品種改良食物とは違うのか?

 遺伝子組み換え食物の危険性を述べる前に、まず最も基本的な疑問に答えなければならない。
 それはつまり、従来の品種改良によって作られた食物遺伝子組み換え食物は同質のものなのか? というこである。

 天候に左右されにくい、または雨の降らない地でも育つ、生育が早いなど、これまでも品種改良によって 農作物は変わってきたし、この品種改良食物と遺伝子組み換え食物は同じような目的をもつ。つまり、ニー ズに合った新種の開発である。
 この実現により、農家は大規模化・効率化が可能になり、競争力の高い農作物を作ることができるようになる。

 しかし、新種を開発するとは言っても、用いられる手法に関しては両者には決定的な隔たりがある。
 従来の品種改良が「金髪の白人」と「黒髪の黄色人種」を結婚させて、「金髪で黄色い肌を持つハーフ」を作ることで あるのに対し、遺伝子組み換え食物は、「人間」と「猿」、いや「人間」と「馬・牛」を生殖させて新しい生命を 生み出すことなのだ。

 つまり「遺伝子組み換え食物は種の境界線を越えて新種の生命を誕生させる」という 点で、その安全性や生態系に与える影響は従来の品種改良に比べて比ではないのだ。

 詳細は後述しよう。

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