プラスターボード下地に〈PS〉を施工する場合

ペーストタイプは接着力が強いため、プラスターボード下地に施工する場合は、下塗り(エコ・クィーン専用下塗材NGUを全面に塗る)作業を省くことができます。
ただし、ボードの目地処理に手間がかかります。
※施工時間を短縮したい人は、下塗り(NGUを施工)したほうがいいですよ。

なお、クロスを剥がしたプラスターボードの場合は、下塗りが必要です。下塗り無しで施工すると、ボードジョイント部に塗られているクロス用のパテ部で色ムラが起きます。


【下地処理の手順】
1. 照明器具やコンセントプレートが取り付けられている場合は外します(ビニールクロス下地の施工方法参照)

2. 養生・マスキング作業

3. 石こう部分の吸水抑え

まず、ボードジョイント部、そして、コーナー部(出隅、入隅)をよく見てください。
ボードが裁断されて付き合わされている場合、ボードの中身の石こうが丸見えになっているはずです。中身の石こうが見えている部分は、すごく吸水しますから、水性シーラーを石こう部分にしっかり塗って吸水抑えをしなければなりません。
刷毛で1回通すだけでは不十分ではないかと、私は思っていますので、1回たっぷりしみ込ませた後、しばらく時間をおいてから再度シーラーを塗るようにしています。
コーナー部は、ボードの合わせ目からシーラーをしみ込ませる感じで塗ります。ここはそんなに神経質にならなくてもかまいません(大きなすき間がない限り)。
厳密に言えばビス穴凹みも石こうが少し見えていますが、色ムラ等の不具合は出ませんので、吸水抑えの処理は不要です。

4. 吸水抑えのシーラーが乾燥してから、ジョイント部のV字溝とビス穴凹み(プラスターボード面に打たれているビス穴すべて)にペーストタイプ〈PS〉を塗り込みます。ボード面と平滑になるように。

▼〈PS〉を少量コテ板の上に絞り出して、ボード面にあるビス穴凹みに埋めていきます。
ボード面より出ている材料はしごき取って、ボード面と平滑になるようにします。

▼ジョイント部のV字溝に〈PS〉を埋めます。
▼ボード面と平滑になるよう余分な材料はしっかりしごき取ります。
5. 上記4.で埋めた材料が乾燥したら、ファイバーテープを貼ります。
ファイバーテープはたるんだり、浮き上がったりしないよう、しっかりと密着させておくことが大事です。施工面から浮き上がっていると、仕上げ面に出てしまいます。また、出っぱったコーナー部(出隅)に折り曲げて貼ったファイバーテープはテープの弾力で剥がれてきやすいので、タッカーで留めておくとよいでしょう。

▲ファイバーテープを上図のように貼ります(図にはありませんが、出隅がある場合は、出隅部にも貼る)。
6. ファイバーテープの目を塗りつぶす

〈PS〉は肉ヤセが大きい材料ですので、ファイバーテープの目が仕上げ面に現れてしまうことがあります(塗り厚が薄すぎたり、壁材に水を加えて柔らかくして塗ったときなどに起こりやすい)。これを避けるため、ファイバーテープの上から〈PS〉をしごき塗りをしてファイバーテープの目を塗りつぶしておきます。

※厚く塗りすぎないように! 必ず、余分な材料をしごき取ること。

▲ファイバーテープを塗りつぶし・・・
▲余分な材料をしっかりしごき取る!
▲こんな感じになるように
▲乾いた状態。V字溝部の肉ヤセもなく平滑になりました。

7. 目地処理した部分の吸水抑え(シーラーを塗る)

ファイバーテープの目を塗りつぶした所に水性シーラーを塗って吸水抑えをします。

ビス穴凹みにはシーラーは塗らなくてもいいと思います。ただし、仕上げ塗りの塗り厚みが極端に薄すぎたりすると、ビス穴凹み部分で色味が薄くなる可能性はあります。心配な場合は、ビス穴凹みの所にもチョンチョンとシーラーを塗っておきます。

▲ファイバーテープの巾でシーラーを塗っているところです。

以上で下地処理は完了です。
シーラーが乾いたら仕上げ塗りに取りかかってください。

▼目地処理を手抜きすると、こんな不具合がおきます。
▲吸水抑えのシーラーを省いたために、ジョイント部で色ムラが出てしまった例
▲ボードが裁断されて中の石こうが見えている部分の吸水抑えと
ファイバーテープの目を塗りつぶす作業を省いたことが原因です。
ボードジョイント部のV字溝部分で『肉盛り』と『色ムラ』が起き、
ファイバーテープの目が、〈PS〉の乾燥収縮によって
仕上げ面に現れてしまっています。

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