診査

動揺度

 歯周病によって歯槽骨が吸収すると、歯を支えている部分が少なくなり、動き始めます。咬合性外傷によっても、歯は動揺します。

Millerの分類

 動揺度(=どうようど)の評価には、通常この分類法が用いられています。

0度 : 生理的動揺(0.2mm以内)
1度 : 頬舌的にわずかに動揺(0.2〜1mm)
2度 : 頬舌的に中等度、近遠心的にわずかに動揺(1〜2mm)
3度 : 頬舌的、近遠心的のみならず、歯軸方向にも動揺(2mm以上)

 3度で歯軸(=しじく; 歯の頭と根に沿った軸)方向に動く場合、歯を支えている組織がほとんどなくなっているので、保存することはほぼ不可能です。

 歯槽骨が吸収してしまっている部位は、治療後にも動揺度が残ります。しかし、プロービングにより出血しなければ、歯周組織としては問題ありません。ただし、かみ合わせで歯が動いてかみづらい場合は、歯を固定してかめるようにします(最終補綴も参考にしてください)。

 

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最終更新2013.1.3