奥只見紅葉ツーリング

 wsrogo.gif (1651 バイト)

2001/10/20〜21

奥只見湖(銀山湖)

以前から、静水で漕いでみたいと思っていました。

ウィンドスターのツアーで、紅葉の奥只見に行くというので、

ご一緒させてもらうことに。

行き先は、新潟県と福島県の県境に位置する、奥只見湖。

初めての湖面に、期待も高まります。

 

〜1日目〜

  深夜2時。

ウィンドスターP社長(ウィンドスターオーナー)自ら、車で迎えに来てくれる。

僕の家の近所は道が狭く、カヤックを積んだ車が曲り切れないかも

知れないので、ファルトを背負って、幹線道路まで下りて行く。

久しぶりに背負ったけど、やっぱり重い!

仕事が終って帰って来たのが、23時で、いろいろと準備に忙しく、

結局一睡もせずの強行軍になってしまう。

途中、今回ご一緒する、大河原さん、下村さんと合流。

関越道に乗り、北に向かいます。

車にシーカヤックを載せていると、自動発券機は、

ワゴン車を、ワンボックスだか、トラックだと勘違いするらしく、

一段高い所に、発券されるのです。

P社長、苦労してましたね。見てるほうは、面白いんですけど。

§

うたた寝を繰り返しているうちに、夜は明け、石打SAに到着。

朝の腹ごしらえを済ませ、再び高速へ。

程なく、六日町IC到着。

国道17号で、濃霧の中、川沿いの道をゆく。

途中、コンビニで、昼食の買出しを済ませ、国道352にスイッチ。

趣味の域を出ないパン屋さん(民家の軒先でパンが売られているらしい)

を過ぎ、8kmほど程走ったところで、奥只見シルバーラインに入る。

全部走ると18kmもトンネルが続く、すごい道。

このシルバーラインの由来は、かつて賑わった銀山に因むもの。

お年よりが、大勢いるからという説もあるとかないとか。

でも、確かにシルバー世代の人は、たくさん居たような気が・・・

§

休憩ポイントである銀山平に到着。

O河原さんと共に100段近い急な階段を上ると、

そこには尾瀬三郎の真新しくて、白い像が立っています。

入れ替わり立ち代り、観光客がやって来ては、記念撮影をして去って行きます。

おじさま方に、当たり前の様に(僕は観光バスの添乗員ではありません!)

撮影を頼まれる。でも、あそこまで、あっけらかんと頼まれえると、逆に

「喜んで!」といった気持ちになるから不思議。

そんなに有名なのか、本当にみんな分かってるのか疑問に思います。

後で調べたところ、尾瀬三郎中納言 藤原房利という人物の像らしいです。

800年程前、ある女性を巡る争いの後、平清盛に京の都を追われ、

この地に流れ着いたといいます。

(詳細は、伝之助小屋のHPにて)

§

銀山平を過ぎると、車がすれ違う事も困難な山道が延々と続きます。

山からは沢水が流れ出ていて、道の上を流れて、谷に落ちてゆきます。

道中は、スケールの大きい、見事な紅葉に目を奪われっぱなし。

そうこうしているうちに、本日の宿である小白沢ヒュッテに到着。

が、しかし・・・。

宿のご主人は不在。

仕方なく、出航ポイントである尾瀬口乗り場まで、来た道を逆戻り。

車から、船3艇を水際まで降ろします。

夏場よりも、水面がだいぶ低くなっているらしく、

水際まで船を運ぶのは結構大変な作業でした。

その後、自分の船を組み立て、出航の準備。

§

いよいよ出発。

初めて(厳密には横浜の運河を漕いでいるので2回目)の静水。

波がないので、漕げば漕いだだけ船は前に進んでくれます。

聞こえるのは、パドルが水面を捉える音だけ。

とても静か。

湖面から見る360度パノラマの紅葉も見事。

緑、黄、橙、赤と、自然の織り成すみごとな油彩のような風景。

でも、ぼーっと漕いでいて迷子になるのは怖いです。

奥只見湖(銀山湖)は、手の平を広げたような複雑な水路を形成しているので、

迷い込むと、自分がどこに居るのか分からなくなるらしいので、要注意。

§

しばらく漕いだところで、昼食の時間。

切り立った壁のような岸辺ばかりの中、

入り江となった場所に、わずかな上陸ポイントがあります。

でも、このあたりは、熊が出没するらしいので、要注意なのです。

船から下り際に、足を水につけると、しびれるほどの冷たさ。

絶対に、沈などできないほど冷たい!

ハチの襲来があったり、正体不明の鳴き声(人の声?)が聞こえたりしたものの、

外で食事をするのは気持ちいいですね。

でも、寒い。ものすごく寒い。

入り江は、風の通り道になっているらしく、吹きっ曝しになる4人。

あまりに寒いので、早々に再出発することに。

§

強めの向かい風の中、360度パノラマ紅葉ツーリングは続きます。

このあたりから、睡魔との戦いが始まるのです。

ほとんど一睡もしていない身には、船の揺れが、

まるで、ゆりかごに揺られるように、心地よい。

そして、眠気に誘われる・・・。

漕ぐ手を休めると、睡魔に襲われ、船がぐらっと来て、我に返ります。

そのたびに、がーっと漕いで眠気を飛ばす。

でも、手を休めると、やっぱり眠い。

もう、漕いでるんだか、寝てるんだか分からない状態で、

ダムサイトに近い、今日の折り返し地点に到着。

ここから、来た道(?)を引き返すのです。

§

帰りも、漕ぎ半分、睡眠半分のよく分からない状態が続きます。

行きは向かい風だったので、帰りは追い風で楽できるねと

話していたのだけれども、さにあらず。

風の助けはなく、ひたすら漕ぐのみ。

P社長、O河原さんは、いいペースで前をゆき、僕とS村さんは、少しはなれて後に続きます。

今回で3回目の漕艇となるS村さん、少し辛そうでしたね。

眠いは、なかなか前に進まないはで、少し食傷気味の僕。

でも、ようやく出発地点が見え、ひと安心。

往復で、約9kmとは思えないほど、心地よい疲労感に包まれます。

湖から上がると、急に冷え込んできたので、

P社長の車に、急いで船を乗せ、小白沢ヒュッテに急行します。

§

ヒュッテに戻ると、今度はご主人と、猫のバカボンが出迎えてくれました。

ご主人がバカボンのパパに似ているから、飼い猫はバカボンだそうです。

早速、中に入り、ストーブで暖を取らせてもらうことに。

冷えた体には、ストーブの暖かさが染みますね。

小白沢ヒュッテの中は、こんな感じです。

ワイン、日本酒、輸入ビールなど、お酒の数は豊富です。

手作りのランプシェードなど、温もりのある雰囲気が素敵です。

ヒュッテの前には、いまだに現役の手回し式ガソリンスタンドがあります。

この付近には給油ポイントが少ないらしく、僕が見ている間にも、

足立ナンバーのデリカ氏が、ガス補給していました。

§

ここ奥只見湖は、別名銀山湖と言うそうです。

その名の通り、かつては一攫千金を夢見る人々があふれ返り、

ゴールドラッシュならぬシルバーラッシュで賑わったといいます。

宝永3年(1706)の落盤事故を契機に閉山。

その後、ダム完成に伴い、長い長い歴史に幕を降ろし、水底に沈んだ村。

今では、ただ地名を残すのみとなっています。

小白沢ヒュッテの中には、水に沈む前の村に暮らす人々の生活が、

モノクロ写真の中に切り取られています。

なんだか、感傷的になってしまいます。

§

風呂に入り、大人4人には、少し小さいコタツで寒さをしのいでいると、

空腹のせいで、おなかの虫は鳴きっぱなし。

もう限界、といったところで待ちに待った夕食の知らせ。

早速、食堂に急行。美味しそうな料理が湯気を上げています。

どんな料理が出たっけ? 

夢中で食べてしまったので、良く覚えていませんが、

トマトとチーズのオーブン焼き、鶏肉の煮付け(?)、

ジャーマンポテトなど、まるで居酒屋のようなメニュー。

とても美味しかった!

食後も長い時間、食卓に居座り、P社長、O河原さん、S村さんと共に、

楽しいひと時を過ごしました。

この日は、寝不足と漕ぎ疲れから、超熟睡。

誰かさんの寝言も聞こえませんでした。

 

〜2日目〜

出発前、小白沢ヒュッテ前の渓流に下りてみました。

下りる途中の林の中は、落ち葉の絨毯。

秋を感じさせてくれます。

あと数週間後には、雪に閉ざされた長い冬が訪れるそうです。

朝食は、伝統的な日本の食卓といった感じ。

アジの干物、生卵、海苔、アサリの味噌汁など、美味でした。

普段は、食パン一枚しか食べないのに、こういうところに来ると、

3杯もご飯を食べてしまうのはなぜ?

§

ご主人と猫のバカボンに見送られながら、宿を後にします。

2日目は、昨日通り過ぎて来た銀山平方面からの出航となりました。

大勢の観光船待ちの旅行者や、釣り人の好奇の目に曝されながらの出発。

下は出発準備中のS村さん。

1日目、午前と午後では、全然漕ぎ方が違ってました。

まだ3回目とは思えないほど。

上達が早いです。

漕いでいると、時折観光船もやって来ます。

観光客の皆さん、不思議そうな顔で、じーっとこちらを見つめています。

どう思われているのか興味津々です。

お互いにアクションを起こさないので、

にらめっこ状態ですれ違うのですが、少し後味が悪い感じ。

手でも振ってあげればよかったかな?

小1時間ほど漕いで、休憩&昼食。

昨日と同様に、わずかなポイントを見つけての上陸。

さっき、朝食を食べたばかりだけど、

小白沢ヒュッテのご主人お手製の弁当を頂きます。

にぎりめしと、おかずの卵焼き、焼いた鮭の切り身など、

シンプルながら、なかなか美味でした。

昨日の夜から、なんだかんだと食べてばかり。

漕いで、食べて、寝て、食べて、漕いで、食べて・・・

健康的ですね(?)

§

昼食後、出発地点に戻リます。

もうすぐ、今回のツーリングも終わりか・・・

一抹の寂しさを感じながら、銀山湖の流れ込みポイントへ。

軽く川上りを楽しんだ後、出発地点に上陸。

お疲れ様でした、みなさん。

これで、今回のツーリングは終わり。

この後は、船の片付け(畳んで、しまって・・・)が待っているのです。

ファルトって、めんどくさいなーと思う瞬間。

でも、次に乗るときには、また嬉々として組み立てている

自分が居たりします。懲りない奴です。

§

片付け後、野趣あふれる温泉と名高い(?)、丸太沢温泉へ。

でも、そこには入湯待ちの車の列あり。

あきらめて、シルバーラインを抜けたところにある

別の温泉(名前を忘れた)へ向かいます。

車中、心地よい眠気に襲われ・・・

気づいた頃には、シルバーラインの長いトンネルも抜け、

国道に戻って来てました。そして倒着。

冷えた体を温めるため、みんなで温泉へ。

湯船に浸かると、思わず「あー」とか「うー」とか

言ってしまいます。もう一人前のおっさんですね。

温泉から出てきて、P社長の一言。

「あー。ここが新潟だという現実・・・(意訳:東京まで遠いよなー)」

東京まで(さらには横浜まで)、お世話になります。

運転がんばって下さいね。

§

その後、アジア料理の店へ(また食べてる・・・)。

店内は、香辛料の香りに満ちています。

おばちゃんは、ちょっと愛想が悪くて、

おばちゃん「注文すんの?」

客「ごめんなさい、注文した私が悪うございました」

という雰囲気(?)だけど、料理はいけてます。

何を食べたっけ?

これまた夢中で食べてたので、メニューは良く覚えていませんが、

カレーとナン、タイ北部風春巻(?)、シシカバブ−サンド(?)など、

ちょっと辛いけど美味しい料理でした。

§

相変わらず、高い位置に発券されるインター入り口を経て関越へ。

帰りの関越は、渋滞している模様。

途中で、高速を降り、下道で渋滞ポイントを回避する作戦に出ます。

道を良く知ってるらしいんです、P社長って。

すいすいと、下道を行き、再び高速へ。

その後は、都内まで意識もうろう状態。

途中でO河原さん、S村さんとお別れ。

また、会いましょう!

自宅まで送ってもらい、P社長ともお別れ。

お疲れ様でした。

§

という訳で、今回のツーリングは幕を閉じました。

すばらしい、ツアーを企画してくれたP社長、

楽しいひと時を共有してくれたO河原さん、S村さんに感謝します。

 

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