|
心の中にある
|
|
現実が心の中にではなく、目の前に独自にあるように見えるのは、私たちが現実を見るたびごとに、以前に見た現実と同じ現実が、そこにあるからでしょう。厳密には、まったく同じ現実というものはないのですが、違いが識別できないために、同じだとみなしています。私たちの目の前の現実は、私たちの存在に関係なく、普遍的に、そこに、そのままにあると思っています。 私たちの観察行為で現れるこの世の現実は、五感と心が生み出しています。五感と心は、自我という「観察機器」の測定装置です。視覚は光を、聴覚は振動を、味覚と嗅覚は化学物質を、そして触覚は温度と圧力を測定しています。測定したその結果は、心が解析・総合をして、この世という現実をつくり上げています。私たちが見ている現実とは、五感と心による世界の想像図なのです。 世界の想像図は、記憶を元に描かれています。記憶は過去の記録ですが、未来の想像図も、過去の記録である記憶を元に描かれています。未来とは、過去の記憶を元にしてつくられた想像の世界です。過去の記憶で生まれた想像の世界という現実を生きる私たちは、自分のつくり上げた世界に生きています。 |