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歌う弥次喜多 黄金道中

1957年、松竹京都、大曽根辰夫監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

歌いながら東海道を旅する2人、弥次郎兵衛(高田浩吉)と喜多八(伴淳三郎)が到着したのは浦賀の茶屋。

茶屋の娘から勧められ、近くにいた旅行案内人(トニー谷)に連れてこられた海岸には黒船の影が…。

その黒船を見ている大勢の見物人の中、一人の少女に、案内人から教わった怪しい英語で声をかけようとする喜多八だったが、少女から「NO!」と拒絶される。

さらに案内人に連れてこられたのは、ベリーダンサーがあられもない格好で踊っているキャバレー「クロフネ」、舞台ではウエスタンスタイルの小坂一也と「ワゴン・マスターズ」が歌っている。

そこで2人は花売りをしていた先ほどの少女おきん(シリア・ポール)と再会する。
彼女の母親は、国の為にと外国人に捧げられた「ジャガタラお春」(高峰三枝子)であったが、おきんは大人たちの会話から、母親が下田の領事館にいる事を知り、一人会いに出かけるのだったが、またまた弥次喜多コンビがそこに遭遇し、結局、彼女を嫌々ながら道連れにする事になる。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

一応、このおきんの「母を尋ねて三千里」みたいな話が物語のベースになっているのだが、基本的には「お遊び満載」のハチャメチャ時代劇ミュージカル…というか、テレビでいう所の「歌あり、笑いあり、涙ありのバラエティショー」である。

浪曲の広沢虎造、森の石松には堺駿二(マチャアキの実父)、関取役には横綱東富士、紀之国屋文右衛門には花菱アチャコ、他にもミヤコ蝶々、南都雄二など多彩なゲスト陣が次々に登場する。

今となっては、誰なのか分からない登場人物(おそらく、当時の人気歌手)も多い。
若い島倉千代子なども、何となく声が似ているな〜…くらいにしか判別できないほどである。

また、劇中で、高田浩吉が伊豆の左太郎、伴淳が清水の次郎長と、各々二役を披露したりするサービスまである。

物語後半では、紀之国屋文右衛門のみかん船に乗って、さらに長崎まで足を運ぶシーンが待っている。(途中、嵐に遭遇する特撮シーンなどは、松竹にしては良く出来ていて驚かされる)

あれこれ盛り込み過ぎて、収支が付かなくなっている感じもあるし、エンディングも何だかあっけないのだが、あくまでも、頭を空っぽにしてみるナンセンス映画としては十分楽しめる出来になっている。