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1-秋の田の
 

 1番「秋の田の」

 ☆秋の田のかりほの庵(いお)のとまをあらみ
       わがころもでは露(つゆ)にぬれつゝ

    天智天皇(てんぢてんのう−38代-626-671)   

 収穫期は夜の警備も必要となり、仮の小屋で終夜見張らねばなりません。結構きついのです。ガードマンを優遇しないと直ぐ辞めてしまいますので。神経を使うのです。

2-春すぎて
 

 2番「春すぎて」

 ☆春すぎて夏來(なつき)にけらし白妙の
       ころもほすてふあまのかぐ山

    持統天皇(じとうてんのう−41代-645-702)   

 当時の衣はどのような物か知りませんので、アップでお茶を濁してしております。HIHI

3-足引の
 

 3番「足引の」

 ☆足引(あしびき)の山鳥の尾のしだりおの
        なが々し夜をひとりかもねむ

    柿本人丸(ひとまる、人麻呂(ひとまろ) 生没年不詳   

 ひとりかもねむ状態になってしまいました。何故でしょう、理由はいろいろ考えられます、各々で想像しましょう。

 場所はトレドのパラドール。

4-田子の浦に
 

 4番「田子の浦に」

 ☆田子の浦にうち出(いで)てみれば白妙(しろたえ)の
       ふじのたかねに雪はふりつゝ

    山辺赤人(やまべのあかひと) 生没年不詳     

5-おくやまに
 

 5番「おくやまに」

 ☆おくやまに紅葉踏分(もみじふみわけ)なく鹿の
       声きくときぞあきは悲しき

    猿丸大夫(さるまるたゆう) 生没年・伝未詳   

 この奥山は東御苑です。汐見坂(楽部の横)を下って少し左の方向で、ツクシが生えており、雰囲気としては武蔵野という感じです。

6-かさゝぎの
 

 6番「かさゝぎの」

 ☆かさゝぎのわたせる橋にをくしもの
       しろきをみれば夜ぞふけにける

    中納言家持(ちゅうなごんやかもち) 718-67-785   

 夜も更けました、眠らねば。いやこれからです。

7-天の原
 

 7番「天の原」

 ☆天の原ふりさけみれば春日(かすが)なる
        三笠(みかさ)の山にいでし月かも

    阿倍仲麻呂(あべのなかまろ) 698-770   

 10代から唐に留学し、帰るもこともできず、さぞかしホームシックに掛かっていたと思われます。

8-我庵は
 

 8番「我庵は」

 ☆我庵(わがいお)は都のたつみしかぞすむ
       世をうぢ山と人はいふ也

    喜撰法師(きせんほうし) 生没年・伝未詳   

 茅葺きが時代物でブルーシートのご厄介になっております。この色はなかなかいいでしょう。HIHI

 都ののたつみ:都から東南の方角 ガレージの車の名は何でしょう。
 --さぁー見たことがありません。--

9-花のいろは
 

 9番「花のいろは」

 ☆花のいろはうつりにけりないたずらに
       我身(わがみ)よにふるながめせしまに

    小野小町 生没年未詳   

 知らず知らずに時が経ってしまった。今も昔も時は無情。

10-これやこの
 

 10番「これやこの」

 ☆これやこの行(ゆ)くも帰るも別れては
       しるもしらぬも相坂(おふさか)の関

    蝉丸(せみまる) 生没年・伝未詳 

 陽性か陰性かしるもしらぬもおふさかの関。おいおい。

11-わだのはら
 

 11番「わだのはら」

 ☆わだのはら八十嶋(やそしま)かけて漕出(こぎいで)ぬと
       人にはつげよあまのつりぶね

    参議 篁(さんぎたかむら) 802-852 

 おいおい、その舟で何処まで行くの。

 隠岐(おき)の島までまいります。

お大事に。

 Special thanks to K.Ishimaru 写真をお借りしました。

12-あまつ風
 

 12番「あまつ風」

 ☆あまつ風雲のかよひ路(じ)吹(ふき)とぢよ
       乙女(おとめ)のすがたしばしとゞめん

    僧正遍昭(そうじょうへんじょう) 816-890 

 閉じることができませんでした、僧正遍昭の想像変状でした。パワハラ&セクハラはその程度に済ませましょう。

13-つくばねの
 

 13番「つくばねの」

 ☆つくばねの峯(みね)より落(おつ)るみなの川
       こひぞつもりて淵となりぬる

    陽成院(ようぜいいん) 868-949 

 成就した恋だけではあるまい、それにしても淵になるとは凄い。HIHI

14-陸奥の
 

 14番「陸奥の」

 ☆陸奥(みちのく)のしのぶもぢずり誰(たれ)ゆへに
       みだれそめにし我ならなくに

    河原左大臣(かわらのさだいじん)(源融-みなもとのとおる 822-73-895)

15-君がため
 

 15番「君がため」

 ☆君がため春の野に出(いで)て若菜(わかな)つむ
       わが衣手に雪はふりつゝ

    光孝天皇(こうこうてんのう) 830-887 

 背景は東御苑の武蔵野の面影がある所。ちょっとツクシが育ちすぎました。若菜を移植するともっと雰囲気が出ます。そのうちやってみましょう。

16-立別れ
 

 16番「立別れ」

 ☆立別(たちわか)れいなばの山の嶺(みね)におふる
       まつとしきかば今かへりこむ

    中納言行平 818-75-893 

 即実行、フットワークが軽いのです、直ぐやる行平さん、やりますという説明より実行です。ささっと帰ります。

17-ちはやぶる
 

 17番「ちはやぶる」

 ☆ちはやぶる神代(かみよ)もきかず龍田川(たつたがわ)
       からくれなゐに水くゞるとは

    在原業平朝臣 825-55-880

18-住の江の
 

 18番「住の江の」

 ☆住の江の岸による波よるさへや
     ゆめの通路(かよいじ)人めよく覧(らむ)

    藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん) 生年未詳-907

19-難波がた
 

 19番「難波がた」

 ☆難波(なにわ)がたみじかきあしのふしのまも
       あはで此(この)よを過(すぐ)してよとや

    伊勢(いせ) 生没年未詳

 ☆天国や地獄でお逢いしてもしょうがないのです。此の世で逢わねば。

☆Special thanks to:天国はムリリョ、地獄はロダン

20-わびぬれば
 

 20番「わびぬれば」

 ☆わびぬれば今はた同じ難波(なにわ)なる
       身をつくしてもあはむとぞ思ふ

    元良親王(もとよししんのう) 890-53-943 

 

21-今こむと
 

 21番「今こむと」

 ☆今こむといひしばかりに長月(ながつき)の
有明(ありあけ)の月をまちいでつるかな

    素性法師(そせいほうし) 生没年未詳

22-吹からに
 

 22番「吹からに」

 ☆吹からに秋の草木のしほるれば
むべ山風(やまかぜ)をあらしと云(いふ)らむ

    文屋康秀(ふんやのやすひで) 生没年不詳

23-月みれば
 

 23番「月みれば」

 ☆月みれば千々(ちぢ)に物(もの)こそ悲しけれ
我身(わがみ)ひとつの秋にはあらねど

    大江千里(おおえのちさと) 生没年未詳

24-此たびは
 

 24番「此たびは」

 ☆此(この)たびはぬさもとりあへず手向山(たむけやま)
紅葉(もみじ)のにしきかみのまに〃〃

    管家(かんけ、菅原道真 845-903)

25-名にしおはゞ
 

 25番「名にしおはゞ」

 ☆名にしおはゞ相坂山(あふさかやま)のさねかづら
人にしられでくるよしもがな

    三条右大臣 873-59-932

 全く人に知られないで逢瀬を楽しむには大脱走のようなトンネルを掘り苦労してロープをたぐって進まねばなりません。努力しないと報われません。

 「さねかずら」と申しても、そう簡単にはまいりませぬ。HIHI

26-をぐら山
 

 26番「をぐら山」

 ☆をぐら山峯の紅葉(もみぢ)ば心あらば
今ひとたびのみゆきまたなむ(ん)

    貞信公(ていしんこう、藤原忠平 880-949)

27-みかのはら
 

 27番「みかのはら」

 ☆みかのはらわきてながるゝ泉河(いずみがわ)
いつ見きとてかこひしかるらむ

    中納言中納言兼輔(かねすけ)877-933

 ☆この泉は東御苑にあります。ちょろちょろと泉河が流れておりました、さて何時の頃にその光景を見たのでしょうか。若い頃でしょう、現在認知症ではありません。(ご自分では分からない物よ)(あ、そう)

28-山里は
 

 28番「山里は」

 ☆山里は冬ぞさびしさまさりける
人めもくさもかれぬとおもへば

    源宗干(みなもとのむねゆき)朝臣(あそん) 生年未詳-939

29-心あてに
 

 29番「心あてに」

 ☆心あてにおらばやおらむ初霜の
をきまどはせるしらぎくの花

    凡河内躬恒(おうしこうちのみつね) 生没年未詳

 ☆これを絵にするのは難しい。

30-有明の
 

 30番「有明の」

 ☆有明のつれなくみえし別(わかれ)より
暁(あかつき)ばかりうきものはなし

    壬生忠岑(みぶのただみね) 生没年未詳

31-朝朗
 

 

 31番「朝朗」

 ☆朝朗(あさぼらけ)有明の月と見るまでに
芳野(よしの)の里にふれるしら雪

    坂上是則(さかのうえのこれのり) 生没年未詳

32-山川に
 

 32番「山川に」

 ☆山川に風のかけたるしがらみは
ながれもあへぬ紅葉なりけり

    春道列樹(はるみちのつらき) 生年未詳

 ☆アプリが違うと絵の雰囲気が違います。

33-久堅の
 

 33番「久堅の-」

 ☆久堅(ひさかた)のひかりのどけき春の日に
しづ心なく花のちるらむ

    紀友則 生没年未詳

 ☆桜は楚々とした小ぶりの物が欲しかったのですが、合う写真がありません。この木は豪華過ぎて花が散ってもなんてことない容子です。HIHI

 ☆この桜は“きたはねばしもん”北桔橋門を入って左手にあります。古木です。  

34-誰をかも
 

 34番「誰をかも」

 ☆誰(たれ)をかもしる人にせむ高砂の
松もむかしのともならなくに

    藤原興風(ふじわらのおきかぜ) 生没年未詳

☆ この松は。浜離宮の「三百年の松」、ちょっと前に写した物です。話し相手にはいいと思うのですが、話題は300年分あります。HIHI

35-人はいさ
 

 35番「人はいさ」

 ☆人はいさこころもしらず故郷(ふるさと)は
はなぞむかしのかに匂ひける

    紀貫之(きのつらゆき) 868-945

 ☆ 花は本来は梅でしょう、他の花の香りも試しては如何と思いまして。クチナシと青いバラにしてみました。
 ☆ クチナシの花言葉は 「とても幸せ」「優雅」「喜びを運ぶ」
 ☆ 青いバラの花言葉は 「夢かなう」「奇跡」「神の祝福」

36-夏の夜は
 

 36番「夏の夜は」

 ☆夏の夜はまだ宵(よい)ながら明(あけ)ぬるを
雲のいづくに月やどるらむ

    清原深養父(きよはらのふかやぶ)生没年未詳

 ☆何処に行きやった。 文明の利器で探そう。味無いことを。HIHI

37-白露に
 

 37番「白露に」

 ☆白露(しらつゆ)に風のふきしく秋のゝは
つらぬきとめぬ玉ぞちりける

    文屋朝廉(ふんやのあさやす) 生没年未詳

 ☆実際の風景はどんな物か想像してしまいます。相当美しいと思われます。

38-忘らるゝ
 

 38番「忘らるゝ」

 ☆忘らるゝ身をば思はずちかひてし
人のいのちのおしくもあるかな

    右近(うこん) 生没年未詳

 ☆地上に咲いている花はジギタリス、その花言葉の一つに「不誠実」があります。歯の浮くような言葉で神に誓って永久に愛するなんて言ったカレシに 天罰がくだされなければいいが、惜しい人をなくしましたなんて言わせないでよと言った情況でしょう。池にはオニバスの葉が浮いております、カレシにはお似合いの物でしょう。

☆蓮の花言葉は、「清らかな心」、「神聖」、「離れ行く愛(estranged love)」、いいものとそうでないものが混在しております。HIHI

39-浅茅生の
 

 39番「浅茅生の」

 ☆浅茅生(あさじふ)のをのゝしのはら忍(しの)ぶれど
あまりてなどか人のこひしき

    参議 等(さんぎひとし) 880-71-951

40-しのぶれど
 

 40番「しのぶれど」

 ☆しのぶれど色に出(いで)にけり我恋(わがこい)は
物や思(おもう)と人の問迄(とうまで)

    平兼盛(たいらのかねもり) 生年未詳-990

41-恋すてふ
 

 41番「恋すてふ」

 ☆恋すてふ我名はまだき立にけり
人しれずこそ思ひ初(そめ)しか

    壬生忠見(みぶのただみ) 生没年未詳

42-契きな
 

 42番「契きな」

 ☆契(ちぎり)きなかたみに袖をしぼりつゝ
末の松山(すえのまつやま)なみこさじとは

    清原元輔(きよはらのもとすけ) 908-990

 ☆契りの絶対値は愛の有無ではなく持続するか否かなのです。わーかるかな、わからねーだろうな。

43-あひ見ての
 

 43番「あひ見ての」

 ☆あひ見ての-後(のち)の心にくらぶれば
むかしは物をおもはざりけり

    権中納言敦忠 906-37-943

 ☆もしもし、あなた方何年生、まだ早いんでないの。あんた方はまだ昔が無いでしょう。

 ☆ちょうがないでちょうちゅきになっちゃたのだから。

 ☆なぬ、まだ幼児。

44-逢事の
 

 44番「逢事の」

 ☆逢事(あうこと)のたえてしなくは中々(なかなか)に
人をも身をもうらみざらまし

    中納言朝忠 910-966

 ☆逢は別れの初めとやらと申します、だから逢わない、なるほど、理屈です。勝手にしてください。

45-哀とも
 

 45番「哀とも」

 ☆哀(あわれ)ともいふべき人はおもほえで
みのいたづらになりぬべきかな

    謙徳公(けんとくこう) 924-48-972

46-由良のとを
 

 46番「由良のとを」

 ☆由良(ゆら)のとを渡る舟人(ふなびと)かぢをたえ
行衛(ゆくえ)もしらぬ恋のみちかな

    曾禰好忠(そねのよしただ) 生没年不詳

 ☆舟人「艪(ろ)を拾って!」--- イルカ「能力外です」。舟人「岸まで引っ張って」--- イルカ「それもちょっと、お大事に」
 ☆イルカ「亀さんに頼んだらどう。あら、浦島太郎さんじゃーないの」 

47-やへ葎
 

 47番「やへ葎」

 ☆やへ葎(むぐら)しげれる宿のさびしきに
人こそ見えねあきは来にけり

    恵慶法師(えぎょうほうし) 生没年未詳

48-風をいたみ
 

 48番「風をいたみ」

 ☆風をいたみ岩うつ波のをのれのみ
くだけてものをおもふ比(ころ)かな

    源重之(みなもとのしげゆき) 生年未詳-1001

49-みかきもり
 

 49番「みかきもり」

 ☆みかきもり衛士(えじ)の焼火(たくひ)の夜はもえ
昼は消つゝ物ものをこそおもえ

    大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ) 921-70-991

50-君がため
 

 50番「君がため」

 ☆君がためおしからざりし命さへ
ながくもがなとおもひける哉(かな)

    藤原義孝 954-974

51-かくとだに
 

 51番「かくとだに」

 ☆かくとだにえやはいぶきのさしも草
さしもしらじなもゆる思ひを

    藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたあそん) 生年未承-998

 ☆熱そう、でも効きそう。

52-明ぬれば
 

 52番「明ぬれば」

 ☆明(あけ)ぬればくるゝものとはしりながら
なをうらめしきあさぼらけかな

    藤原道信朝臣(あそん) 972-994

53-嘆つゝ
 

 53番「嘆つゝ」

 ☆嘆(なげき)つゝひとりぬるよの明(あく)るまは
いかに久しきものとかはしる

    右大将道綱母(うだいしょうみちつなのはは) 937-995

54-わすれじの
 

54番「わすれじの」

 ☆わすれじの行末迄はかたければ
けふをかぎりの命ともがな

    儀同三司母 生年未詳-996

55-滝の音は
 

55番「滝の音は」

 ☆滝の音は絶て久しくなりぬれど
名こそながれてなをきこえけれ

    大納言公任(きんとう) 966-1041

56-あらざらむ
 

56番「あらざらむ」

 ☆あらざらむ此(この)よの外(ほか)の思出(おもいで)に
今ひとたびのあう事もがな

    和泉式部 (976-978)頃-没年未詳

57-めぐり逢て
 

57番「めぐり逢て」

 ☆めぐり逢て見しやそれ共分ぬまに
雲がくれにし夜半(よわ)の月かな(月影)

    紫式部 970頃-1014

58-ありま山
 

58番「ありま山」

 ☆ありま山いなの篠原(ささはら)風吹ば
いでそよ人をわすれやはする

    大弐三位(だいにのさんみ) 生没年未詳

59-やすらはで
 

59番「やすらはで」

 ☆やすらはでねなまし物をさよふけて
かたぶくまでの月を見しかな

    赤染衛門(あかぞめえもん) 生没年未詳

60-大江山
 

60番「大江山」

 ☆大江山いくのゝ道のとをければ
まだふみもみず天のはしだて

    小式部内侍(こしきぶのないし) 生年未詳-1025

61-いにしへの
 

61番「いにしへの」

 ☆いにしへのならの都の八重桜
けふ九重ににほひぬるかな

    伊勢大輔(いせのたいふ) 生没年未詳

☆こんな大きな木になるとは、歌の感じだとまだ若木の楚々とした容姿だと思うのだけれど。どう思う。

 ☆いいんじゃないの、立派で。八重桜って感じがよくでているではありませんか。

62-よをこめて
 

62番「よをこめて」

 ☆よをこめて鳥の空音(そらね)ははかる共
よにあふさかの関はゆるさじ

    清少納言 生没年未詳

 ☆函谷関(かんこくかん)は破れても私のこの胸の関所は破れないわよ。いいこと。チムチムムチム。

 ☆もしかして:チルチルミチル 

 ☆いいんです。

63-今はたゞ
 

63番「今はたゞ」

 ☆今はたゞおもひ絶(たえ)なんとばかりを
人づてならでいふよしもがな

    左京大夫道雅(さきょうのだいぶみちまさ) 994-60-1054

64-朝ぼらけ
 

64番「朝ぼらけ」

 ☆朝ぼらけ宇治のかはぎりたえだえに
あらはれわたる瀬々の網代木(せぜのあじろぎ)

    権中納言定頼 995-50-1045

65-恨みわび
 

65番「恨みわび」

 ☆恨みわびほさぬ袖だにある物を
恋にくちなむ(ん)名こそおしけれ

    相模(さがみ) 生没年未詳 

66-諸共に
 

66番「諸共に」

 ☆諸共(もろとも)にあわれとおもえ山桜
花より外(ほか)に知人(しるひと)もなし

    大僧正行尊(ぎょうそん) 1055-80-1135

 ☆Special thanks to:T.Nomura 山桜の写真

67-春のよの
 

67番「春のよの」

 ☆春のよの夢ばかりなる手枕(たまくら)に
かひなくたゝむ名こそ惜けれ

    周防内侍 生没年未詳 

68-心にも
 

68番「心にも」

 ☆心にもあらで此世(このよ)にながらへば
こひしかるべきよはの月かな

    三条院 976-41-1017 

69-あらし吹
 

69番「あらし吹」

 ☆あらし吹三室の山のもみぢばゝ
龍田の川のにしきなりけり

    能因法師 988-没年未詳

70-さびしさに
 

70番「さびしさに」

 ☆さびしさに宿(やど)を立出(たちいで)て詠(なが)むれば
いづくもおなじあきのゆふぐれ

    良暹法師(りょうぜんほうし)生没年未詳

71-夕されば
 

71番「夕されば」

 ☆夕されば門田の稲葉(かどたのいなば)をとづれて
あしのまろやに秋風ぞ吹(ふく)

    大納言経信(つねのぶ) 1016-81-1097 

72-音にきく
 

72番「音にきく」

 ☆音にきくたかしの浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ
    祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい) 生没年未詳 

73-高砂の
 

73番「高砂の」

 ☆高砂の尾上(おのへ)の桜さきにけり
とやまの霞(かすみ)たゝずもあらなん

    権中納言匡房(まさふさ) 1041-1111

74-うかりける
 

74番「うかりける」

 ☆うかりける人をはつせの山下颪(やまおろし)
はげしかれとはいのらぬ物(もの)を

    源俊頼朝臣 1055-74-1129

75-契をきし
 

75番「契をきし」

 ☆契(ちぎり)をきしさせもがつゆを命にて
あわれことしの秋もいぬめり

    藤原基俊(もととし) 1060-82-1142

76-和田の原
 

76番「和田の原」

 ☆和田の原こぎ出てみれば久堅(ひさかた)の
くもゐにまがふ奥津白波(おきつしらなみ)

    法性寺入道前関白太政大臣
ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだいじょうだいじん 1097-1164

77-瀬をはやみ
 

77番「瀬をはやみ」

 ☆瀬をはやみ岩にせかるゝ瀧川(たきがわ)のわれてもすゑにあはむとぞおもふ
    崇徳院(すとくいん) 1119-45-1164

78-淡路嶋
 

78番「淡路嶋」

 ☆淡路嶋(あわじしま)かよふ千鳥(ちどり)のなく声に
       幾夜(いくよ)ね覚(ざめ)ぬすまの関守(せきもり)

    源兼昌(みなもとのかねまさ) 生没年未詳

79-秋風に
 

79番「秋風に」

 ☆秋風にたなびく雲のたえまより
       もれいづる月のかげのさやけさ

    左京大夫顕輔 1090-65-1155

80-長からむ
 

80番「長からむ」

 ☆長からむ心もしらずくろかみの
       みだれてけさは物をこそ思へ

           待賢門院堀河(たいけんもんいんのほりかわ) 生没年未詳

81-郭公
 

81番「郭公」

 ☆郭公(ほととぎす)なきつるかたをながむれば
        たゞありあけの月ぞのこれる

    後徳大寺左大臣1139-52-1191

82-思ひわび
 

82番「思ひわび」

 ☆思ひわび扨(さて)もいのちはある物(もの)を
        うきにたへぬはなみだなりけり

    道因法師(どういんほうし) 1090-89-1179

 ☆あまりにも消沈して、歩くことができないということで、助(スケ、新解釈)ボーに乗せ引っ張っているところです。困ったときのペンギン頼みというわけで、再度彼に一役かって貰いました。HIHI

83-世中よ
 

83番「世中よ」

 ☆世中よみちこそなけれおもひ入
        やまのおくにも鹿ぞなくなる

    皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい) 1114-90-1204

 ☆現実逃避で何処に行っても権力の重みは免れないものです。

84-ながらへば
 

84番「ながらへば」

 ☆ながらへば又此比(またこのごろ)やしのばれむ
        うしと見しよぞいまは恋(こひ)しき

    藤原清輔朝臣(ふじはらのきよすけあそん) 1104-1177

85-よもすがら
 

85番「よもすがら」

 ☆よもすがら物思ふ比は明けやらで
        閨(ねや)のひまさへつれなかりけり

    俊恵法師 1113-78-1191  

86-歎けとて
 

86番「歎けとて」

 ☆歎(なげ)けとて月やは物をおもはする
        かこちがほなるわがなみだかな

    西行法師(さいぎょうほうし) 1118-72-1190  

 ☆かこちがほなるわがなみだかな:恋しく、恨めしく、懐かしく思う表情をしながら涙を流す、大根(でーこ)にはとても出来ない表情、鏡を見ながらやってみてください。HIHI

87-村雨の
 
   

87番「村雨の」

 ☆村雨(むらさめ)の露(つゆ)もまだひぬまきのはに
       霧(きり)たちのぼるあきのゆふぐれ

    寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139-63-1202

88-難波江の
 
   

88番「難波江の」

 ☆難波江(なにわえ)のあしのかりねの一(ひと)よゆへ
       身をつくしてや恋(こひ)わたるべき

    皇嘉門院別当(こうかもんいんのべっとう) 生没年未詳

89-玉のをよ
 
   

89番「玉のをよ」

 ☆玉のをよ絶(たえ)なば絶ねながらへば
       忍ぶることのよはりもぞする

    式子内親王(しょくしないしんのう) 生年未詳-1201

90-見せばやな
 
   

90番「見せばやな」

 ☆見せばやなをじまの蜑(あま)の袖(そで)だにも
       ぬれにぞぬれし色はかはらず

    殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ) 生没年未詳

91-きりぎりす
 
   

91番「きりぎりす」

 ☆きりぎりすなくや霜夜(しもよ)のさ筵(むしろ)に
       衣(ころも)かたしきひとりかもねむ

    後京極摂政太政大臣
    (ごきょうごくせっしょうだいじょうだいじん-1169-37-1206
    藤原良経(ふじわらのよしつね)   

92-我袖は
 
   

92番「我袖は」

 ☆我袖(わがそで)はしほひに見えぬおきの石の
       人こそしらねかはくまもなし

    二条院讃岐(にじょういんのさぬき) 1141-76-1217      

93-世中は
 
   

93番「世中は」

 ☆世中(よのなか)はつねにもがもななぎさ漕(こぐ)
       あまのをぶねの綱手(つなで)かなしも

    鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん、源実朝) 1192-1209

94-みよしのゝ
 
   

94番「みよしのゝ」

 ☆みよしのゝ山の秋風さよふけて
       故郷(ふるさと)さむくころもうつなり

    参議雅経(さんぎまさつね) 1170-51-1221

95-おほけなく
 
   

95番「おほけなく」

 ☆おほけなく浮世(うきよ)の民(たみ)におほふ哉(かな)
       わがたつ杣(そま)にすみぞめの袖(そで)

    前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん) 1155-70-1225

96-花さそふ
 
   

96番「花さそふ」

 ☆花さそふあらしの庭の雪ならで
       ふり行(ゆく)ものは我身なりけり

    入道前太政大臣(にゅうどうさきのだいじょうだいじん) 1171-73-1244
    藤原公経(ふじわらのきんつね)

 ☆公経さんはパーフェクトだったのですが、寄る年波には適わないらしく弱気になっております。体を冷やさないようにパーフェクションの石油ストーブを添えました。古い型の方が合います。HIHI

97-こぬ人を
 
   

97番「こぬ人を」

 ☆こぬ人をまつほの浦(うら)の夕なぎに
       やくやもしほの身もこがれつゝ

    権中納言定家(ごんちゅうなごんていか) 1162-79-1241

98-風そよぐ
 
   

98番「風そよぐ」

 ☆風そよぐならの小川の夕暮(ゆうぐれ)は
       御祓(みそぎ)ぞ夏のしるしなりける

    従二位家(じゅにゐいえたか) 1158-79-1137

99-人もおし
 
   

99番「人もおし」

 ☆人もおし人も恨(うら)めしあぢきなく
       よをおもふゆへ物思(ものおも)ふ身は

    後鳥羽院(ごとばいん) 1180-59-1239

100-百敷や
 
   

100番「百敷や」

 ☆百敷(ももしき)やふるき軒端(のきば)のしのぶにも
       なほあまりあるむかし成(なり)けり

    順徳院(じゅんとくいん) 1197-45-1242