暴力団員そして家族の皆さん。今こそ一歩踏み出す勇気を

 工藤會・野村悟総裁に死刑判決

 本日、工藤會・野村悟総裁、そして田上不美夫会長に対し、福岡地裁判決が下されました。
 野村総裁については、無期か懲役最高の30年ではないかと予想していましたが、地裁は厳しい判決を下しました。
 ここまで、捜査を積み上げてきた福岡県警担当幹部、捜査員の皆さん、そして福岡地検に対し、心より敬意を表したいと思います。
 今回の判決に対し、野村総裁らは最高裁まで争うだろうと思います。しかし、平成26年1月、山口組健國会会長に対する大阪高裁の判決に見られるよう、最近の裁判所は暴力団トップの指揮命令について積極的に認定しています。野村総裁らの判決は恐らく厳しいものが続くことでしょう。

 暴力団に対する厳しい目

 今日の判決に見られるよう、社会も裁判所も暴力団に対する目はより厳しくなっています。暴力団対策法、暴力団排除条例、それは暴力団が、その持続的な威力を背景に、市民や事業者の皆さんに違法、不当な暴力を繰り返してきたからです。
 私は、暴力団対策に関わってきた元警察官として、暴力団により殺され、傷つけられ、脅され続けてきた被害者やそのご家族のことを忘れることはありません。暴力団が存在する限り、その意に添わない市民を最後に待ち受けているのは暴力です。工藤會は決して特別ではありません。暴力団は壊滅すべきだという考えに何ら変わりはありません。

 暴力団員、そして家族の皆さん

 一方で、一連の工藤會襲撃事件の実行犯たちの多くについては、必ずしも憎みきれないところがあります。ある意味、彼らも暴力団組織の犠牲者だからです。彼らの多くは不本意ながら、暴力団員である以上、組織の命令に対し従わざるを得なかった、と考えています。
 だからこそ、暴力団員そして家族の皆さんに、この判決を機に、勇気を持って一歩踏み出してほしいと思います。多くの暴力団員の皆さんは多数の前科・前歴を持っているでしょう。暴力団に所属していることで、良い思いもしてきたことでしょう。しかし、任俠団体を標榜する暴力団の実態がどのようなものか、皆さんが一番わかっているはずです。

 過去は変えられない。しかし未来は変えられる

 皆さんがやってきたこと、過去は変えられません。しかし、未来は変えることができます。特に、福岡県内の暴力団員そして家族の皆さん。福岡県警そして福岡県暴力追放運動推進センターは、皆さんが本気でやり直したいと決意すれば、必要な協力は惜しみません。
 このホームページでも紹介したように、暴力団を離脱して5年経ってなくても、皆さんが本気で真剣に真面目に働こうとするならば、口座開設、アパートなどの賃貸契約などで困っていることに対しても応援します。
 県内には、皆さんが本気でやり直したいと決意したなら、是非、傭いたいと言ってくださる協賛企業が約390社あります。就労後も、県警や暴追センターでは、皆さんの相談にのります。
 工藤會、そして他の暴力団が簡単に無くなるとは思いません。トップに厳しい判決を受けた工藤會の暴力団員の相当数は、工藤會にしがみつき、違法・不当な活動を続けていくことでしょう。しかし、警察の取締りも北九州市民の暴力団を見る目も緩むことはないでしょう。
 是非、最寄りの警察署、または、
○ 福岡県警暴力追放ダイヤル  092-622-0704 (平日9時00分~17時45分)
○ (公財)福岡県暴力追放運動推進センター  092-651-8938(平日9時00分~16時00分)
にご相談ください。

      令和3年8月24日(火)  暴追ネット福岡代表 藪正孝