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New Year Special !!

新春特別企画チキチキ外聯版オールタイムベスト!
 〜谷甲州はドコへ行ってしまったのか!?〜

仙台駐在事務所連絡士官/阿部[在エリヌス郷土史研究家]和司

●優しくって 少し ばか/原田 宗典/集英社
 句読点が殆どない文章。散文詩のような改行の仕方。そのスタイル自体が一種独特
な短編。
 そして殆ど何も起こらないままダラダラと過ぎていくありきたりな日常風景のスケッチのような物語。
 いつのまにか人気作家になった彼の同名短編集の表題作。
 収録作品の中では「西洋風林檎ワイン煮」もオススメ。タイトル通りのむせ返るような濃厚なスリラーなんだな。

●ムッシュー/ジャン・フィリップ・トゥーサン/集英社
 「話しのない話し」第2弾。(好きなんです、そういうのが。)
 フランスの作家トゥーサンの第2長編。
 存在感の無さが魅力の妙な主人公「ムッシュー」の何も起こらない日常を描く。殆ど物語りが存在しないので、あらすじを説明する事自体が無意味かも??
 でも何故か、読後には幸せになってる自分が居ます。

●第四間氷期/安部公房/新潮社
 そのトゥーサンが心酔してやまない安部公房の代表作。世界で一番シリアスなSFという評もある程の名作。でも、案外読んでいる人は少ない…。(泣)
 私は「幼年期の終わり」よりも「ブラッドミュージック」よりも衝撃を受けました。

●蒼穹の昴(上・下)/浅田次郎/講談社
 「ベストセラー作家=つまらない」の先入感を捨てて読むと、これは力作。通り一遍ではない清朝末期の群像描写も一読の価値あり。生き生きとした人間を書かせたら、今一番巧いのでは?西太后、李鴻章ファンは必見。

●スズキさんの休息と遍歴/矢作俊彦/新潮社
 かつてドーシーボー(シトロエン2CV)乗りだった私のバイブル。2CVという車の魅力をここまで描き切った作品。
 カート・ヴォネガット・Jrの著作をパクった(んだろうな、きっと。)ようなイラストと構成が…。

●スローターハウス5/カート・ヴォネガット・Jr/早川書房
 7冊目にしてやっと出てきたハヤカワSF文庫。
 ジョージ・ロイ・ヒルの手による映画版も好きだけど、飽きっぽい私の性格には、短いエピソードを紡いで紡いで…のヴォネガット節がしっくり来ます。

●鼻行類/ハラルト・シュテンプケ/思索社
 最終的に外聯がこのレベルに到達できたら幸せです。(礼)


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