子大生で、同級生の狛江百合(三田寛子)、大蔵(羽賀研二)といつも一緒に遊んでいたのだが、自分が思いを寄せている大蔵が、実は百合の方を好きだと分かったことがきっかけとなり、百合に、自分の家のお手伝いさんをやってみないかと誘うことになる。

彼女の同行を監視するためである。

百合はといえば、授業を受けている考古学の海老名保助教授(村上弘明)に憧れを抱いており、大蔵には興味がなかったので、あっさり、その申し出を受け入れることになる。

豪徳寺家で働きはじめた百合は、全く個性が違う家族の面々に面喰らうことばかり。

そんな中、舞姫は、同じ幼稚園に勤める風祭(柳沢慎吾)から、かねてより好きだったので、一度だけ寝てくれないかと大胆にも切り出され、あっさり承知することに。

美姫はといえば、大蔵と表面上は恋人同士のような付き合いを始められるようになったが、相手の心は全く変化していないことに気付きはじめる。

百合自身は、独身の海老名にアタックをかけることにするのだが…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

人気コミックの映画化作品で、三田寛子主演のアイドル映画でもある。
公開当時、併映だったのは菊池桃子主演の「アイドルを探せ」、アイドル映画が量産されていた時期の作品である。

個性豊かな富豪三姉妹と、ちょっと不器用な少女の恋愛ストーリーが平行して描かれて行くが、特殊なシュチュエーションの割には、それほどドタバタ劇といった印象でもなく、わりと普通というか、おとなしめの恋愛ドラマといった感じ。

それなりにまとめられているので、ビデオなどだと、特に可もなく不可もなく、何となく最後まで観てしまえるタイプの作品なのだが、映画としては地味というしかない。

出身大学の女子美では、その美貌で賀来千賀子と人気を二分していたらしい岡安由美子が、ドライで性にあけすけな女性を演じている。

羽賀研二は「誠実な男」をこの頃から演じているし、村上弘明も大人の男をなかなか巧みに演じている。

紺野美沙子がバリバリのキャリアウーマン役とは、ちょっと違うのでは?…と最初思わせるが、後半、彼女で納得という展開が待っている。

肝心の三田寛子だが、特にファンだった訳でもないので、何とも評価し難い。
アイドルとしてのイメージを壊さないように…という事務所側からの注文があったのか、全体的に真面目で大人しい印象しかなく、主役としてのインパクトは薄いように思えるのだが…。

「アイドルを探せ」同様、甘酸っぱい初恋の味の映画とでもいえば良いだろうか。