虹色の上海〜蘇州
 
蘇州
 
 
Suzhou
 

  上海から車で2時間。古典庭園と運河が有名な、江南を代表する古都。年配の方には「蘇州夜曲」でもおなじみですね。近年は工業団地の開発が目覚しく、日系メーカーの進出も相次いでいます。  

 
拙政園
 


  中国四大庭園のひとつにも数えられる、蘇州を代表する名園。清代の古典小説「紅楼夢」の舞台とも言われています。  

       
 
記念写真
まずは入口でお約束のポーズ。と思ったら、団体さんが次から次へとやってきて、撮影場所を占拠していきました。人波が切れるまで待っての一枚。
 
護美箱
順路のあちこちに同じような陶製のカエルの置物が。なんとゴミ箱です。造形的にもちょっとアートっぽい。こういうところに芸が細かい観光地って良いですよね。
 
二胡
休憩所の一角に、二胡を奏でる初老の男性がいました。芸人ではなく、まったくの一般人です。ハマリすぎと思いつつ、あまりに自然なその姿に感動した一枚。
 

   
江南の春
咲き乱れる花々、降り注ぐ木漏れ陽、吹き抜けるそよ風、その合間を縫って響き渡る鳥のさえずり。天国があるとしたら、きっとこんな景色なのでしょう。多くの詩に詠われた「江南の春」がどのようなものであったか、実感としてわかる気がします。美しいものに囲まれた心豊かな時間。
   

       
 
アーケード?
特に意味はないんでしょうけど、歩道の上にアーケードがかけてありました。こういうのを見つけると、ついくぐりたくなっちゃいます。何か得した気分になるから不思議。
 
ベストポイント
「ぜひ撮っておけ」とガイドさんから強く勧められたのがこの場所。この日はあいにく曇り空でしたが、晴れていると背景に北寺塔も見えて、素晴らしい借景になるそうです。
 
明代建築
四角を多用する「華北=清」とは好対照に、「江南=明」の建築は円をモチーフに使っています。そういえば上海の都市計画も碁盤の目ではなく楕円です。
 

 
虎丘
 


  街の北西にある小高い丘。春秋時代の呉王の墓があると言い伝えられているほか、怪しげな伝説がいくつも語られています。  

       
 
千人石
伝説その1。晋代に、高僧の説法を聞くために、千人もの人々がこの岩の上に集まりましたとさ。確かに、周りの広場も併せれば千人くらいは集まれる広さです。
 
剣池
伝説その2。呉王の墓はこの池の下に三千本の名剣とともに埋められているとさ。秦の始皇帝や呉の孫権は試しに掘り返してみたそうで、その話自体がもはや伝説です。
 
雲岩寺塔
丘の頂上に建つ八角形の七重の塔。1000年以上前の造営ですが、400年ほど前から傾き始めました。近づいて見ると、壁の煉瓦が土台にめり込んでいるのがわかります。
 

     
中国版「ピサの斜塔」
で、その雲岩寺塔の全貌を、ちょっと引いた位置からカメラに収めてみました。意識してファインダーを傾けたわけではありません。見たままです。今にもメリメリと音を立てて倒れてきそうです。昔は建物の中に入れたそうですが、これでは進入禁止になるのも止むを得ません。というか、禁止してくれないと危なくて仕方ありません。400年近く放っておいたことの方が驚きです。補強方法としては、つっかえ棒ではなく、基壇をコンクリートで固定させています。「それでも長い命じゃないね」とガイドさんは言っていましたが、私もそう思います。
     

 
寒山寺
 


  月落烏啼霜満天、江楓漁火対愁眠、姑蘇城外寒山寺、夜半鐘聲到客船。かの有名な七言絶句、張継の「楓橋夜泊」の舞台です。  

   
五重塔
唐代創建の臨済宗の古刹、寒山寺。境内は禅の様式に従い、簡素を旨とした落ち着いた空間となっています。そんな中でひときわ目立つのがこの五重塔。周囲も寺社町といった感じで高い建物がないため、ランドマーク的な存在となっているようです。奈良の薬師寺にどこか雰囲気が似ている気がしないでもありません。香の煙に誘われながら砂利を踏みしめ歩いていると、「寺に来たな」という気分が盛り上がってきます。
 
運河
蘇州は運河の街。道路と同じように、水路が街の至るところを碁盤の目状に巡っています。世界遺産への登録を機に市政府も力を入れ始めたようで、運河を改修したり新設したりする工事があちらこちらで進められていました。そんな運河のほとりに観光用と思しき一艘の屋形船(?)が停泊中。緋毛氈を引いた荷台に、寒山寺をイメージしたのか五重塔などのオブジェ。ミスマッチかと思いきや、これがなかなか風流でイイ感じでした。
   

       
 
青空書店
参道の一角に本が並べてありました。日本のように週刊誌やムックなどではなく、百科事典などの大型本や専門書です。さすが書の国。文化の違いを感じます。
 
老木と東屋
境内には休憩所があって、訪れた人々の憩いの場になっています。木も幹は太いわ枝は曲がっているわ、かなりの年季を感じさせます。
 
幸せの鐘
寒山寺の鐘は「一回突くと10歳若返る」という触れ込みのため大人気。大晦日には日本から除夜の鐘ツアーがあるそうです。みんな煩悩だらけってことだな。
 


   

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