TB53 春風 
番外編 
同じフネに10年も乗っていれば、たまにはトラブルに見舞われることもあります。 
その1_プロペラシャフトが折れた 
2002年5月、このフネを買ってすぐに筒井さんとカツオ釣りに出た。出港して沖合い10マイルぐらいまで出たところで、エンジンは1800回転で回っているのにフネが止まってしまった。すわっ、ミッションが壊れたのかと思ってエンジンルームを覗くが、シャフトは回っている。
ということはペラが脱落したのかと思ったが、実はスタンチューブのところで直径80mmの砲金製シャフトが折れていたことが後で分かった。
前のオーナーがあまりフネを動かさなかったので、水漏れ防止のためにスタンチューブを強く締めていて、これに気づかずに走ってシャフトが焼け切れた。幸い折れた先のシャフトは脱落しなかったのでペラは再利用することができた。
それにしても沖合い10マイルで動きが取れなくなって、携帯電話で何人かの知人に助けを求めるが、皆、電話が通じない。
仕方なく筒井さんが「こちら22号。。」と漁業無線で助けを求めた(22号は筒井さんのツーツーをもじった呼称)。
そしたら無線交信は騒然となり、4隻もの漁船が救助に駆けつけてくれた。
結局2隻の漁船に曳航してもらい、もう1隻が先導して深谷水道を抜け、無事に筒井ボートまでたどり着いた。
地元の漁師さんは親切で、酒1本しか受け取ってもらえなかった。すみませんでした。
シャフトはステンレス製のものに取り替えた。

その2_アンカーチェーンを巻いた 
2003年12月、一人で出船しようとして後進をかけたら、横風に流されて隣のフネ(53ft)のアンカーロープを巻き込んだ。
ロープだけじゃなく、アンカーチェーンも巻き込んだ。ペラを逆転させて、ほどこうとしたらますます巻き込んで写真の状態に。
ペラの上部にマンホールと呼ばれるスカッパがあり、船上からそこを開けてロープだけなら柄の付いたカッターで切ることができるが、チェーンは無理。 しかもチェーンの先にはでかいアンカーが効いていた。
仕方なくサンファンの春秋用5mm厚のウエットスーツを着て海に潜るが、水温は隣の真珠の養殖屋さん測定で10℃だった。
カッキーンッ!カキ氷食べすぎ状態みたいで、頭を水に漬けるのが怖かった。デカプリオのタイタニックでの活躍は絶対ウソや。。
それでもペラの下まで潜って、ペラから4m以上離れたところでチェーンに細いロープを結んだ。
そのロープを船上から引き上げて、チェーンも引き上げて、電動グラインダーでチェーンを切断した。
ここまで全部一人でやって、漸くフネと海底との縁を切って、後は筒井ボートに連絡して造船所まで曳航してもらい上架した(写真)。
寒かった〜。。

その3_沖でバッテリーがあがった 
春風には130Aのバッテリーを4基積んでいるが少し古くなって弱っていた。しかもダイナモのVベルトが切れているのに気づかずに出船。
布施田水道で一人でタイの係り釣りをして、魚探を点けっぱなしにしていたが、さて帰ろうとしたらエンジンのセルモーターがカチ、カチッとしか言わない。そう、魚探は案外と電力を喰うのです。
V8、750馬力のエンジンを手動で起動するのは不可能だから、携帯で筒井さんに助けを求めた。
森田丸と筒井さんが150Aのバッテリーと10mぐらいのブースターケーブル持参で来てくれて、波高1m程度の海上で春風のセルモーターに電力供給。。一発始動でした。
森田丸さん、筒井さん、すいませんでした。