地球は半径約6370kmのほぼ球状の天体である。しかしその内部を直接調査することは困難であったために、内部構造を知るために古くから地震波が利用されてきた。ユーゴスラビアの地震学者であったモホロビチッチは震源の浅い地震の走時曲線を比較研究していた。走時曲線とは各地震の震央から観測点までの距離を横軸に、地震波到達時間を縦軸にとったグラフである。地球の内部が均質な構造を持っているのであれば、走時曲線は滑らかな曲線となるが、実際の観測結果からは地震波の伝播速度は地表から30〜40km(後の研究から海底では6〜7km)の深度で秒速約6〜7kmから秒速約8kmにまで不連続に増大していることが分かった。ここからモホロビチッチは地球が地震波速度の比較的遅い上部層と、その下の地震波速度が比較的速い下部層からなることを発見した。1909年のことである。上部層となる地球表面を覆う流動性のない固体部分を地殻、地殻の下にあって流動性を持つ部分をマントルと呼ぶ。この地殻とマントルの不連続な境界面が発見者の名をとり、モホロビチッチ不連続面と呼ばれているのである。
地震波の速度の変化については諸説あるが、地殻底部が玄武岩質岩石からなり(地殻上部は花崗岩質岩石が主)、一方マントルがかんらん石を主とする岩石からなるため(即ち地殻とマントルではその構成素材が異なるために、地震波の伝播速度に差が生じる)とするのが現在、最も一般的である。
その後の研究から地球の成層構造が地殻、マントル、地核の三層に大きく分類できることが分かっているが、各層を特に上下ふたつの層に分けて呼ぶこともある。マントルはモホロビチッチ不連続面から深さ約2900kmまでに位置する流動性を有した岩石で地球の容積全体の80%を占めている。いわゆるマグマとは異なり、固体のままで流動していると考えられている。また地核はマントル以下の部分で、地球の中心部である。地震波の記録、高温高圧実験の結果と隕石のもたらす情報を統合すると、鉄、ニッケルなどからなると思われ、液状の外核と固体状の内核からなる。しかしこれらもまたマグマの実態とは異なる。ちなみにマグマとは地下で生じる高温で融解状態にある岩石のことであり、これが冷却、固結することで諸々の火成岩となる。マントルの主な構成要素をマグマとするのは誤りであるが、マントルや地殻、あるいは地核にマグマは散在しており、時折噴火現象などによって地表に噴出することがあるのは周知の通りである。
近年観測技術の発達や、それにともなう高精度のデータの充実から地球内部の三次元的な不均質構造が推定されるようになってきた。以上のような地震波の速度構造の不均質は、温度分布に置き換えることが可能となることが分かってきており、それらはマントルの対流運動を反映していると考えられている。また深水深用ライザー装置の開発によって比較的薄い海洋性地殻を掘削し、マントル層の直接調査を行う計画も進行中である。高温高圧のマントル層は人類にとって苛酷な環境であり、文字通り前人未到の秘境なのである。
ZX−05脊椎原種は万里の長城と融合し、得た身体を地表に対して直立させ、地球衛星軌道高度からモホロビチッチ不連続面を貫通する深度に至るまでの長大な塔と化し、GGG本部たるオービットベースを地下から得たマグマエネルギィによって直接攻撃する意図を示したが、オービットベースのPSシステムによる堅固な防壁と、GGG機動部隊、そして当時軍事教練を終え、実戦配備されたばかりの中国人民軍所属ビークルロボ、風龍、雷龍の活躍により撃破された。しかし、その本体はマントル層へと逃亡したためGGGでは追跡が不可能となったが、マントル層内部で待機していたJアークがこれを捕捉、戦闘の末撃破し原種核を回収、戒道少年の手によって浄解された。