千代川4時間耐久サイクル

筑波サーキット(2003.10.11)

バイク乗りの僕ですが、成り行きで自転車の耐久レースに出ることになってしまった。エントリー決断から、本番までは、わずか2週間しかない。会社の先輩から借りたロードレーサーで、休日、通勤を含め、200kmほど走りこんだが、不安を拭い去ることは出来なかった。短期間だけど、やれるだけやってみた。練習しすぎで、疲労が残っているのが失敗だが、あとは、なるようにしかならないだろう。

 

そして、本番当日…

天気予報では、レースの終盤付近で雨の予報。ロードレーサーのタイヤはスリックなので、雨が降ると滑るらしい。自転車で落車するとひどい目にあうので、雨は絶対に勘弁してほしい!

 

さて、ここで、今回のチャレンジメンバーを紹介しておこう。同じ会社の仲間で、笹原さん、谷本さん、渡辺さん、宮崎(ピットクルー)と、僕(田中)の5人体制である。チームは、笹原&田中、谷本&渡辺が、それぞれペアとなる。4時間の間に、適宜交代しながら走り続けるのだ。

 

16時過ぎ、ピットへの進入が許された。いよいよ、初めてのサーキット走行(試走)だ。

どきどきしながら、走り出す…。なんとも言えない、新鮮で、爽快な気持ち。

 

簡単にコース紹介しておこう。

…メインストレートを駆け抜け、第1コーナーに向かうと、緩やかな上りとなる。

上り切ったところで、大きく右にカーブし、下りに入る。ここは、最もスピードの出るところ。

長い下りで、軽く漕いでもトップスピード(40km/h以上)が出る。

下り切ったところで、左ヘアピンコーナー、同時に上りとなる。

短いストレート、右カーブを描きながら、ダンロップアーチを抜けるまで、上りは続く。

フラットで緩やかな左コーナーを抜け、右ヘアピンコーナーに入る。

その後、延々と続くかと思われる裏ストレート。途中にピットロードへの入り口がある。

最終の右コーナーを抜け、メインストレートへ…

 

一周約2km(正確には、2.07km)のコースを、これから何十周と走り続けるのか…。

ほんの2周走っただけだが、既に少し疲労を感じる。ペース配分が難しい。

 

17時半ごろ、ブリーフィングが始まる。

タイムの自動計測システムについての注意事項などが説明される。

緊張感は、徐々に高まってくる。

 

スタート時刻の18時が迫ってくる。僕が、一番走者なのである。

コースに入り、スターティンググリットに着くと、僕の少し前のグリットに、ひと際目を引く女性を発見。ミニのチャイナドレス姿なのだ。もちろん、サイクルパンツは穿いているが、なんちゅう格好しとんねんと思った。でも、後に、僕よりも全然速いツワモノであることが判明する。人を外見で判断してはいけません…

 

スタートの秒読みに入る。そばには、ペアを組む笹原さんが着いていてくれる。

「落ち着いて、レースを楽しんで!」

そして、運命のスタート。

スターティンググリットは、コース幅の両側に配置されている。スタートと同時に、コース両側から一気に合流し、ひとつの流れになって、レースが始まる。発動機を持たない自転車ならではの、静かなスタート。聞こえるのは、風の音と、「サー」というタイヤのロードノイズだけ。点滅するテールランプの赤い光が、とても幻想的で、自分が川の流れの一部になったような、不思議な感覚を味わう。

実際に走れば分かるが、レースの最中は、コースに沿って川の流れのように空気が流れているのだ。大きな集団の中では、大きく強い流れがあり、小さな集団の中では、小さく弱い流れがある。その流れをうまく利用して、体力の消耗を抑えるのだ。

最初の目標である30分を走り切り、ピットイン。笹原さんにバトンタッチした。すでに、体力を使い切ってしまった…

 

もう一組の谷本&渡辺組では、スタート直後に事件が起きていた…

詳しいことは、本人の名誉のために、あえて触れないが、深刻ではない笑える事件だった。

 

僕がピットインしてから、わずか20分後。笹原さんが戻ってきた。「えー、全然回復してないのにー!」と思ったが、仕方なく交代。ペースが落ちる前に、細かく交代するという作戦のようなのだ。気力を振り絞って走るが、第一コーナー手前の緩やかな坂が、すでに急坂に感じるほど消耗している。ラップタイムも、順位も一気に落ちてしまう。それでも、なんとか30分程は走り、ピットイン。「あー、もう走りたくない!」

 

そんな交代を8回ほど繰り返し、最後の40分を笹原さんに託した。微妙な時間帯だったが、ラスト30分はピットイン禁止なので、早めに交代したのだ。ただし、ちょっと余裕を見すぎて、笹原さんに負担をかけてしまったのは失敗。交代のタイミングは難しい…

とにかく、自分の走りが終わって、ほっとした。あとは応援するのみだ。

メインストレートを行くエントラント達を目で追うが、一瞬のことなので、誰が誰だか判別できない。自転車とはいえ、ロードレーサーはかなり速いのだ。なんとか、仲間を見つけ声援を送り続ける。

そして…

ついに、スタートから4時間が経過した。

64周、4時間2分18秒のレースが終わった…

ウィニングランが始まった。サーキット全体が笑顔に包まれた…。

 

たった2週間の練習で、無謀なチャレンジとなった今回の耐久レースだけど、出て良かった!

自分の足で稼いだ距離や、スピードは、車やバイクにはまるっきりかなわないけど、達成感は十二分。

自転車に限らず、どんなスポーツにも言えることだけど、一朝一夕には成らずということ。レースは、日々の積み重ね=ライフスタイルのぶつかり合いの場なのだ。

 

というわけで、皆さん、お疲れ様でした。宮崎君、ヘルプありがとう!

来年は、もう少し練習を積んでチャレンジします。多分…。

 

一応結果報告。参加組数256組中で…

笹原&田中組 141位(周回数64)

谷本&渡辺組 191位(周回数60)

ちなみに、トップの周回数は80周!

でも、楽しめれば、それでいいのです。

 

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