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今月退社する人間も、わが社に在籍していたのは、3カ月と20日である。彼は、自分 の気持ちや仕事上の間題点を誰かに相談するわけでもなく、自分の意見を言うわけでもな く、発生した間題を白分の内部でのみ処理し、結論を出し退社していくのである。
彼らを見ていると、非常に問題解決能力が乏しいように思えてしまう。白分が解決しな ければならない間題に直面した時、それを乗り越えようとするのではなく、あっさりとす ぐ回避してしまうのである。自分が、やなことには対時せず、違う道を選択しそこに新た な可能性があると思ってしまうのである。そして、いつまでも同じところをさまようこと になってしまうのである。
彼らの弱さは「ベル友」と言われる現象にもあらわれている。「ベル友」とは、ポケベ ルでしか付き合わない友達のことだそうである。ポケベルを友達との連絡の手段として使 うのではなく、その友達とは、ポケベルでしか付き合わないそうである。彼らは最初は、 ポケベルを買ったのだから、連絡が入らないとつまらないと恩って、「ベル友」を募葉す るらしいのだが、そのうち、ポケベルだけで付き合うほうが楽だと気付くそうである。
彼らにとっては、深い人間関係はわずらわしさになってしまうのである。人間同士が深 い付き合いになれば、当然、いろんな間題が出てくるし、その問題の解決を通じて、より 理解しあえるのだが、彼らには、その間題がわずらわしく感じるし、その間題から逃げて しまうのである。
このあたりの状況をまのあたりにしたい人は、ぜひ、今年創刊された個人情報詰「じゃ まーる」を見てもらいたい。ここには、バンド伸間募葉とかもあるが、「ベル友募葉」と か「親友募集」とかの記事が非常に多いのである。
しかし、彼らが、本当に人間的なつながりを拒否しているのかと言えぱ、決してそうで はない。「じゃまーる」に親友募集という記事が多いように、本当は、深い人間的なつな がりを求めているのである。このギャップが拡大していくと、どうなってしまうのか。お じさんには想像がつかない。なんか、非常に変な事件が起きそうなきがする。
もちろん、彼らのすべてがそうだと言うつもりもないし、今までのように終身雇用のも と、いやなこともすべて我慢し、会社にしがみつくという生き方がいいというつもりもな い。終身雇用がくずれ、織業選択の幅がひろがりつつあることはいい傾向なのだが、この 移行期の矛盾が今後どう表面化していくのか、おじさんは、ちょっと怖くなってしまうの であった。