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透明剣士

「妖怪大戦争」(1968)を撮った黒田義之監督の1970年度、大映京都作品。

♪僕らの〜とうめいけんし〜…と、軽やかなテーマソングで始まる、典型的な子供向け特撮時代劇ですね。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

長家住まいの武士を父に持つ夕月三四郎(酒井修)は、伊香仁斎(香川良介)の道場に通っていましたが、腕はからっきし。
自分は侍に向いていないと、まったくかなわない他の門弟たちに土下座する始末。

そんな三四郎の父、十兵衛は、最近江戸市中に横行している怪盗団を捕まえんと、子分(桂三枝)と共に、夜の町で身を潜めていましたが、そんな所に怪盗団が出現、応戦空しく、十兵衛は、敵の一人に切り殺されてしまいます。

生き残った子分の証言から、父の仇は、二の腕に般若の入れ墨がある人物と知った三四郎でしたが、仇討ちの方法すら思い付かず、一人、夜の橋の上で亡くなった父親の名を呼ぶばかり…。
すると、周囲の風景がたちまち変化し、墓場に隣接する川べりが出現し、そこから船に乗り込む父親の姿が見えるではないですか。
あわてて、その後を追おうとする三四郎でしたが、一人の不思議な人物に止められます。

目の前に見える川は「三途の川」であり、父親を連れている先導役の老人こそ「死に神」だというのです。

さらに、三四郎の身の上を聞いたその人物、実は「しょうけら」という妖怪で、高山に咲く稚児百合、深山幽谷に生えるスッポン茸、海のホンダワラの三つの植物を手に入れ、それを人知れず夜の間に煮詰めれば、不思議な緑色の薬が出来、それを飲めば何でも望みは叶えられると、三四郎に教えるのでした。

半信半疑だった三四郎ですが、取りあえず、しょうけらに教わった通りの薬を作り上げ、それを飲んでみると、あ〜ら不思議、彼の身体は透明になっていくではありませんか…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

長家の熊さんに岡八郎、幕府転覆を狙う鬼頭玄之進の屋敷に勤める門番役にやす・きよコンビ等、当時の吉本若手勢ぞろいで脇を固めているが、いかんせん、話がおもしろくない。

大体、武芸の腕がからっきしのくせに、身体が透明になるだけで、いきなりヒーローになるという設定自体が馴染めない。どう観ても、主役の行動は「卑怯もの」「腰抜け」にしか見えないのだ。

岡八「エ.ゲ・ツ・ナ〜〜」がただひとり、コメディリリーフとして奮闘振りを見せてはいるが、「ホネホネ…」などと、デビュー当時のマイナーギャグをいっている三枝や、同じく「マンマンチャン、アン!」などといっているやす・きよに、場を盛り上げる力量はまだなく、単なるオドケ役以上の役割は演じ切れていない。

どこか中途半端なアイドル顔というか、伊丹サチオ似の三四郎や、同じ長家仲間であるおすず(新田洋子)も凡庸な顔だちで、これといった魅力が感じられないのも辛い。

透明になった時だけ、三四郎の眼に見える「死に神」との掛け合い等、途中、多少面白い部分もない訳でもないだが、全体としては、極めて退屈な作品というしかない。

ただし、当時、ガメラ人気に追随する形で作られていた「妖怪シリーズ」の、最後の継承作品としてみる事もできよう。

大映特撮を知る上での、珍品の一本ではある。


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