FINAL FANTASY TACTICS

 FFシリーズの中では異色のタクティクス。ファイヤーエンブレムとかタクティクスオウガなどと同じシステムです。

 主人公は貴族の少年、ラムザ=ベオルブ。

武門の名家に生まれながら、国盗りと王位継承を巡る兄の陰謀に加担することをよしとせず、傭兵として生きることを選んだ。

 ラムザを含む傭兵部隊は王女の護衛という任務を受けるが、謎の男に土壇場でさらわれ追跡することになる。しかしラムザは気づいていた。王女をさらった男は忘れようとしても忘れられない幼なじみ。平民でありながら兄弟のように育ったが、貴族たちの身勝手でたった一人の妹を目の前で失い、ラムザの前から姿を消したディリータ=ハイラル。

「どうしてここにいるんだ?!」

 ラムザはディリータの真意が理解できずに苦しむが、ディリータはラムザの心の動きや、それにともなう行動をことごとく察知して利用する。だが彼はラムザを見下す発言はしない。妹が死んだいま、ディリータと通じ合えるのはラムザだけだとかたく信じているかのように。

 裏では権力者同士の醜い暗闘が続く。ラムザには異端者として懸賞金がかけられる。オヴェリア王女を取り戻すため戦い続ける彼は、ひとつの神話の裏に隠された戦慄の真実を知る。

「伝説の英雄は、悪魔だった!」

 人間たちの権力争いは、いつしか悪魔たちに利用されていた。遠い昔に封印された血塗られた天使が現世に復活するため、世を嘆きと苦しみで満たすために。

 

 1〜3章まではゲームバランス良好なんですが、終盤の4章に入ってから仲間入りするシドはめちゃくちゃ強いです。初期ジョブ「剣聖」の名は伊達ではなく、ザコ敵なら彼一人で一掃できるほど強いのです。

 なので、レベルがガンガンあがります。しかしこのゲーム、雑魚キャラはこちらのパーティー(最大16人、出撃はたいてい5人)の中の最高レベルを上限にランダムで出てくるので、そのバトルでのこちらの平均レベルが80だとしても、敵は平均97であったりします。

 通常のランダムバトル(ザコ戦)はまぁいいとしても、ラスダン(つーか、面)あたりはたいへん苦しいです。レベル99のサンダードラゴンにサンダーブレスくらったら、まず瀕死。

 FFといえばジョブですが、タクティクスは多彩な転職が楽しめます。おなじみの黒白魔導士やモンクのほかに、陰陽士や算術士、忍者なども登場。それぞれがボスキャラにも通用する技を持っているので、使える/使えないがプレイヤー個人の育て方にかかってきます。

 そして「ああ?!」と口走ってしまうエンディング。

 それを迎えたあと、このゲームにおけるディリータの役割を考えてみると、彼の立場が決して敵味方や善悪などの区分では語れないことがわかります。ディリータが権力に目のくらんだただの悪役であったなら、ラムザの戦いはもっと違うものになっていたでしょう。

 ラムザとディリータが目指したのは、実は最初から同じもの。真正面から拳を振り上げたラムザ、着実に足元を固め、周囲の人間や事件すべてを利用して階段を上りつめていったディリータ。

 現実の世界がそうであるように、このゲームにも勝者や敗者はいないのです。

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