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ウルトラマンコスモス
THE FIRST CONTACT
2001年、映画ウルトラマンコスモス製作委員会、飯島敏宏脚本+監督作品。
平成ウルトラマンがテレビ放映されて以降の劇場版シリーズは、全体的に低予算ながら、デジタル技術の導入や巧みな編集もあり、それなりに見ごたえがあるシリーズになっていると思う。
特に、ジュブナイル(子供向け)に徹底した作品は、この手の作品に感じがちな「玩具っぽさ」が気になる事も少なく、マニア層を意識したような、背伸びして作られた作品よりは完成度も高いように感じる。
そして、最新作「ウルトラマンコスモス」は、きちんと「子供向け」を意識して作られており、そうした意味では安心感があった。
冒頭、お馴染みのウルトラマン対バルタン星人による、めまぐるしい宇宙戦の後、シャープなCGロゴと、懐かしい石坂浩二(初代ナレーター)の声が聞こえてくると、オールドファンは無条件にあの頃(ファーストウルトラマン放映時)に気持ちが舞い戻る。
ウルトラマンの存在を信じる少年や、彼の家族と級友たちが物語の中核になって、それにボランティア防衛隊と、攻撃的な私的軍隊(?)がからむ。
大人の感覚からすると、設定の甘さや疑問点が気にならない訳でもなく、クライマックスのカタルシスもやや弱い…と感じないでもない。
しかし、昔の「ウルトラQ」や「初代ウルトラマン」のテイストには、こうした「甘いファンタジー」要素が確かにあり、そうした「素朴な夢物語の復活」を、当時の作品に参加していたベテランスタッフたちは意図しているのだと理解はできる。
あとは、その製作意図を肯定するか否定するかによって、この作品の評価は分かれるだろう。
私は肯定した。
地球移住を狙うバルタン星人たちに、結果的に「全員虐殺」という答えしか出し得なかった、初代ウルトラマンの違和感に対する、新しい回答がこの作品なのだと思う。
「甘い」…と言えば、まさしく甘い解決法ではあるのだが、観ている子供たちの違和感は昔より少ないのではないか。
ハードなSF指向だったティガからガイアに比べ、穏やか過ぎるファンタジーに戸惑う人もいるだろうが、今あえて、この「甘い夢」の意味を問い直してみるのも決して無駄ではないのではないか…と感じる。
明るい未来を信じられた、あの頃の「夢」を…。