Gクリスタル

 機界昇華の終結に伴ない滅びた三重連太陽系に残された「カインの遺産」の一つ。おそらく緑の星の衛星軌道上に建造されたが、パスキューマシンの暴走事故によって複製された月と衝突し、半ば埋没していた。ギャレオンや全てのジェネシックマシンの産まれた場所であり、専用の整備調整格納庫でもある。Gストーンの原石とも言われ、それと同様の材質で構成された複雑きわまる構造の建造物であり、ギャレオン及びジェネシックマシンへのエネルギィ充填、およびプログラムの調整を行う事ができる。しかしそれが可能なのは、生まれ持ったその能力によってGストーンとGパワーを制御する事のできるカインとその子・ラティオ、すなわち天海護少年のみである。
 Gクリスタルはそれ自体が鉱石の集合体であると同時に、建造物であり、その構造を回路とした超巨大なシステムプログラムであり、そしてエネルギィプラントである。そしてそこに蓄えられたジェネシックオーラは、三重連太陽系の消滅と共に活動を開始したソール11遊星種に対して絶対的な性質を持っており、彼等の動力源がラウドGストーンである限り、遊星種はGクリスタルに対して決定的な攻撃を加える事ができない、絶対無敵の要塞なのである。
 機界新種との戦いののち、三重連太陽系を訪れたマモル少年はそこで遊星種と遭遇。ギャレオンに導かれるままにこのGクリスタルに入り、そして彼はそこで「真実を知った」と語っている。彼はその真実に従って遊星種との孤独な戦いを開始したのである。それは遊星種やその尖兵と直接戦う事であり、そして地球における戦いで本来とは異なる使い方をされたギャレオンに、本来の使命、本来の役割を取り戻させる為にそのプログラムを修復する事だった。
 三重連太陽系に複製された地球衛星軌道上の一連の戦いにおいて、傷ついたジェイアークから脱出したマモル少年とミコトはGクリスタルにおいて最後の切り札にして対遊星種において最強の存在である「本来のギャレオン」の起動を急ぐが、「本来のギャレオン」の覚醒寸前に生じるジェネシックオーラの消失に乗じた遊星種の攻撃によりGクリスタルは完全に破壊された。しかし内部に眠っていたギャレオンとジェネシックマシンの覚醒は成功し、遊星種に対する総反攻の契機となっていく。