#328 今頃Gmailを始めた(後編)

2011/12/08

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 GmailのWebメール機能はなかなかよくできているが、中でも一番重宝するのは、メールのFromを、これまで使ってきたメールアドレスなどに設定できることである。例えば私の場合、これまで使ってきたNIFTYのアドレスをFromに設定することができ、これまでと同様にNIFTYのアドレスでメールを出しているように見せることができる。

 アドレス帳に関しては「連絡先」というもので管理しているようで、メールアドレスに限らず様々な情報を登録することができるようだ。csvファイルからもインポートできるようであるが、形式によってはフィールドをうまく認識してくれるとは限らないようである。Gmailに何か一つ連絡先を手動で入力して、その結果をcsvにエクスポートしてフィールド名を確認してから、それに合うように既存のアドレス帳をcsvファイルに変換することで、インポートすることができた。連絡先にメールアドレスを登録しておけば、新規メールの宛先欄で名前やアドレスの一部を入力するだけで、自動的に候補を見つけ出してくれるので、大変便利。

 そして検索機能については、言うまでもなく非常に強力で高速である。キーワードを入れれば、2万件以上もあるメールから該当するものをたちどころに列挙してくれる。差出人や題名のみに含まれるものを検索するには、キーワードの前に「from:」「subject:」などを指定すればよいし、迷惑メールの中からのみ探すのであれば「in:spam」を併記してやればいい。こういった条件つきの検索もできるので、過去のメール群から目的のメールを探すのが非常に楽になった。

 このように非常に便利なGmailなのであるが、一つ不満のあるところとして、自分宛てに常にBccするという機能がついていない。送信したメールも受信したメールもすべて「受信箱」に入れて管理する方法として、常に自分宛てにBccするというテクニックは比較的よく知られているが、Gmailそのものには、その機能は用意されていないようである。

 もちろんGmailから送ったメールは「送信済みメール」というところに分類され保存されている。さらに、送信済みメールのボックスには「受信トレイに移動」という機能があり、これを適用すると送信済みメールも受信トレイに移す(正しくは受信トレイの属性を付加する)ことが可能である。つまり、Gmailの中では一つのメールの本体は一つしか存在せず、それに属性を付加することで管理していると思われる。よって、Bccに自分のアドレスを明示的に付加してもあまり意味はないですよ、ということなのかも知れない。

 とは言え、Gmailから送信する際に、自分の持つ別のアカウント宛てにBccしたいという場合もあるだろう。Webを探してみたところ、そうした目的に応えてくれるJavaScriptがあるようで、それを組み込めば常にBccにFromと同じアドレスを自動付加してくれる。こうしたUser定義のJavaScriptは、ブラウザに組み込まれるものなので、利用するPC環境ごとに設定してやる必要があるが、一度設定してやればずっと機能し続けてくれるし、Google Chromeの場合、ツール−拡張機能を開けば後から無効化や削除することも可能である。

 ともかくこうすることで、自分が送ったメール(NIFTYのアドレスをFromに設定)は、本来の宛先とともにNIFTYの自分のアカウントにもBccされ、更にそこからASAHI-NETのアカウントに転送される。ただし、NIFTYのアカウントからはGmailにも転送されるように設定しているのであるが、そちらの転送はされていないようである。

 どうもGmailの方では、同じメッセージID(メールに固有につけられる番号)のメールは二度処理するということはせず、自分が出したメールが自分宛てである場合、送信済みのメールに受信トレイの属性をつけるだけで、その後転送されて自分に届いても処理せず捨ててしまうようである。従って、自分がGmailから出したメールは、Gmailで設定した転送先(私の場合はPHSのアカウント)には転送されないようだ。まあPHSのアカウントは他所から届いたメールの確認用であり、自分が出したメールを確認する必要はないので、これでいいのであるが。

 いろいろややこしいが、なんだかんだで以前よりも快適なメール環境が整備されたのでよしとしよう。あとは、新たなアカウントを作ったことでSPAMが増えないことを祈るばかりである。


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