歯周疾患の疫学

口腔清掃状態を評価する指数

Oral Hygiene Index (OHI)

 GreeneとVermillion (1960)により提唱された指数です。これは、Debris Index (DI; 堆積物の指数。当時は細菌性プラークという概念が確立されていなかったため)とCalculus Index (CI; 歯石指数)という2つの指数から構成されています。

 

Debris Index

Calculus Index

 0   プラークや他の付着物がない  歯石が認められない
 1   プラークが歯面の1/3以下  歯肉縁上歯石が歯冠の1/3以下
 2   プラークが歯面の1/3〜2/3  縁上歯石が歯冠の1/3〜2/3または、
 縁下歯石が歯頚部に散在
 3   プラークが歯面2/3以上  縁上歯石が歯冠の2/3以上または、
 縁下歯石が歯を取り巻いてリング状に存在

 DIとCIについてそれぞれ求め、合計したものがOHIの値になります(OHI=DI+CI)。

 

Simplified Oral Hygiene Index (OHI-S)

 Greene とVermillion (1964)がOHIを簡略化したものです。ちなみに、OHI-Sの論文は1964年ですが、1963年に発表された論文ですでに使用されています。方法 はOHIと一緒ですが、調査部位を6歯のみとしています。歯の番号について、一般の方は下のコラムを参考にしてください。

 

Plaque Index (Pl.I)

 SilnessとLoe (1964)により提唱された指数です。それぞれの歯を4面にわけて、以下の評価に従った点数をつけ、平均したものが、その歯や個人のPl.Iになります。GIと併用されることが多い指数です。

 0 

 プラークがまったくない

 1 

 肉眼ではプラークの付着が不明であるが、探針で探ると付着が認められる

 2 

 少量〜中程度のプラークが肉眼で認められる

 3 

 ポケット内や歯肉辺縁上に多量のプラークが付着している

 

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歯式(=ししき)について

前歯側から奥歯側に向かって、順番に数字がつけられています。

 1  中切歯(=ちゅうせっし)
 2  側切歯(=そくせっし)
 3  犬歯(=けんし; 糸切り歯)
 4  第一小臼歯(=だいいちしょうきゅうし)
 5  第二小臼歯(=だいにしょうきゅうし)
 6  第一大臼歯(=だいいちだいきゅうし)
 7  第二大臼歯(=だいにだいきゅうし)
 8  第三大臼歯(=だいさんだいきゅうし; 親知らず。はえない人もいる)

これが、上下左右にそれぞれあります。ちなみに、上の歯を上顎(=じょうがく)、下の歯を下顎(=かがく)といいます。左右は患者さんを主体とするので、一般的な左右とは逆になります。右側(=うそく)、左側(=さそく)といいます。

例えば、上顎右側第一大臼歯が正式な言い方です。簡略化した言い方では右上6番となります。十字の線で上下左右を区切り、数字で表すこともあります。


最終更新2013.1.2