#503 NHKラジオ第2放送が終了

2026/05/15

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 このところNHKは、放送と通信の融合という観点から、あれこれと放送内容の再編を行っているところだが、その一環として、NHKラジオ第2放送を2026年3月30日をもって廃止した。1931年の放送開始以来、95年の歴史に幕をおろしたということになる。

 思えばNHKラジオ第2放送には、学生の頃からだいぶお世話になって来た。

 中学に入って英語の学習が始まった時、学校の授業だけでは心もとないということもあり「基礎英語」を聞き始めたのが、ラジオ第2放送とのつきあいの始まりだったのではないかと思う。当時は基礎英語とは言いながら、なかなかついていくのが大変だったように記憶している。特に英語の発音に関しては、発音記号も紹介しながら、日本語にない母音の発音の違いなどを強調していた。おかげで英語のListeningやSpeakingについてはだいぶ鍛えられたと思っている。

 中学2年になると「続基礎英語」も聞き始めたところだが、ちょうどこの頃から、同じくラジオ第2放送で放送されていた「気象通報」を聞いて天気図を描くというのも始めた。気象通報というのは、日本周辺の陸上や海上での気象観測結果や、高気圧や低気圧や前線の位置などを20分の放送でお知らせするもので、この情報を専用の天気図用紙に落とし込めば天気図が描けるというものである。当時は気象通報は一日に3回(9時台、16時台、22時台)に放送されており、私は22時台の放送を聞いて18時の天気図を描くというのを日課にしていた。初めのうちこそ、放送の内容を正確に聞き取って天気図を描くのは骨が折れたが、慣れてくるとむしろ余裕が出てきて、そのうちに放送を録音したものを2倍速で再生しても天気図を描くことができるようになった。高校3年くらいまで、これを毎日欠かさずやっていたと記憶している。

 大学に入って第2外国語にドイツ語を選んだ時には「ドイツ語講座」を聞き、そのほか長じてからは、「フランス語講座」や「韓国語講座」も聞いたりしていた。もっともこちらの方は、いつまで経っても基礎レベルから抜け出せないでいるのだが。

 社会人になり外国出張に行く機会が増えてきて、英語学習に本腰を入れるようになった時は、杉田敏氏が講師の「実践ビジネス英語」を聞いていた。NHKラジオの英語講座の中ではレベル5(高校卒業以上レベル)で最も高く、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の基準では「C1」に位置する骨のある内容で、私自身も10年以上聞いていたが、2021年3月に惜しまれつつも終了してしまった。

 ここ数年は「ニュースで学ぶ現代英語」を聞くようにしているが、このたびNHKラジオ第2放送が廃止されるとともに、語学番組のほとんどはNHK FMに移行し、英語番組の一部を除けば、23時以降の深夜帯の放送になってしまったようだ。リアルタイムで聞くのはなかなか骨が折れる時間帯である。もっとも今では、NHKラジオ番組は、AM・FMともにスマートフォンのアプリ「らじる★らじる」で好きな時間に聞けるので、もっぱらそちらで聞くようにしている。

 ラジオ番組に限らず、テレビ番組もインターネット環境(NHK oneやTVer)で後追い視聴できるようになっているし、あるいは放送をHDDレコーダで録画して好きな時間に見たりできるようになっている。もっと言えばYouTubeなどのソーシャル型コンテンツや、Netflixなどのサブスクリプション型コンテンツも複数あるところ、こうしたメディア視聴のスタイルはここ数年で大きく変わってきたところである。

 映像メディアは情報量も多いし見て楽しいものではあるものの、ラジオのような音声メディアは、聴覚を研ぎ澄ませて集中して聴く必要があり、特に語学におけるListeningやSpeakingなどの能力を伸ばすには、映像メディアよりも効果的なのかも知れないも思う。提供形態は様々に変わりつつも、今後も多くの人が、ラジオによる語学番組等により学習を続けられることを願ってやまない。


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