|
『遊戯』 「待ってよ!」 アイジは着替えもそこそこに、走り去るKOJIを追いかけた。 自分は何かやらかしてしまったのだろうか? 今日の札幌ライブもイイ盛り上がりだったし、KOJIも俺に会いに前ノリしてくれたんじゃなかったのか。 混乱したまま追いかけるアイジ。 さすが北海道。頬を切るように冷たい空気に晒されて、顔が痛い。 でも、それ以上に逃げるKOJIの背中を見るのが痛い。 「KOJI!!KOJIったら!行くなよ〜〜!」 「うるせえ!来んな!打ち上げでもどこでも行っちまえ!」 「やだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」 アイジは擦れた声で叫んで、そのままゴホゴホと咳き込んだ。 咳が止まらない。 立ち止まって息を整えようとするが上手くいかないようだ。 「うー・・・ゴホゴホ。こー・・じー・・・ゴホゴホ・・・」 座り込んでしまったアイジを見かねて、KOJIは戻ってきた。 「大丈夫か?」 アイジは咳き込みながらもKOJIの服をぎゅっと掴んだ。 「行かないでぇ・・・ゴホ。来てくれたのに・・・ゴホ。なんでぇ・・・ゴホ」 KOJIはアイジの背中を擦る。 「ゆっくりでいいから。ここにいるから」 「寒いよぉ・・・」 見れば、アイジはかなり薄着だ。上着も置いて出てきてしまったらしい。 「さむい・・・」 そりゃそうだろう、ここは北海道。北の国。 とりあえず、KOJIはアイジを抱きしめた。 「どっか店でも入るか?」 「でも・・まだファンの子とか近くにいるから。入らないように言われてるし」 カタカタと震えるアイジをそのままにはしておけなくて。 「ホテルに戻ろう」 KOJIはタクシーを呼んだ。 みんな打ち上げに行ってしまったのだろう。 ホテルには誰も帰ってきてはいなかった。 すぐさまアイジを風呂に入れようとしたが、KOJIの服を掴んだまま離そうとしなかった。 「もう、帰らないから」 「やだ・・・」 聞き分けのないアイジは子どもみたいだ。 KOJIは毛布ですっぽり包んでやる。 アイジはうつむいたまま謝った。 「ごめん。・・せっかく来てくれたのに、なんかオレやったみたいで・・・」 その言葉に、KOJIは忘れていた先ほどの光景を思い出してしまった。 一瞬で不機嫌になるKOJI。 「KOJI?」 不安そうに目を上げるアイジ。 「べっつにぃー、気にしてないしー」 その目が怒っていた。 「なんで怒るの〜?」 KOJIは、アイジから顔を背ける。 「だから、お前が潤とお揃いのジャケット着て俺を出迎えようが、ステージでキリトに抱きつこうが、 そんなのは全然気にしてない。って言ってんの」 アイジはあっと声を上げた。 「あれは違うよ!その場のノリというか・・・。ねえ。ほら・・・。潤々ともキリトともそういうのじゃないし」 「オレは何?」 「KOJIとは・・・そういうの。かな」 「そういうのって何よ?」 KOJIは思わず笑ってしまった。 わたわたと動揺するアイジが可愛い。 「せっかくオフすっ飛ばして前ノリしたのに、この仕打ちかぁ〜て」 「ごめんなさい・・・」 アイジが小さな声で謝る。 「どうしよっかなぁ?コスプレでもしてもらおうかな。バドガールとか?」 「ああっ!ごめんなさい!!」 しっかり目撃されていたらしい。今日のライブで前列のバドガールコスを見ていたこと。 「ああいうの、好きなんだろ?ライブ忘れて見とれるくらいだから」 「あれは!目が離せなかっただけで、好みとかそういうんじゃなくて!」 「ふ〜ん・・・」 KOJIの怒りは解けないらしい。 「オレすっげぇ気分悪かったんだけど」 「はい」 「気持ちよくさせてよ」 「ええ!」 いきなりKOJに抱きつかれて耳を噛まれた。 「ちょっと待って。オレさっきライブ終わって疲れてるんだけど」 「ほどよくカラダがほぐれてるだろ」 「ほぐれるどころか、痛いんだけど!」 「オレの胸も痛い」 そう言われると、アイジはのしかかってくるKOJIを拒めない。 アイジが抵抗らしい抵抗をしないうちに、KOJIはアイジの服をはだけさせ手を滑り込ませた。 「ああっ。やあぁ。冷たっ・・・」 ゾクゾクとアイジの身体が震える。 「暴れんなよ。大人しくしてろ」 KOJIは、アイジの下穿きを全て取ってしまった。 Tシャツ一枚だけのアイジが、細い素足を晒していた。 「こーじ。これヤダ」 アイジの抗議も聞こえないフリで、KOJIはTシャツの・・・しかもツアーTというのが 色気もないが・・・上から胸のあたりを舌でくすぐる。 「あっ・・」 すぐに舌はアイジの乳首を探り当て、唇で挟んで浮き彫りになせる。 濡れたTシャツが張り付く不快感と、布越しのKOJIの愛撫に乳首が存在を示し始めた。 右に、左に口を寄せるKOJI。 「あんっ。・・やっ・・・」 「すげーたってきた。こっちもか?」 KOJIが右手を下に伸ばすと、ソコもしっかりと存在を主張していて・・・。 Tシャツから覗く白い脚とのコントラストが、息を呑むほど淫らだった。 「見ないでぇ」 顔を隠すアイジ。 KOJIはアイジの先端を弄りまわし、涌き出る液を後秘になすりつけた。そのまま周囲をもみほぐす。 「やぁ・・・。こーじ。ヤダヤダぁ」 アイジは、イヤイヤと首を振った 「お前なぁ。オレが強姦してるみたいじゃねーか」 指の動きを止めないままでKOJIは言った。 「だって〜」 アイジはすでに涙声になっている。 「初めてじゃあるまいし。もっと脚開けっての」 KOJIは、アイジの膝に手をかけて、脚を立たせて左右に大きく開かせた。 アイジが息を詰めるのがわかった。 しかし、いい加減我慢も限界のKOJIは、アイジの脚の間に身体を進める。 持ち上げようと膝裏に手をかけた時、アイジがウルウルと瞳を向けた。 「優しくしてっ」 ガクっとうなだれて、ベッドに手をつくKOJI。 ・・・なんだか一気に脱力してしまった。だから初夜じゃないんだから。 今更の物言いに、こころなしかアレも萎えてしまったような・・・。 しばし頭を抱えるKOJIに、アイジは不思議そうに声をかけた。 「どうしたの?」 「お前のせいだろーが!どうすんだ、これ」 アイジはついKOJIのモノを見てしまい、慌てて目を逸らせた。 なんだかヤル気もうせてしまったようだ。 KOJIはゴロっと横になった。 せっかく楽しい札幌の夜を期待してきたのに、散々すぎる。可哀相な自分。 「KOJI、まだ怒ってるの?」 「・・・なんか疲れた」 隣でアイジが動く気配がしたが、放っておいた。 目を閉じる。このまま眠ってしまおうかと思っていたところに、温かな息を下半身に感じた。 え?っと思って目を開けると、アイジがKOJIを口に含んでいた。 温かく柔らかいもので包まれる。目を伏せているアイジの横顔やら、上気した頬にできた窪みやら、その赤い唇から 覗くKOJIの・・・・・。 ズクっと血流が増加したのがわかった。 「・・んっ!」 膨らみ始めたKOJIを含みきれなくて、アイジはくぐもった声を漏らし口を離した。 今度は下から上へと舌を這わして嘗め回す。 アイジの唾液とKOJIの液が混ざり合って落ちて、KOJIの下腹部を濡らしていた。 しばらく舐めまわしていたアイジは、ソコから顔を離してKOJIを見た。 「・・・・・・」 KOJIは無言で動かず、アイジを見守る。 ゆっくりとした動作でアイジはKOJIをまたいで、視線を感じながらも腰を落としていった。 アイジの中を貫きながら、飲み込まれていくKOJI。 「ぅっ、ん・・・はあっ・・・ああぁっ・・」 熱く溶けていく。 じんわりと甘く痺れていく。 KOJIはアイジの腰に手を伸ばし、支えてやった。 全てを収めきってしまうと、アイジは前かがみになり、何度もKOIJIに口づけた。 それは、アイジからの催促。 早く欲しいのだ、と。 KOJIは軽く腰を揺らし、次いで望みのままに激しく中をかき回した。 「あんっ!・・・あっ・・・あんっ・・・ん、んんっ・・」 突き上げて、追い上げて。 KOJIに合わせてアイジも腰を揺らす。 身体の奥深いところから、ゾクゾクと這い上がってくるものがある。 「くる、よ・・・こーじ・・。くる」 アイジは背を弓なりに逸らして、身体全部で感じていた。 「もっと・・・もっと奥。ああぁ・・・」 「変えるぞ」 KOJIはアイジの腰に手を添えて、中に収めたまま組み敷く態勢に入れ替えた。 「はあっ・・・ううっ」 アイジの中を酷く抉って入れ替えに成功すると、そのままアイジの膝裏に手を添えて腰を持ち上げた。 「こーじ・・・。もう・・・」 言われなくてもこっちも限界。 KOJIは壊してしまいそうなほど激しく、突き上げた。 「ひゃあ。・・コージ!・・コージ・・・こーじ・・・」 何度もアイジはKOJIの名を叫んで、シーツを握りしめていた手を、KOJIの背に回してしがみつく。 頭の中で、強烈なライトが瞬いたみたいだ。 フツッ・・・・、と何かが切れる感じがした。 「見てみて、KOJI超キレー」 全面ガラスの窓から、街のイルミネーションが輝いていた。 ロマンチックなムードも満点、隣には恋人。 アイジは、はしゃいで窓からKOJIを振り返った。 まださっきの名残のけだるさに、KOJIはベッドにへばりついているというのに。 (ライブやって、その後であれだけやって・・・ウソだろ) アイジの体力が恐ろしい。 「お腹すいたー。何か食べたい」 「その前に服着ろよ」 アイジは、まだ全裸のままでホテルのメニュー表を取り上げている。 「えー、面倒だし、来たらKOJI受け取ってよ」 「お前が食べるんだろ」 「だってだるいしー。KOJIのせいじゃん。なんてね」 一人で言って、一人で照れてる。 KOJIは唖然とアイジを見ていた。 たまに、なんで自分がここにいるのか分からなくなる時がある。 こんなにワガママで、単純バカで、大食らいで、寂しがりやで、人のこと散々振り回して。 「なーに?そんなに見ないでよ。恥ずかしいじゃん」 えへへ、と頬を染めながらKOJIの隣に寄り添ってきた。 こんなところは可愛いと思うけれど、 「機嫌直った?許してくれる?ホントにキリトともなんともないんだからねっ!」 ・・・だから、蒸し返すなよ。 ムキになって言い訳するほど、KOJIの不機嫌度は上がっていくのだから。 KOJIはにっこり笑って、アイジの腰を抱き寄せた。 「さて、バドガールになってもらおうか」 「いやぁあああああああ!」 誰も知らない密室遊戯。 北の地にて、熱い夜を。 Fin |