#060 自転車用速度計で遊ぶ

1999/04/26

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 買ったばかりの自転車の鍵をなくしてしまったのがきっかけで、自転車のロックをボタン式のキーレスロックにつけかえることにした。番号だけ覚えていれば鍵をいちいち取り出さなくてもロック/アンロックが可能なので、物をなくす癖のある私にとってはその方が便利である。というわけで自転車屋に行って新しい鍵を物色していたのだが、ふと自転車用の速度計なるものを見つけたので、懐が暖かかったこともあって鍵と一緒につい買ってしまった。

 小学校低学年の頃、速度計のついている自転車に乗っていた子供が近所にいた。自動車の速度計のように、速く走ると針が右に動く速度計が物珍しくうらやましかったのを覚えている。そんな子供の頃のトラウマ(?)もあって、いい歳をして速度計なんてものを買ってしまったのである。

 ただし、20年たってから購入した現在の自転車用速度計は、なかなかよくできたものになっている。前輪のスポークの一部にマグネットをつけ、それと2mmの間隔を取って、前輪の車軸受けのところにセンサーをとりつける。前輪が1回転してセンサーとマグネットが接近すると、磁石が反応して1回転したということがカウントされる。回転数に前輪の円周を掛ければ走行距離が出るし、さらにそれを時間で割れば速度になると言うわけだ。非接触型のセンサーなので前輪に余計な負荷がかかることはないし、回転数や時間はマイコン制御で計測しているので、測定精度は極めて良い。車輪のサイズは最初の設定時に直径をインチで与えることになっており、あとは前面のボタン一つで速度、積算距離、最高速度、距離をそれぞれ表示してくれる。距離は10m単位、速度は0.1km/h単位で計測可能である。

 というわけで、速度計(距離計)をとりつけた翌日から早速いろんな道の距離を測るようになった。まず一番身近な通勤路から計測してみる。一日一往復、それぞれ距離を測っているが、概ね2440mということらしい。何回か計測したが誤差はせいぜい20mだからなかなか優秀である。

 通勤路には何種類かあって、近道なのだが車通りが多いので普段は使わない通勤路もある。ところが、実際にそちらの距離を測ってみると、近道だと思っていた通勤路が普段使っている通勤路に比べて逆に300m程長かったということが分かった。案外人間の感覚と言うものはあてにならないものである。

 実際この距離計が算出している距離が正しいものなのかどうかを検証してみる必要もあるだろう。たまたま職場の敷地の2000分の1の縮尺の図面を持っていたので、その地図の上での20cm(つまり400m)の直線道路を実際にその距離計で計測したところ、ぴたり400mであったので、割合良い精度で計測できていることがわかる。

 速度の方だが、普段愛用している自転車は、買物などの用事がしやすいような前カゴ付きのもの、つまり俗に言う「ママチャリ」であるから、がんばってもそれほど速度が出ると言うわけではない。もっともママチャリながら内装3段変速機つきなので、坂道から平地まで結構快適に走ることが出来る。その変速機付ママチャリの「中速」でのんびりと走っている速度がだいたい時速15kmくらいらしい。すこしがんばって速く走っているなという感覚が時速20〜25kmくらい。かなりがんばって漕ぐと時速30kmくらいにはなるが、この速度では1分も走ると息が切れる。ちなみに今までで出した最高速度は車道で車に煽られていた時に出た39.5km/hである。すみません。今後はそういう危ない乗り方はしません。って、誰に謝っているんだよ。

 今の所は通勤とその途中に寄り道して買物する程度にしか自転車に乗っていないので、大した積算距離にはなっていないが、それでも気がつけば使いはじめて3週間程で125kmは走っているそうである。ちょうど私の住む筑波から東京まで往復するくらいの距離になるだろうか。車ほど長距離を乗るものではないから、年間で計測してもせいぜい2000kmくらいしか乗らないだろうが、それでも感覚としては結構乗っているものだと思ってしまう。本当はこのくらいの距離を歩くようにすればもっと健康にも良いのであろうが、まあたとえ自転車でも車でない分だけ多少の運動にはなっているのだろうから、大目に見てもらおう。ってだから、誰に言い訳してるんだよ。


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