歯周治療の流れ

 ここでは、大まかな歯周治療の流れについて述べます。各処置内容の細かな点については、以降の各論に記載してありますので、そちらを参考にしてください。

 最初に医療面接を行います。続いて歯周組織の診査診断後、治療計画を立案します。

 歯周基本治療とは歯周病の原因になっているプラークや、プラークを増加させる局所性修飾因子を取り除く治療を指します。その主なものとしては口腔清掃指導(歯磨きの指導)や、歯周ポケット内のプラークや歯石を取り除くスケーリングルートプレーニングが挙げられます。
 口腔清掃指導前に動機付け(モチベーション)として、歯周病の原因や治療法について説明をし、適切な歯磨きが歯周治療の成否に大きなウエイトを占めることから、「なぜ磨かなければいけないのか」を理解してもらいます。

 再評価は歯周治療中に最初と同様の診査を行い、治っている部分と、改善がみられない部分(中程度〜重症の部分)に振り分けをするための診査です。改善していない部分には、さらなる治療が加えます。

 歯周外科治療は、外科的に歯周ポケット内のプラークや歯石を取り除き、ポケットを浅く(あるいはなくす)治療方法です。歯肉の形態を修正するための手術も含まれます。

 口腔機能回復治療は歯の土台となる歯周組織が回復した後、「かめる」、「話せる」ようにするための治療です。必要に応じて冠、ブリッジ(歯のないところに橋渡しをする冠)、義歯(入れ歯)を作ったり、咬合治療(かみ合わせの治療)、矯正治療(歯並びの修正)などを行います。

 サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)メインテナンスは歯 周病の再発防止を目的として、定期検査や歯磨きの状態のチェックをするものです。SPTは歯周治療後にも部分的に症状が残っているものの、安定した状態を 維持していくものを指し、メインテンスは歯周病が治癒した後の健康維持と再発防止を指します。もし、症状が進行する、または再発する部分があったら、早期 に治療をします。

  

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最終更新2013.1.3