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「でね、トキくんとも話してたんだけど、やっぱりこの後ろのところをばっさり変えちゃおうかと思うの」 アキが真剣に話している。 少し疲れてるみたいで、声のトーンが落ちてるのが気になった。 「どう?」 俺は肯定する。 「アキの好きなように変えていいよ」 「良かった。もうね、トキくんには弾いてもらっちゃったんだけど……」 ああ、アキ……。 俺にはお前だけだ。 「コウちゃん?聞いてる?」 「アキはかわいいなあ」 「もう!」 プリプリ怒ってしまった。 「コウちゃん、疲れてるんじゃない?今日はこれくらいにした方がいいよ。アキちゃんも休まないと喉によくないよ」 トキが、実に良いタイミングで終わりを告げた。 俺たちは、トキと別れスタジオを後にする。 「お腹空いちゃったねー。ご飯どうしようか?」 「アキが食べたい」 「こらっ!」 頬を染めて睨んでもダメだよ。 俺はアキの腕を掴んで引っ張った。 よろめくアキを抱き締めて、そのままキスを…。 一瞬だけ合わさった唇は、柔らかく俺の心を溶かしてくれた。 アキは、すぐに俺から離れた。 「もう!外でそういうの止めて!」 「もうしちゃったもーん」 俺は笑った。 軽くなればいい。 この心が、もっと軽くなればいい。 『こういちぃ…』 「なー、アキ。コウイチって呼んで」 アキの耳元に小さく囁いた。 「やめてってば」 「いいじゃんよー。乱れると呼んでくれるのになー」 「………コウちゃん!」 『こういちぃ…』 今日はいつまでも、俺を呼ぶ声が聞こえる。 『こういちぃ…』 『こういちぃ…』 『こういちぃ…』 「ねーあきー、コウイチって呼んでよ?」 「知らないっ」 |
