RG500Γ

リアルGP500レプリカ

東京ビッグサイト前にて


自己採点表(5段階)
*カッコ内はノーマル
高速
ポジション 1(4) 3(4) 5(3)
エンジン性能 2(3) 5(3) 5(4)
ハンドリング 2(4) 4(3) 5(3)
ブレーキ性能 3(2) 3(2) 3(2)
メカ&装備 1(3) 3(3) 5(3)
総合評価 1(3) 3(3) 5(3)

掲載日現在までの走行距離
約8,400km

購入動機
ガンマが好きだから〜。
それ以外の理由で買わないでしょ。こんなバイク(爆

よいところ
エンジン
 水冷2スト500、4気筒ですぜ、旦那。モーターサイクルの最高峰として誰もが認める、GP500レーサーのリアルレプリカ。これで燃えなきゃ嘘だぜ!
 と、まぁ多分に思い入れが強いんですが、実際のところ動力性能的には最新のリッタースーパースポーツには敵いません。とは言え足元にも及ばない程ではない。国内向けノーマルだと問題外ですが、チャンバーを換えてキャブのセッティングを出して、きちんと2ストスクエア4、500ccが本来持っている性能を出してやれば、かなり速くなります。オイラのΓは、現状でエンジンノーマルでチャンバーをスガヤのレーシングに換えてキャブのセッティングを合わせただけですが、東名高速で法定速度の2倍を超えて尚かつ本番加速が待っています。
 直線でのアクセル全開加速ではR1の方が速いかもしれませんが、体感加速度はΓの方が上です。2スト500の突き抜けて行くような加速は、リッターバイクに慣れても尚、エキサイティング。発売から15年も経った今でも、十分に通用する性能を持っている。
 アクセルレスポンスも、2ストは脳とエンジンが直結されているかのようでタイムラグが無く、例え二次曲線的でピーキーと言われるパワー特性であっても扱いやすいと思う。R1のようにいくら最新スーパースポーツのアクセルレスポンスが良くなって、アクセルを開ければ開けた分だけ加速するなどと雑誌で評されようとも、所詮は4ストのレスポンスでタイムラグを感じる事がある(負圧キャブのせいもあるが)。個人的には、アクセルを開けてから一瞬の間を置いてグワッとパワーが出てくると、自分の意志の通りにエンジンが反応してくれないみたいで恐い。極端な話、4ストはレーサーのエンジンの方が扱いやすいと思う。それに比べて、2ストはアクセル操作に即時に反応してくれるので恐くないし、操るのが楽しくなる。
 かなりお奨めなエンジンではあるが、流石に15年選手であり各部にガタがきている物が多い筈。それなりにメンテンスが出来て、2ストの扱い方を判っている人か、2ストロークエンジンをきちんとイジれるバイク屋さんを知っている人にしか勧めたくない。

4本出しマフラー
 後ろから見た時の迫力はサイコー。ブッちぎってみんなに見せてあげたくなる(ォイ
 余談だが、RZVのリアビューも無茶苦茶カッコイイですね。

悪いところ
キャブがオーバーフローしやすい
 これはスクエア4ガンマの持病です。エンジン止めたら、必ずフューエルコックはOFFにしなければいけない。オーナーの間では常識。

フロントカウルのデザイン
 でっぷりとしてて、当時「やっこだこ」と評されていたデザイン。野暮ったくて、折角強力な心臓を持っているのに知らない人には「速そうに見えない」と言われてしまう。これも時代を感じさせる部分ではある。

燃費
 リッターあたり7km。
 そこの貴方、誤植だと思ったでしょ。誤植じゃありません。街乗りで7km/リッターです。
 まぁ、90年代以前の2スト知らない人は大抵驚くんですよねぇ。信じてくれない人も結構いるんですよ。昔の2ストはこんなもんですってば。
 知らない人の為に説明しておくと、90年頃から電子制御とタイミング可変バルブ、メッキシリンダーが一般的になって、2ストの性能は劇的に変わったんですよ。キャブのエアフローと点火タイミング、排気バルブの開度等をマイコンできめ細かく制御する事で、それまで狭い範囲の回転数でしかセッティングを合わせられなかった物が、全回転域で最適化されたセッティングを得られるようになったのでガソリンの無駄が減った訳(フューエルインジェクションがピンポイントにセッティングを変えて、あらゆる回転数、アクセルの開け方に対応出来る事に似ている)。メッキシリンダーはピストンとシリンダーのクリアランスを狭くして、尚かつ混合気中に混入させる潤滑用の2ストオイルの量を減らせるようになったので効率が良くなった。だから昔の2ストは白煙モクモクだけど、NSRとかV型のTZRは白煙が殆ど出てないでしょ。それに伴って、燃費やエンジン特性も4ストに近くなった訳よ。
 そんな訳で誰が何と言おうと、Γはリッターあたり7キロで普通なんです。
 タンクは22リットルも入る(レーサー並!)のに、満タンで200キロ走りません(^^;
 んでも、あの加速を味わえるんだったら全然気にならないですな(^^)

主なトラブル
 前述のキャブのオーバーフロー。
 これは持病なんでどうしようもない。止まったらコックをOFFにする事を忘れない事と、キャブのメンテを頻繁に行うしかないですな。
 後はキャブを交換してしまうという手があるが、ガンマに合うキャブって無いんですよ。レーサー用のフラットバルブのキャブなら使えるのがあるけど、アイドリングとかスロー系が無いから公道用マシンには使えません。誰かこんなのが使えるって情報知らない?

総合評価
 よく、この時代の2ストレーサーレプリカというとエンジンがピーキーで乗り辛いと思われています。更に2スト500と言うと、世界でも一握りの者達が最速の栄冠を手に入れる為に激しく競い合うGP500のイメージがオーバーラップして、常人には乗りこなせないバケモノのように思われている事が多いようです。しかし、実物のRG500Γはそんな気難しさは持っておらず、タコメーターの針も動かない極低速域からスルスルと走り出す、とても扱いやすい特性を持っています。弟分のRG250Γの方が、よっぽどピーキーで扱いづらい。
 ハンドリングは、流石にフロント16インチなのでバンクした瞬間に、フロントからクイッと曲がろうとする。これのお陰で慣れていない人は「ハンドリングがクイック」と思うかもしれないが、1425mmという現代の目から見ると長めのホイールベースと相まって、車体の向き変えを含めたコーナーリング全体は落ち着いたものとなっている。
 足つき性の良いシートと、クリップオンとはいえハンドルバーの位置がトップブリッジより少し高い位置にある為ポジションはツアラーのように楽で、街乗りからツーリングまでこなせてしまう。
 しかし、一度アクセルを開けてタコメーターの針が7500rpmを越えれば、異次元の加速を味わう事になる。美味い具合に日常と非日常が同居してるバイク。それがRG500Γである。

 とまぁ、ここまではノーマルの話。写真を見ての通り、現在オイラのΓはスタンダードの面影を殆ど残していません。いわゆるカスタムバイクって奴です。
 巷で見られるスクエア4Γカスタムの例に漏れず、オイラのΓも足周りをメインに変更しています。前述のようにエンジンの性能は今でも十分に通用するので、当時の貧弱な足周りを変更する事で最近のバイクにも負けないコーナリーング性能を得ようとしています。
 もっともフレームの設計からして根本的に古いので、これも最新のスーパースポーツに匹敵するという訳にはいきません。しかし、サーキットを走るならいざ知らず、公道を走るならΓのフレームは十分な剛性を持っています。メインチューブ径が細いので、一見してひ弱そうに見えるフレームですが、ヘッド部分がエアクリーナーを内蔵する為にBOX状になっているので、同時代の同じ様なアルミダブルクレードルのバイクに比べて高い剛性を得られているようです。それに並列4気筒の大排気量車のように、上から見るとメインチューブがシリンダーヘッドを囲むように湾曲して剛性が稼ぎにくくなり、よりメインチューブが太くなるという悪循環は無く、Γのメインチューブは直線になっているのである程度細くても、剛性面で問題が無いのでしょう。
 そして、やはり時代を感じさせる外装に関しては、TL1000R用カウルと'88 ワークスRGVΓ500のシートカウル(ケビン・シュワンツが乗って、鈴鹿の日本GPで初優勝したペプシカラーの車両)で現代的にしています。因みに、何故 TL1000Rのカウルかと言うと、側面にラム圧加給用のインテークがあってワークスRGVΓに似ているからです。でも、ヘッドライトも含めてまんま TL1000Rなので、対向車線から見ると「TLが変な音させて走ってくる」というようになってしまいます(^^;

改造箇所(写真をクリックすると詳細な説明が出ます)
ヘッドライト
アッパーカウル
ロアカウル
スクリーン
TL1000R用純正
A-TECH製 TL1000R用ストリートカウル
A-TECH製 TL1000R用ストリートカウル
LOCK HEART製 TL1000R用スモークスクリーン
シートカウル CHKレーシング製 '88ワークスRGVΓ500用
Fフォーク
Fホイール
Fブレーキローター
Fブレーキキャリパー
Fタイヤ
'90 GSX-R400(スプリングはホワイトパワー製に変更)
'90 GSX-R400
'90 GSX-R400
'90 GSX-R400
ミシュランTX15
Rホイール
Rブレーキローター
Rブレーキキャリパー
スイングアーム
Rサスペンション
Rタイヤ
'00 GSX-R750
'00 GSX-R750
'00 GSX-R750
ノーマルにスタビライザー溶接
オーリンズ製 RG500Γ用
ミシュラン パイロットスポーツ
チャンバーSRSスガヤ製レーシングチャンバー
(サイレンサーはスガヤ製のカーボンサイレンサーに交換)
クラッチスプリングオートボーイ製強化クラッチスプリング
スプロケットカバーラジカル製アルミ削り出し
ステップラジカル製アルミ削り出し(ワンオフ)
ハンドルサンセイレーシング エンデュランスハンドルバー
ステアリングダンパー
 シートカウルを装着する為に、ノーマルのシートレールを切断して新造。オイルタンクもアルミで新造。リアチャンバーは根本で切断して角度を変えて溶接。
 改造に関しては、500は自分でやって失敗したり汚くなったりするのが嫌だったので(^^; プロにお任せしました。平塚市にあるラジカルというお店です。レーサーからストリートカスタムまで、どんな車両でも扱ってます。レーサー作ってるだけあって、車体セットアップのノウハウはしっかりしていて、腕は確かなショップです。
 改造箇所は、上記以外にも細かい部分が沢山あります。特に、外装類は全く違う車両の物を選択したので、ステー類を全てアルミ製のワンオフ品で対応しています。
 特にシートに関しては、どうしても'88 ワークスRGVΓの物が付けたかったので(最近流行の尻下がりのダックテイルは余り好きではない)、シートレールを殆どつくりなおしています。ラジカルさんでは、他にも同じシートを装着したRG500Γのカスタムを手掛けているので、その辺りは手慣れているようです。
 またリアホイールを 5.5インチ幅の物にしていますが、Γ乗りの間では 5.5インチは太過ぎでバンクが重くなるので、4.5インチ辺りがベストバランスだろうというのが通説になっています。オイラもそう思っていたので現在の仕様にする前は、リアに '90 GSX-R400用の 4.5インチホイールを装着していました。しかし、どうせ外装を大幅変更してイメチェンを図るならリアもより太い物にしてしまえと、外見重視で 5.5インチにしてしまいました。しかし、出来上がってきた車両は予想に反してバンキングが軽く、素直なハンドリングを示しました。これはシートレールを造り換えてリアシート高を上げた事と(スイングアームの垂れ角はあまり変えていない)、リアタイヤのパイロットスポーツの特性(プロファイルが少し尖り気味なので、バンキングの初期が軽い)に寄るところが大きいと思われます。
 カラーリングは、'99ワークスRGVΓ500のケニー・ロバーツ(Jr)車の写真を参考に、ネクストワンにてスズキワークスカラーにペイントしてもらいました。ケニー・ロバーツ(Jr)がGP500タイトルを獲得した2000年のテレフォニカスズキカラーの方がロバーツレプリカとして認知されやすいのでしょうが、いかにもカスタムという外見よりパッと見は市販車っぽく、よく見ると凄いカスタムという外見にしたかったので、敢えてスズキワークスカラーを選択。その目論見は見事に当たって、一般のドライバー等はこのマシンを見ても全然注目しないのだが、バイク乗りは一目見て何となく違和感を感じ、それからじっくり観察するという人が殆どです。エンジンオイルを買いにバイク用品店等に行き駐輪場に停めておくと、戻ってきた時に人集りが出来ていて何となく近寄り難くなり、一緒にギャラリったりしています(爆
 こうして、現代のGP500レプリカとして蘇ったΓに非常には満足している次第。休日はΓを眺めてウットリしております。

今後の改造予定(2001.09.10更新)
 そろそろ現在の仕様での弱点と言うか、気になるところがハッキリしてきたので今後のどのような変更を加えていくか、覚え書きを兼ねて予定を記します。
Fディスク
 現在付いている GSX-R400用が歪んでしまっているので(汗)、320mm大径ディスクに変更。インナーローターとキャリパーサポートが必要になるので、ラジカルに頼むと思う。予算に余裕があればキャリパーも変えたい。
 ディスクは、最近流行のペータルディスクでも良いカモ。
リアサス
 スプリングが硬過ぎ。元々オーリンズのガンマ用はスプリングが硬いと思っていたが、シートレールを新造してシート位置が高くなった事でそれが顕著になった。
 オイラは小柄で体重が軽いので、シート高が高くなった事でリア荷重が懸かり辛くなり、リアサスが殆ど動かなくなってしまった。都内のデコボコのアスファルトの上を走ると、リアが路面に追従しない。トラクションが懸かり辛くなる。
 またリアがホップしてタイヤが路面から離れた瞬間に「ウァンウァンウァン」とエンジン回転数が上がってしまう。これではエンジンにも良くないので、リアサスのスプリングをもっと柔らかい物か、初期が柔らかくて奥でスプリングレートが高くなるプログレッシブレートのスプリングに交換。
 オーリンズのガンマ用でも、最近の物はスプリングレートが低くなっているそうなので、それに交換という手もありか?
Fフォーク
 現在はちょっと柔らかい。リアが動かない分、フロントが動きすぎる。ブレーキングの際のダイブが大きいので、もう少し硬いスプリングが良い。
 しかしリアとの兼ね合いでもあるので、リアを柔らかくしたら丁度良くなるかもしれない。先にリアサスのスプリングを変更してから、様子を見る。
スクリーン
 当初は高いという事で断念した、マジカルレーシング製の段付きスクリーンに換えたい。チタンコートよりスモークの方が好み。
リアフェンダー
 折角のオーリンズのリアサスが汚れてしまうので、リアインナーフェンダーが欲しい。スイングアームに補強が入っているので、マジカルレーシング製の GSX-R750用が使えるかもしれない。