#139 我流Web画像加工法

2000/10/18

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 この「電脳生活雑感」の方はそうでもないが、もう一つ私が作っている劇団のページの方は、あちこちに画像を貼りつけている。その大半は、稽古風景や舞台写真やメンバーの横顔などの写真をJpeg形式にしたものである。先日数えてみたら、実に500枚以上ものJpeg画像がストックされていた。これらは全て私がフォトレタッチソフトで加工したものである。

 もとより私はWebmasterとなる以前は、フォトレタッチなんぞやったこともなかった素人である。もちろん今でも素人には違いないのだが、今回はそんな私流のWeb用の画像のフォトレタッチについて書いてみる。

 まずWeb用に使う画像の素材は、デジカメで撮影したものもあれば、銀塩カメラで撮影しプリントされたものもある。前者の場合はそのままレタッチソフトに取り込むことができるが、後者の場合はスキャナで読み込まなくてはならない。最初のうちは、今のパソコンを友人から譲り受けた時に付いてきた小型のハンディスキャナを使っていたが、手動だとさすがに写真が歪むことが多いため、今ではフラッドヘッドスキャナを使っている。それでも枚数が多いと結構手間がかかるため、数が多い時はプリント写真を9枚並べて一度にスキャンしてしまうという荒技を使うこともある。

 ともかくそんなわけでなんとかパソコンに取り込んだら、いよいよフォトレタッチソフトでの作業に入る。まずは画像をトリミングして、必要な部分を切り抜く。切り抜く際は、原則として縦横比が4:3になるように画像を切り抜いている。これはデジカメで撮影した元画像の縦横比が4:3であるためだ。もっとも規格紙のように、1:ルート2になっている素材の場合は、その比率になるように切り抜く。

 次に切り抜いた画像を、実際にWebに載せるサイズまで縮小する(解像度を下げる)。多くは長辺が240pixel程度にまで縮小している。それ以上の大きさの画像はファイルサイズが大きくなり回線の負担になるので、この辺が観賞に耐える最小限の大きさだろうという判断からである。最初のうちにこの処理をやっておくと、画像のファイルサイズが小さくなり、その後の作業が楽にできる。なお縮小した直後にアンシャープマスクをかけると、サイズが小さくてもある程度はっきりした画像になる。

 次に明るさの補正を行う。とりあえず自動レベル補正をかけるとそこそこバランスの取れた明るさになるが、場合によってはかえって変な色になったりすることもあるので、最終的にはマニュアルで補正する。例えば、スキャナでスキャンした画像は全体に暗くなりがちなので、暗い部分を思いきって明るくしてみるとか、メリハリのない画像の時は、暗い部分を更に暗く、明るい部分を更に明るくすることでメリハリを出す、などの作業をやる。全体の色味がおかしいときにはカラーバランスを調整することもある。

 場合によっては、不要な部分をしこしこと消去することもある。画像をうんと拡大表示させて、不要な部分を背景の色などで塗り潰してしまうのだ。ただしこの作業は、根気と時間がかかる割には、いい結果が得られないことが多い。パッと見は大丈夫でも、よーく見るといかにも修正したという不自然さが残る、そのためこの作業はよほど必要に迫られない限りはやらない。あるがままを受け入れる心の広さも大事である。

 そんなこんなで画像が整ったら、最後に効果としての影付処理(ドロップシャドウ)を行う。画像から斜めの方向にうすぼんやりとした影を入れることで、写真全体を立体的に見せる効果を出す常套手段である。手順はいろいろとややこしいのであるが、実際には手順をまとめて一括処理に登録しているので、簡単に実現できる。

 最後に保存であるが、当然のことながら、電話回線を使ってインターネットに接続している大多数の人にストレスなく見てもらうために、少しでもファイルサイズを小さくすることが大切である。最近では「Web用に保存」という機能などもあり、これを用いると、圧縮率を変えた場合の実際の見栄えを比較表示してくれるので便利である。画像サイズと見栄えのバランスを考えながら、画像が壊れる極限まで圧縮率を上げて、最終的に保存する。ある意味この作業が一番気を遣うかも知れない。

 そんなこんなで500枚以上もの写真をレタッチしてきたのだが、何と言ってもよい画像を作るために一番大事なのは、元の画像が良いことである。Webに載せる程度なら、どうせ縮小するのだから画素数は大して必要ないのだけど、せめて暗いところでもう少し明るい写真が撮れるといいのだけどなあ。今のデジカメもいよいよ調子が悪くなってきたし、冬のボーナスが出たら買い替えようかなあ。


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