TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

ザ・クラフト

1996年、アメリカ、ピーター・フィラルディ原作+脚本、アンドリュー・フレミング監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

サンフランシスコから父親と義母と共にロスアンゼルスに引っ越してきたサラ(ロビン・タニー)は、新しい家で、いきなり見知らぬ男から「これは、あんたのだ」と 蛇を差し出される。

学校に通うようになったサラは、他の生徒たちから「嫌われ三羽烏」と呼ばれているナンシー(フェルザ・ザ・バルク)、ボニー(ネーヴ・キャンベル)、ロシェル(レイチェル・トゥルー)から、仲間にならないかと声をかけられる。

彼女ら三人組は、魔術に興味を持っており、マノンと呼ばれる大いなる力を得るためには、もう一人、仲間がいると信じ込んでいたからだった。

何となく興味本位から、彼女たちと連れ立ってオカルトショップへ立ち寄るサラであったが、今一つ、真剣にはなれなかった。

しかし、ちょっと気になっていたアメフト部のクリス・フッカー(スキート・ウルリッチ)が、自分の悪い噂を学校中に広めていると聞かされたサラは逆上し、迷うことなく、他の三人と共に、魔術の仲間になることにする。

ナンシーは、貧しく、たえず喧嘩の耐えない両親にいらだっていたし、アフリカ系のボニーは、同級生のローマから人種差別されていた。さらに、ロシェルは背中にひどい火傷を負っており、そのコンプレックスに悩んでいたのであった。

サラには亡き母親から受け継いだ潜在的な魔力が備わっていたのか、彼女らの願いは徐々に効果を現しはじめる。

その面白さにとりつかれはじめた彼女たちは、オカルトショップの店主リリオ(アサンプタ・セルナ)の「魔術は三倍になって、かけた本人に返ってくる」という忠告に耳を貸すこともなく、さらなる黒魔術を実行して行き、とうとう、何かにとりつかれたナンシーをはじめ、ボニーやロシェルの人格は異様なものに変化しはじめていく…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

日本でいえば「エコエコアザラク」のような、ティーン向けのオカルトホラー。

若者が、オカルトや魔術に興味があるのは世界共通らしく、自らのコンプレックスを魔力によって解決したいと考える発想も同じようだ。

劇中、彼女たちが観ているテレビが「奥様は魔女」なのがおかしい。

要所要所にVFXを使用した超常現象が表現され、後半は、ハリウッド映画らしく、対決ものになっていくが、全体的にイメージは意外と平凡。

やはり、この手の「いじめ」と「超能力での仕返し」パターン物では、すでに「キャリー」などといった有名な作品があるだけに、今一つインパクト不足の印象は拭いきれない。

主人公の立場が、加害者なのか被害者なのかはっきりしないというのも弱い所か。
逆にいえば、敵側にも同情すべき部分もあり、後半の対立は、観ていてもすっきりしない感じが残る。

「禁じられた遊び」に近づいちゃいけませんよ…という、子供たちへのメッセージ映画なのかも知れない。