おじさんのたわごと

ちたろー


今年1年間を通じて、15人の新入社員が人社した。そして、そのうちひとりが、 12月20日をもって退社しようとしている。わたしは、総務関係の仕事をしているので、 新入社貝にはひととおり接することになるのだが、その多くが「プータロー」。今風に言う のならば「フリーターlなのである。履歴書を見ると、どこかの会社に入社しても、3カ 月たらずで退社し、その後は「フリーター」。または、派遣社員&アルバイトというのが 多くのパターンである。自分のやりたいことをするために、積極的に仕事をかわるのであれ ば、まだ埋解できるのだが、どうも、真相は違うようである。

今月退社する人間も、わが社に在籍していたのは、3カ月と20日である。彼は、自分 の気持ちや仕事上の間題点を誰かに相談するわけでもなく、自分の意見を言うわけでもな く、発生した間題を白分の内部でのみ処理し、結論を出し退社していくのである。

彼らを見ていると、非常に問題解決能力が乏しいように思えてしまう。白分が解決しな ければならない間題に直面した時、それを乗り越えようとするのではなく、あっさりとす ぐ回避してしまうのである。自分が、やなことには対時せず、違う道を選択しそこに新た な可能性があると思ってしまうのである。そして、いつまでも同じところをさまようこと になってしまうのである。

彼らの弱さは「ベル友」と言われる現象にもあらわれている。「ベル友」とは、ポケベ ルでしか付き合わない友達のことだそうである。ポケベルを友達との連絡の手段として使 うのではなく、その友達とは、ポケベルでしか付き合わないそうである。彼らは最初は、 ポケベルを買ったのだから、連絡が入らないとつまらないと恩って、「ベル友」を募葉す るらしいのだが、そのうち、ポケベルだけで付き合うほうが楽だと気付くそうである。

彼らにとっては、深い人間関係はわずらわしさになってしまうのである。人間同士が深 い付き合いになれば、当然、いろんな間題が出てくるし、その問題の解決を通じて、より 理解しあえるのだが、彼らには、その間題がわずらわしく感じるし、その間題から逃げて しまうのである。

このあたりの状況をまのあたりにしたい人は、ぜひ、今年創刊された個人情報詰「じゃ まーる」を見てもらいたい。ここには、バンド伸間募葉とかもあるが、「ベル友募葉」と か「親友募集」とかの記事が非常に多いのである。

しかし、彼らが、本当に人間的なつながりを拒否しているのかと言えぱ、決してそうで はない。「じゃまーる」に親友募集という記事が多いように、本当は、深い人間的なつな がりを求めているのである。このギャップが拡大していくと、どうなってしまうのか。お じさんには想像がつかない。なんか、非常に変な事件が起きそうなきがする。

もちろん、彼らのすべてがそうだと言うつもりもないし、今までのように終身雇用のも と、いやなこともすべて我慢し、会社にしがみつくという生き方がいいというつもりもな い。終身雇用がくずれ、織業選択の幅がひろがりつつあることはいい傾向なのだが、この 移行期の矛盾が今後どう表面化していくのか、おじさんは、ちょっと怖くなってしまうの であった。

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