山岳小説(国内)・詳細データ
〜生田直親〜


作 品 名
「ヒマラヤ大滑降」(生田 直親、徳間文庫、1979年)
あらすじ
 スキーカメラマン設楽ゲンは、雑誌「山とスキー」の撮影で西穂に来ていた。この撮影写真は、カザハヤスキーの宣伝ポスターにも使われることになっていた。撮影途中で天候が悪化し、撮影隊の8人は急遽麓に降りることになったが、視界が著しく悪かったために一行は次第にバラバラになってしまい、カザハヤスキーの社長の娘である風早水乃が遭難した。
 翌朝、雪庇を踏み抜いて転落死していた水乃の遺体が見つかった。メンバーの証言などからゲンに殺人の疑いがかかり、ゲンは無実を証明するためにその場から逃げ出した。
 ゲンの大学スキー部時代の親友で、水乃の夫である鞆衛(ともえ)はゲンを疑っていた。かつて、ゲンと鞆衛で水乃を争ったことがあるからだ。真実を知るため、なぜか偽証をした助手のタモツらに会いに行くゲン、それを追いかける鞆衛とのカーチェイス。次第に真実が明らかにされていくが、真犯人はわからなかった。
 そんな頃、カザハヤスキー主催のアドベンチャースキーとして、ヒマラヤのハムラク峰大滑降が企画され、事件の時にメンバーが揃うことを知ったゲンは一行をインドで待ち伏せし、遠征隊に加わることに成功した。遠征にはカザハヤスキー再建がかかっていたが、時間的余裕があまりなかった。時間的制約と過酷な自然条件のなか、犠牲者を出しつつも遠征は進められていった。そして、ヒマラヤという極地で、追い詰められた状況のなか、事件の真相が明かされる。
感 想 等
( 評価 : B )
 あくまでスキーが中心の話であるが、後半のヒマラヤ遠征では、過酷な高地登山の様子が描かれており、山好きにはたまらない。もともとスキー好きの著者が、山にも惹かれていく過渡期の作品という感じもして、著者の嗜好変化を知る上でも興味深い。
 話としてはいろいろ難はある。前半、ゲンが不必要に逃げることによって事件を難しくしているのではないかという疑問、半ばのカーチェイスは物語にとって必要ないだろうという思い、ヒマラヤ遠征に素人集団だけで挑戦すると言う無謀な設定、高度の割にメンバーが厳しい高山病に悩まされる不自然さ(?、一応ハラムク峰登頂記を参考にしてるそうなので、私が事実を知らないだけかもしれませんが…)等々。それでもなぜか読み急いでしまうのは、特に後半濃厚になる山度ゆえの贔屓目であろうか?
山  度
( 山度 : 50% )
 前半はスキー中心だが、後半・ヒマラヤ編では遠征隊の模様がたっぷりと描かれており読み応え充分。

 
 
 
作 品 名
「黄砂哭く谷」(生田 直親、徳間文庫、1981年)
あらすじ
 私は、行方不明となった親友を探しに御嶽山までやって来た。そこでたまたま知り合った甘美蘭という台湾人女性に同行を求められ、私達は一緒に御嶽山登山に向かうことになった。その途中、田の原山荘で高杉という男が、また山頂では大谷という男が殺されるという事件に遭遇した。そして、美蘭は姿を消した。
 彼女が親友の行方を知っている、また彼女が血に穢れている、という老行者の言葉が気になり、私は彼女を探し、何のために木曾までやって来たのかを調べた。そこで浮かび上がってきたのは、戦時中の日本軍と中国人との間に起きた、凄惨極まる悲しい出来事だった。
感 想 等
( 評価 : B )
 行方不明の友人を探す主人公。そこで殺人事件が起き、行きがかり上それを調べる主人公。そうした一見普通のミステリーのようでありながら、その実全く別の、社会派小説とでも言うべきものが隠されている。
 戦時中の日本軍、さらには日本と言う国への痛烈な批判、あるいは自己批判。恐らくは筆者とほぼ同じ年であろう主人公は、筆者自らの姿と重なって見える。そして、その自己批判は、戦後生まれの自分たちも含めて、決して忘れてはいけない過去なのかもしれない。
山  度
( 山度 : 20% )
 確かに山に登っている。でも、それは物語の舞台としてであり、展開上出てきているに過ぎない。そこにあまり期待しても意味はないだろう。

 
 
 
作 品 名
「K峰殺人事件」(生田 直親、光文社、1985年)
あらすじ
 東方大学の登山隊はカラコルムKx峰の初登頂に成功したものの、アタッカーのエッグこと岩城淳一と、トムこと加藤努が下山途中に還らぬ人となった。
 エッグの父・岩城兼介は、息子を失った悲しみを持て余していた。プロのギタリストである兼介がアメリカ演奏旅行から帰ってみると、いくつかのできごとが起こっていた。その1つが、Kx峰を登頂したTTA登山隊の菊池という男が、東方大学隊の初登頂に疑念があるとして雑誌・新聞等で論陣をはっていたことだった。東方大学隊の石丸隊長は相手にする必要はないとしてだんまりを決め込んでいたが、兼介としては白黒はっきりさせることが大事だと感じ、石丸がなぜ反論しないのか不思議に思っていた。
 また、息子・淳一の恋人だったモモが歌手として大ヒットを飛ばしていた。淳一は本当はミュージシャンになりたいと思っていたのだが、兼介が反対したためにあきらめたのだった。モモの2枚目のシングル「秘境」という曲を聴いて、兼介はどこかで聞いたことがあると思った。「秘境」はモモの作詞・作曲となっていたが、この曲には淳一が生きていた頃にアレンジを頼まれた民謡の六小節が使われていたのだ。淳一からモモにその楽曲が渡っているはずがない。
 兼介は淳一がどこかで生きていると確信し、東方大学登山隊の初登頂の謎解明に乗り出すとともに、モモの居場所を探し始めた。そんな折、東方大学登山隊初登頂を糾弾しようとしていたTTAの菊池が谷川岳で墜死した。
感 想 等
( 評価 : B )
 ネタバレになるので伏せて置くが、後半で明らかになるミステリー部分の設定はなかなか奇抜だし、登山シーンもなかなか読ませる。が、この小説のメインはそうしたミステリーや山岳シーンにあるわけではなく、親と子の絆や葛藤であったり、普通の人の目から見た登山、特に初登頂を狙うような極限登山というものの見え方、あるいは中高年男性の生き様、そんなものが描かれていて面白い。後半に出てくる殺人事件などはむしろ余計ではないかと思えるくらいに、山岳小説としても、また人間ドラマとしても、質の高い面白い作品に仕上がっている。
山  度
( 山度 : 60% )
 数々の山行記を参考にしたらしいカラコルムでの登山隊の描写は、なかなかリアリティがあって良い。登山シーンも多く、山岳小説としても魅力的。

 
 

作 品 名
「白の尾瀬殺人ライン」(生田 直親、立風書房、1988年)
あらすじ
 磯村啓輔は、会社員の平尾輝久と学生の金子博志と一緒に、谷川岳一ノ倉沢衝立岩正面壁を登攀していた。3人は元々ソロクライマーだったが、たまたま岩場で出会ってウマが合い、一緒に登るようになったのだった。衝立岩を攀じる3人の脳裏には、10ヶ月前に出掛けた尾瀬・至仏山での事故のことが焼き付いていた。
 3人はGWの春スキーに来ていた。メンバーは3人のほかに、平尾の会社の同僚・北岡智恵子、金子の女友達・村松秀美、磯村の義妹・斉木エミの6人。初日、至仏山頂からの大滑走を楽しんだ6人は、翌日雨が降り始めたにも係らず、山頂経由で滑走して帰る道を選んだのだった。そして、悪天候によるホワイトアウトに巻き込まれて道を見失い、その結果、智恵子が遭難死するという最悪の事態になってしまった。
 智恵子に思いを寄せていた平尾は、衝立岩でのビバーク中、金子が寝ている時に磯村と話をしていて、智恵子の遭難死が金子によって仕組まれたのではないかとの疑いをもらした。同じく智恵子を慕っていた金子は、平尾がトップで登っているときに、平尾への疑惑を磯村に相談した。一方、2人にも話せない秘密を持っていた磯村は、それとは別の考えを持っていた。
 磯村、平尾、金子、さらには智恵子の夫だという伝説のクライマー縞蜥蜴、それぞれの想いが衝立岩を舞台に渦巻いてゆく。
感 想 等
( 評 : C )
 ミステリーというよりは、一人の女性を巡る男性の想い、愛情というものを、磯村という中年男性の視点を中心に描いた恋愛小説と言った方が適切かもしれない。その意味でタイトルの付け方は今一つかなという感じがする。
 ストーリーの方は、生田直親らしい惹きつける展開とお色気と山岳小説っぽさがあってそれなりに楽しめるのだが、なんとなく全体として中途半端さが否めない。谷川岳の登攀シーンや尾瀬の春スキーなど山の描写も山岳小説ファンにとっては楽しみの一つ。ただ、衝立岩を巡る戦前の物語や自衛隊銃撃事件の紹介などは、やや蛇足に過ぎたか。。。
山  度
( 山度 : 70% )

 
 

作 品 名
「『前穂高』殺意の岩峰」(生田 直親、天山出版、1990年)
あらすじ
 穂高屏風岩で山のベテラン高石徹也が墜死した。徹也の先輩であり、良きザイルパートナーでもあった久我は徹也の死に不審を抱き、NYから帰国した徹也の姉・亜矢とともに真相を探るため、徹也の恋人・由子も交えて追悼登山に出かけた。
 追悼山行のメンバーは、久我、亜矢、徹也の恋人・由子、墜落時のザイル・パートナーの文乃と吉村、徹也が世話になったスポーツ店の笹川夫妻の7人。文乃は徹也に思いを寄せていたが、全く振り向いてくれないため、愛情が憎しみに変わりつつあった。吉村は、文乃に思いを寄せていたことと、妊娠して自殺した姉が徹也に妊娠させられたと思いこんでいた。また笹川は、徹也が妻のみどりと関係を持っていたことを気にしていたし、一方のみどりも2人の関係を苦にした徹也がみどりを避けたが為に、徹也に対して含む所があった。動機はそれぞれ持っている。さらに追悼山行を後から付けてくる謎の男が1人。果たして事故か他殺か、謎の男の正体は・・・。
 そして、徹也の遺品を見て、ハーケンが軟鉄製から鋼鉄製にすり替えられていたことに気付いた久我は、全員を屏風岩に連れ出した。
感 想 等
( 評価 : B )
 墜死を巡る疑惑から広がる未必の故意とも言える事件。根っからの善人と言う設定になっている徹也が、なぜこれほどの人から恨みを買わなければならないのかという思いは残るものの、そこをうまく自然に描いているところはさすがというべきか。人間ドラマを巧みに取り込んだミステリーとして、またフーダニット・ミステリーとしても楽しめる。
 お決まりの主人公に絡んだ色恋はまぁ余計という気がしなくもない。不気味な存在として登場していた加賀が意外と良い味を出している。
山  度
( 山度 : 70% )
 蝶ケ岳登山、屏風岩登攀と見所はたくさん。丁寧・親切なクライミング描写も初心者にはうれしい限りです。

 
 

作 品 名
「剣岳岩尾根殺人事件」(生田 直親、徳間書店、1990年)
あらすじ
 精神科医川村秋行の患者沢村淑美は、夫の浮気が原因で欝病に陥っていた。ある日、いつものように帰りの遅い沢村安治を待ちながら酒を飲んでいた淑美は、酩酊状態になり、浮気相手の所から帰ってきた安治と喧嘩になった。傘で叩きつける安治に耐えかねた淑美は、思わずアイスプックで安治を刺していた。沢村はすぐに弁護士をつけ、精神鑑定の結果、犯行時に病的酩酊状態にあったとして無罪を勝ち取った。
 しかし川村は、今回のことは仕組まれた犯罪ではないかと疑っていた。なぜなら、かつて淑美の父親が誤診で癌と思いこんで苦しみ、それを見かねた母親が父親を殺し、誤診の発覚を恐れた警察と病院が母親を精神分裂症と診断した事件があったことこと、そのことを苦に淑美の母親が自殺したことなどを知り、淑美が精神病に詳しいと考えられたからだ。しかし、川村は淑美を愛していた。それゆえに本当のことが知りたかった。
 治療の一環として淑美を登山に連れていっていた川村は、真相を聞き出すために、淑美を冬の剣岳に誘った。風雪の中で明かされる意外な真実とは・・・。
感 想 等
( 評価 : C )
 精神鑑定というものの持つ意味、いい加減さを問うという一風変わった興味深い作品。生田氏ならではの人間ドラマも味わい深い。
 ただ、男の情意を示すためとはいえ山に出かける必然性はあったのか、ネコの名前にまつわるエピソードは一体何の為にあったのか、といったことなど今ひとつと思われる部分もあることがやや残念。
山  度
( 山度 : 50% )
 登山シーンは本格的。そして、この作品も初心者向けに用語解説を随所に入れるという親切設計。知っている人にはちょっと煩わしいかも。

 
 

作 品 名
「『谷川岳』殺意の垂壁」(生田 直親、天山出版、1990年)
あらすじ
 山岳カメラマンの安養寺只彦が助手の園田と一緒に鷹取山の岩場に来てみると、親友のフリークライマー・元木広伸がハーネスにロープを結んだ状態で死んでいた。秋のコンペの優勝候補である元木がこの程度の岩場で足を滑らせたとは思えない。元木は女癖が悪く、恨みを買っている可能性はある。安養寺は、怪しい人物や動機のありそうな者に当たることにした。
 雑誌「クライミング情報」の編集者で、元木が墜死した時にビレイヤーをしていた御手洗恵理によると、彼女が近くに買い物に行っている間に事故が起きたという。恵理と元木ができていることに気付いた安養寺は、恵理の夫でクライマーの御手洗啓介に目を付けた。また恵理の実兄でスポーツ店を経営している秋野真司は、コンペで元木と優勝を争うライバルだ。安養寺は、秋野の妻・夜詩美に惹かれており、秋野への後ろめたい思いを拭えなかった。さらに、元木がアメリカへ修行に行くための足掛かりとして、フリークライミング好きで石油王の娘だという留学生テリイに手を出しており、テリイの婚約者で一緒に来日しているヘンリーも怪しかった。
 安養寺が、阿武隈峡大日岩でクライミングをしていうという御手洗啓介に会いに行くと、御手洗も細工をされたロープが切れて死んでしまった。また、安養寺が分かれた妻・千帆と息子の君彦と一緒に、城ケ島の岩場でクライミングをしている最中に、ハーネスが切れて、安養寺の身代わりとなって千帆が墜死した。なぜ、フリークライマーばかりが狙われるのか、犯人は一体誰なのか。とは・・・。
感 想 等
( 評価 : D )
 TVの2時間サスペンスドラマといった趣きで、謎はあるもののトリックやアリバイ崩しなどは一切なく、ただの物語となっている。物語に深みがあればまだしも、連続殺人の理由が今一つ説得力に欠けるうえ、余計なお色気シーンが盛り込まれている。また、フリークライミングについての専門用語解説などが必要以上に入っており、なんだか覚えたての子どもが嬉しくてしゃべりたくて仕方がないといった趣き。正直、前向きの評価はしにくい。
山  度
( 山度 : 70% )
 フリークライミングに係る記述や描写は意外と多いが、内容的には先述の通り。また、時代の変化があるので仕方がないのだろうが、フリークライミングをフリクラと連呼したり、ビルの壁を攀じ登ることをビルダリングと言ったり、ボルダリングをボウルダリングと言ったり、いろいろな所で引っ掛かってしまった。

 
 
作 品 名
「黒部−アルプス殺人岩壁」(生田 直親、広済堂出版、1990年)
あらすじ
 黒部丸山南東壁を鬼怒川健司と宇都宮春彦が登攀していた。トップの鬼怒川が大ハングを越えて見えなくなったところで突然ロープが落ちてきて、続いて鬼怒川が墜落してきた。
 鬼怒川の弟・譲治は、宇都宮春彦が兄を殺したのではないかと疑っていた。春彦が兄の恋人恵梨香に言い寄っていたからだ。春彦は愛を信じず、利用価値だけで相手を選ぶような男で、実際、岩登りのためのスポンサーとして小松川亜里紗という人妻と関係を持っていた。春彦を疑っていた譲治は、春彦とザイルパートナーを組むことにしたが、ザイルを組むうちに春彦の人柄に心酔するようになっていった。
 春彦と譲治、それに譲治の恋人の詩織が谷川岳一ノ倉沢に出掛けた時、春彦の岩登り仲間・縞蜥蜴の千駄木が、ボンボンの蜂巣架真一郎を連れてクライミングに来ていたのに出会った。譲治ら3人が先行したが、途中で詩織の具合が悪くなり下山することとなった。詩織を山小屋まで送っていった千駄木らは、その途中で詩織を強姦してしまった。詩織は譲治にそのことを話せずに、2人の仲は気まずくなっていった。
 一方、兄の墜死の原因を探っていた譲治は、たまたま隣のルートを登っていたパーティの撮った写真に、千駄木と思われる人物が写っているのを見つけて、千駄木に疑いを向け始めた。
 そんな時、亜里紗がスポンサーとなって、春彦、譲治、千駄木の3人で、厳冬期のグランドジョラス北壁に挑む話が持ち上がった。
感 想 等
( 評価 : C )
 クライミングシーンは豊富で楽しめるが、春彦や千駄木のキャラにブレがある感じがするし、相変わらずの性描写はちょっと品がない。ラストも爽やかながら変な違和感があり、素直に受け止められない。
 殺人事件の方もトリックが今ひとつのうえ、動機も弱く、また富岡の事件はうやむやのままになっている。クライミングに注力しすぎて、他がおろそかになってしまった感が否めない。
山  度
( 山度 : 80% )
 黒部丸山、谷川岳一ノ倉沢、グランドジョラスとクライミングシーンは盛りだくさん。

 
 
 
作 品 名
「『黒部川』殺意の峡谷」(生田 直親、天山出版、1991年)
あらすじ
 岳人として著名な川俣君人は、福島でホテルやゴルフ場、スキー場を運営する会社の開発部に勤務していた。ある日「ホテル・ビジュー菅野々」のフロント係でミスビジュー菅野々とも言われる三浦沙登美に相談を持ちかけられた。
 黒部川上ノ廊下を3人のパーティで遡行中に、アンカーを務めていた沙登美の恋人・田口が頭を割られて死んだというのだ。足を滑らせたにしてはヘルメットが割れていない。沙都美はトップの岡村を疑っていた。川俣は事件について調べることにした。
 その頃川俣は、秋田県進出を計画していた社長からスキー場適地の視察を命じられ、秋田県出身である沙登美が同行することになった。沙都美の義理の妹秘都魅も一緒になって視察を続けていたが、秘都魅が何者かに狙われただけでなく、沙都美が栗駒山で岡村に強姦され、しかも現場のすぐ横に岡村の死体が横たわっていた。沙都美が強姦された姿を見て沙都美に惹かれていることに気付いた川俣は、田口、岡村について調べていった。
感 想 等
( 評価 : D )
 テレビのシナリオライター出身者らしく観光、お色気、グルメなどサービス精神は旺盛。とはいえ、あっさりとし過ぎた謎解き、無意味なセックスシーンなどはどうかと思う。
 なお、真夏の稜線でピッケル持って耐風姿勢、アンザイレンしてスタカットっていうシーンが出てくるのですが、突風とはいえ、そんなことするんですかねぇ・・・。
山  度
( 山度 : 30% )
 「ヒマラヤ大滑降」などの生田直親氏の作品は、得意のスキーと、登山をうまくミックスさせ、山度も高くなかなか良かったが、この作品あたりはどうも安きに流れている感じがする。山度も山描写もどうも今ひとつ。