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2003/AUGUST&SEPTEMBER


9/18/2/イチローはスランプなの?
今度は海の向こうの野球の話。
マスコミ各社はマリナーズ、イチローがスランプに陥っていると書き立てているが、本当にスランプなんだろうか?9/18現在、イチロー君の打率は.309、シ−ズンヒット数は196。首位アスレティックスとの差は5ゲーム。まあ、この時期に来ての5ゲームは、ちょっとキツイかな?でもさ、残り試合数を考えると、なんだかんだ言いながら今シ−ズンも200安打は確実だろう。そう考えるとさ、確かに巡り合わせは上手く行っていないけれど、イチロー自身はさほど深刻なスランプだとは、思えないんだよね。チ−ム全体が少しピークを過ぎてしまった感じが強い。むしろ憂れうべきは、佐々木でしょう。
佐々木の場合、復数年契約でなんとなく緊張感から遠い所にいて、自宅でカバンにつまづいて転んで肋骨骨折でしょう。ちょっとねえ・・・。球のキレで勝負する人間が、アバラをやってしまうと体が回転出来なくなるからねえ。投げれないよね。でも復数年だから年棒は下がらないんだものなあ。その分、長谷川が頑張っているけれど、彼はまさしく今がピークな気がする。そうすると来年は、マリナーズのメンバーも様変わりするような気がするよね。つまりさ、イチロー一人がスランプな訳でなくて、マリナーズそのもののスランプなんだと思うんだよね。と、言うか地力が不足している感じだよね。

9/18/虎キチ伝その2
まあ、そういう訳で優勝してしまいました。でもね、やっぱり旧知のタイガースファンは、ちょっと複雑な思いの方が多いみたいね。うれしくないわけではないけれど、なんだかず〜〜〜と付き合っていた素朴な彼女が、急にケバクなってしまったような・・・、あるいは、メガネかけてた地味な子が急にコンタクトに変えて、人気急上昇!みたいな感じかな?
とまれ、実はシ−ズン途中から冷めて見ている人が多かったように思います。勝っているタイガ−スを見ていても心の中で「こんなはずじゃない!」「こんなことがあっていいはずがない!」「きっと明日から連敗記録が始まるに違いない!」旧知の生粋の「タイガースファン」は、そんな事を考えていたのじゃないでしょうか?
しかし、糞尿成分に飛び込んだ人たちが 5300人。いいのか?それで!
しかも昨日は押されて飛び込んで死んじゃったやつまで出て来てしまうし、ウムムであります。ところで5300人も飛び込んじゃうならさ、その人たちが前もって、掃除するなり、何なりすりゃ良かったんじゃないの?それだけの人間が一致団結して人海戦術で清掃、浄化に取り組んでいたら、道頓堀もグッと綺麗になると思うんだけれどなあ!それにさ、飛び込む事は前もって分かってるんだからさ、大阪府もシ−ズン途中から飛び込む事を前提とした川の浄化運動だとか、何かは出来なかったのかね。要するにさ、「きっかけ」で良いと思うんだよね。下の日記にも書いてある通り、検査やゴミさらいはしたんだけれど、根本的な解決になっていない訳でしょう。でも結果として5300人もの人間が飛び込んでいる事実があるのだから、生命に危険な状況を改善すべきだよね。臨時予算を組んでもね。大体街中に糞尿の成分の臭い河がデンと居座っていると言うのはいかがなものでしょうかねえ?
ちなみにこの道頓堀は元々、秀吉の時代に人工的に作られた水路であって、たしか何とか言う商人が大金を投じて整備した。なんて話があったようにも思うんだけれどさ。東京みたいに臭いから蓋してしまうのではなくて、せっかくの歴史的な文化的な施設なんだからさ、綺麗にした方がいいんじゃないのかな?そしたらケンタッキーのカーネルおじさんも出てくると思うんだけれどねえ。
ところであのハッピ着ていた人たちが、皆、青いTシャツ着ている状況が今のジャパンのサポ−ターに見えてしまうのは、僕だけなのかなあ?正味、充分フーリガンだよね。

9/05/2/虎キチ伝
何も今年優勝しそうだから発言しちゃう訳ではないが、僕はタイガースファンである。タイガースファンではあるが、阪神ファンではない。そこには若干の違いがあると思うのだが、メンドくさいので説明は省く。しかし、僕はタイガースファンになってから二度の優勝を知っている四十代前半としては、希有のタイガースファンであると思う。一度目の優勝をなぜ記憶しているのかと言うと、当時父親が、スポ−ツ新聞に挿し絵を描いていた関係で盛り上がっていた訳だ(これがスゴイのよ。当時はファックスもなければ、最後までの中継もないでしょう。だから、現場(球場)で描く訳。ところが、最終回が終わってからだと新聞の入稿に間に合わない。そこで6か7回時点で想像して描いてしまう。その結果、最終回逆転満塁HRなんざ出てしまった時には大慌てで差し換えるみたいな事が多々あったみたいね)とまれ、物心がつき始めた最初の頃の記憶と言って良い。
二度目の優勝は結婚した頃だったかなあ。それまでは会社勤めの近所に球場があったから、よく観に行っていた。でも「優勝だ!」と盛り上がり始めた頃から僕は球場に行かなくなったんだ。(実はサッカー観戦に関しても同じ事が言えるんだけれどね)
その大きな理由は応援方法にある。あの画一的なプラバットガシガシ、カットバセェ〜〜〜XXX!っていうのが体質に合わなかったのね。そもそもそれまでのタイガースファンの 球場での楽しみは「ヤジる事」であった。と断言してしまう。しかも相手の選手をヤジるのではなく、タイガースの選手をヤジるのである。球場で直接「監督批判」をするのである。応援に来ている「虎キチ」は皆独自の観察眼と主体性を持ち、タイガースという球団に関して意見を持って表現するのが、タノシミだったのである。それこそが他球団にはないタイガース独自のサポーター?の在り方であったと思うのである。しかし、あの画一的な応援は「個」を無視する。応援者一人一人の「個」はもちろんであるが(ヤジったらケンカになりそうだったもんね)選手の「個」も無視するのである。どう考えても「送りバント」のケースでも「カットバセェ〜〜〜!」である。投手が打者でも「カットバセェ〜〜!」である。HR打った事がなく、打つ意志もない選手にも「カットバセェ〜〜!」である。どうなのそれ?バッターボックスの中の選手としてはやりきれないと思わない?「俺だって打ちてえよ!でもサインがバントなんだからよゥ、仕方ねえだろ!」てなもんである。
どんなスポーツでもそうだけれど、観戦者であっても参戦者でありたいと思う。次にどんな場面が来るのか?そうしたらどんな作戦で行こうか?常に試合の中に参加して「ヨミながら」観たいのである。だからこそ「ヤジ」が出るのだ。そしてその「ヤジ」に共感してくれる観戦者も出てくる訳だ。それが今の球場にはない。なんだか「野球観戦付きビヤガーデン」状況みたいな感じなのだ。正直に言う「僕はイヤ!」
サッカーの観戦でもそれはある。応援するチームがボールを相手サイドの持ち込んだとしても、それだけで熱狂するサポーターと一緒には居ずらい。相手のデフェンスラインを崩した時に、たとえそれが得点にならなかったとしても熱狂と拍手を送りたい。味方チームの選手の凡プレーにはキチっとブーイングしたい。相手の得点でも、局面局面のプレーでも良いプレーには、賛辞を送りたい。それが僕の考える正しい「サポーター像」である。だって、所詮スポーツなんだからさ。されどスポーツなんだけれどね。
さてさて 、とまれタイガースのマジックは「7」もうまもなく狂喜乱舞の時が来る。道頓堀に飛び込む人たちもたくさん出てくるだろう。ちなみに現在の道頓堀の汚染度は、糞尿より糞尿らしい成分だそうである。つまり、思いきりよくウンコオシッコのなかに身を投げる訳である。成分を検査した人たち曰く、「飛び込んだ人たちの身に何が起こるか想像も出来ないが、良い事は一つも想定出来ない!」そうである。それでも飛び込むのか「阪神ファン」?「タイガースファン」はそんな事はしないのである。勝ってても負けてても「胃」の調子が良い時は経験した事のない人々こそが「タイガースファン」であり、自身の体力には至って自信がないからである。

9/05/1/熊VSクマ
昨日の事であるが、青森県弘前市在住のクマさんと呼ばれるオジイサンが山菜取りの最中に野生のツキノワグマと遭遇し、トモエ投げで撃退したそうな。
まっ、それはそれでいいんだけれどさ、何だか今年はその手の話が多くない?そんな事気にするのは僕だけなのかなあ???? しかし、冷静に分析しちゃうとさ、野生の熊が人里に降りて来ちゃうのは、熊の生息範囲を人が狭めているのと残された生息域も木材に使用しやすい植林で森そのものが涸れて来ているからだと推察出来るんだけれど、それにしても遭遇しちゃってから後、やられっぱなしの熊たちの健康状態とか基礎体力もかなり落込んで来ちゃっているような気がするんだよね。心配だなあ。
それに比べて投げ飛ばしちゃっているおじいさん達と言うのは、第二次世界大戦も多分現役で過ごして来ちゃっているであろう筋金が通ってしまっている逞しいおじいさんたちだからさ(それにしても元気だけれどなあ)ハナから勝負は見えているわな。
もう一つ、穿った推察してしまうとね。元々テリトリーから外に出てくるの熊には2パターン考えられるのね。一つは体力の優れた新しくテリトリーを開発してしまうつもりの強い熊さん。でもこれは、人里に出てくる時期もかなり早い時期から出て来ていたんだと思われるのね。その結果、いわゆる猟友会と呼ばれるハンターの方々に害獣として撃たれてしまって、お鍋になんかにされてしまったのではなかろうかと思うんです。つまり、征服欲の強い、基礎体力にも優れた熊の遺伝子は、その時点で、かなりの部分が絶滅しちゃったんではないかと思うんです。でね、それでもつつましく暮らしていたんだろうと思うのですが・・・・。
今、人里に出没しているもう一つのパターンは、テリトリーから追い出されたリストラされてしまったハナレ熊なわけですよ。だからあまり基礎体力もないし、攻撃力も低い。いや、元々、熊は(他の野生動物もほとんどそうだけれど)非常に臆病な動物な訳です。だから、遭遇してしまった瞬間、人間も驚くだろうけれど、当事者の熊はもっと動揺している訳です。「困っちゃったなあ!どうしよう?」と言うのが本音だと思うんです。だから窮余の一策として余り乗り気でないが突進をして、結果、巴投げなどで投げ飛ばされて相手に優越感を与え、その場からスタコラと去って行く。そんな風にも考えるのですがいかがなものでしょうか?
ちなみに僕は東京都内で野生の熊を目撃した事があります。奥多摩の方でずいぶん昔の事ですが、尾根ひとつ向こうに目視出来るレベルで、目撃しました。当時小学生か中学生だったと思いますが、それなりに言うに言われぬ恐怖心を持ったりしたものでした。今、もし、遭遇したとしても投げ飛ばすだけの基礎体力は持ち合わせておりません。相手が弱っちい熊さんだったとしてもです。

9/01/夏休み終了
気がつけば9月なんだね。バタバタしていたらアッと言う間に子供たちの夏休みが終わってしまった感じだね。僕は今年は東京から一歩も出なかったよ。変なトラブルに巻き込まれたり、なんだかアタフタしている間に時間は容赦せず過ぎて行ってしまう感じだね。
ところで、先日ある方からメールを頂いたんだけれど、正味僕は普段何をしているの?なんて話なんですが・・・。ウ〜〜〜ン、自分でも何物なのか分からなくなる時もあるんですが、最近はね、アートディレクターに戻っている感じかな?「イラストだけの仕事だけでなく、全部まとめてやって頂戴!」みたいな依頼が多いよ。なんだかね、少し昔の事務所勤めに戻った感じ。依頼先にとってもたぶんリーズナブルだし、末端まで気が通ってしまうからね。自然、統一間が取れてしまう訳だね。ただし、一人で全部抱え込むと反って効率&能率が悪くなるからね。実際にはDTP部分は、基本的に最も信頼がおけるヨッチャンに外注しています。正直な話、僕が事務所勤めしていた頃はマックなんて普及していなかったから、全て手作業に近く、しかも事務所退職する頃は、小さなミニラフ描いて、後はアシスタントがやってくれていたから、あまりマックの作業なんてモノにも馴れていないしね。簡単なデザインやペラモノなら僕の能力で楽勝だけれど、ページモノだったりするとちょっと手強い。というか外注した方が早いじゃん。賢いじゃん!てな訳ですよ。
でね、実際には今、業界はどうなの?って話だと、これはとにかくサビシ〜〜〜〜!って感じだけれど、それでもボチボチ動き始めているよ。仕事出してみたいなあとか思ったら気軽にご連絡下さい。たぶんお得です。
しかし、マック&PCがこれだけ普及してしまうと勘違いされておられる方も多いね。
「出来てしまう事で満足してしまっている」と言えばいいのかな?たしかに写真の合成とかレイアウト時に垂直平行なんてことは気にしなくて良くなったけれど、実は大事な事は、「何がしたいか!」なんだと思うよ。そこに写真が必要なのか?イラストはそれでいいのか?もう少し、考えた方が良い。デザインて作業は「伝える」ということなんだよね。「何が伝えたいのか」「どう伝えたいのか」そういうことを整理して、一番シンプルかつダイナミックに表現しなければ、ダメじゃん!と思うのね。僕は・・・・。もうこれだけPCが家庭にまで入り込んでくると、誰でもデザイン出来てしまう時代だけれど、デザインしたものが商品になる以上、その辺の「出来てしまう事」と「しなければいけないこと」の違いを明確にしていかないと、なんだかヘナチョコなモノが大量に出来上ってしまう気がするな。 僕は少なくとも分かっていると自負してます。自信あります。ハイ!

8/16/人の道その1
ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと、休んでいました。ゴメンナサイ!と、言う訳で毎度の事ながら近況および経過報告。
その1/ 息子の初の公式戦
エ〜〜〜っと、去る事およそ一ヶ月あまり、7/19&20に息子の参加するサッカーチームが、初の公式戦に参加しました。試合は5人制で非常に狭いグラウンドを使用する変則の大会だったのですが、我がチームからはバランス良く分けた2チームで参加してきました(普通はさ、強い子だけの出場人数ギリギリAチームとあまり上手くない子たちたくさんたくさんのBチームというのが通常だったりするんだけれどさ)
まっ、ともかく初めての公式戦だしさ、気軽に参加な訳ですよ。何度も言いますが息子たちのチームにはポジションはありません。むろんキーパーも攻めます。キャプテンは存在しますが、上下関係はありません。上手下手で出場時間の差はあります。これは致し方のない所です。全員に同じ出場時間を与えるのが平等だ!なんて御為ごかしは使いません。全てにおいて平等を本当の意味で考えるなら、努力している子が長く出れるのが、正しいと思います。
そんな訳で、どの試合も二名ほど芯になる選手は、フル出場で、残りの三人の席をまあほぼ平等に分割して戦った訳です。ちなみに息子はフル出場組に入れても問題はないと思える技術と努力をしておりますが、内緒の話、息子なのでバランス考えて、七割方フルと言う感じです。 息子はちなみにAチームでした。
このAチーム三試合で1勝2敗 でグループ三位になりました。うち一試合は相手チームは、いわゆる選抜チームで0-5とコテコテにやられてしまいました。まあ、コテコテ負けも、たまには良いでしょう。このAチームのキーパーには、自らどんどん攻めてしまうO君を起用しました。彼は非常に有能な選手ですが、グラウンドがあまりに狭すぎたため、彼が攻めた後、相手ゴールキックで得点されてしまう悲劇が多々見られました。最終戦もこれで1点差負けでした。コテコテにやられた一試合を除けば、彼らのパフォーマンスは素晴らしいモノでした。特に今迄得点経験のなかった子が続々と得点したことは、とても素晴らしい事でした。この結果、翌日は三位グループ順位決定戦に進みました。そして翌日は一分け1敗で終わりました。しかし、得失点差の関係で三位グループ準優勝(こう言うんだってさ)で小さなタテをおみやげにいただきました。
さて、驚いたのはBチームです。同じく三試合でしたが、いずれも一点差の僅差ながら三戦全勝で、なんとグループトップで 翌日の一位グループ順位決定戦進出です。そして翌日、緒戦はAチームが昨日コテコテにやられた選抜チームです。うちのチームは前述の通り、二人ほどフルで出しますが、後は、みんなで時間をシェアさせます。それでも、それでもです。このBチーム何かが乗り移ったのでしょうか?前日のAチームの借りをバッチリ返して5-0で勝ってしまいました。特に僕と同名の大介君の活躍は目を見はらせるものがありました。勝って一番驚いたのは僕らコーチ陣でした。ハハハ。しかし、そうそう勝てるものでもありません。次の試合は、事実上の決勝戦でしたが、やはり、うちは同じ戦い方。相手は5人チームでした。結局0-4で負けましたが、このBチーム初の公式戦で準優勝という結果で終わり、少し大きめのタテをおみやげにいただいちゃいました。
これは、うちのチームにとっては快挙です。だって、今うちのチームのコーチ陣の口癖は「勝つ隙があるなら上手くなれ!」なのですから・・・。
正直な話、AB両チームに差はありません。選出している本人が言うのですから間違いありません。つまり両チームでフルで出場していた選手を選んでエントリーしていたら・・・と考えると、今回の大会はダントツで勝てたかも知れません。でも今はそんな事はどうでも良いんです。勝っても負けても「サッカーって楽しいな!」と思ってくれればそれで良いんです。サッカーのグラウンドは「道」です。その証拠に真ん中の線を「ハーフウェイライン(道半ば)」と言います。僕らが彼等に望むサッカーのゴールは、今の小さな勝ちでなく、もっともっと遠い所にあるのですから・・・。

8/16/人の道その2
世の中には、訳の分からないトラブルがたまにある。余り触れたくない事だから、あまり深くは触れないが、でもちょっとだけ書き記しておく。
僕らの仕事には、基本的に発注書や契約書というのは、日常的には存在しない。(絵本や児童書、キャラクターなどは別であるが・・・)普通、担当者からお仕事の依頼を受けた瞬間が、発注および 受注の成立である。また、報酬に関しても、先方から提示があって、それを了解した時点で、契約成立な訳である。しかも僕の場合、基本的によっぽど無理な値段でない限り相手の予算枠でお仕事をさせていただいている。報酬が安いからと言って手を抜いたりはしない。いや、そんな事で手を抜けるほど器用じゃない。
今回のトラブルも基本的に上記の内容で始まったのである。だから、先方から発注を受け、打ち合せに行った。あるビジネスソフトのアートディレクションおよびパッケージに至る迄のDTPまで含む作業であった。担当者と会い、話が弾んだ。企画の部分にも参画して欲しいと言う事なので、積極的にアイデアも出した。そして報酬も先方の言い値で了解した。そんな事は後でも良いのだ。良い作品を作ろうと没頭した。そしてある種の方向性も決まり、画面構成およびアクションに関してのファイルも完成し、プログラマーに納品した。さて、そこでだ。発注先の上司にあたる方から電話をいただいた。「金銭面の打ち合せがしたい」との事だった。「言い値なのに何だろう?」そう思ったが、断わる理由もないので、お伺いしたら「ディスカウントしてくれ!」と言う。「?????」何で?でもそんな事もあるのだろうと思い、ディスカウントに応じた。それで終わりだと思った。そんなことより作品にこだわりたかった。そして二日後、またあの上司から電話があった。「見積もりを出してくれ!」「ハ〜〜〜ン????????」言い値でコミコミなのに見積り??
でも、言われるがままに見積もり書を作成した。言い値でディスカウントしているのだから、単価計算したら少し悲しくなった。実際にはもっと数が必要なのだから、もっともっと単価は下がるだろうなあ・・・などと思った。企画に参画している部分は無報酬なのになあ。でもまあいいか。かなり仕事は順調に進んでいるんだから・・・。ところがである、翌日 、再度その上司から電話があった。「社長の決済が降りないので仕事はなかったことにしてもらいたい!」「ハアア??なんだソレ??????」
後の事は触れたくもない。つまりは、約一ヶ月僕の努力は水泡と帰し、かつタダ働きをしただけの話である。が、その対応含め、人の道に外れていると僕は思う。信義信頼の元のビジネスとは程遠い。世の中的に壊れている人が多くなっているのは知っていたけれど、これはあまりにヒドイ話だよ。

8/16/人の道その3
ジャイアンツの川相が511本の世界タイ記録になる犠牲バントを決めた。ジャイアンツは好きなチームではないけれど、選手個々は好きな選手が多い。川相もその一人である。彼は確か岡山出身のピッチャーだったのではなかったか?でも、ジャイアンツに入団したのはそのバッティングを認められてのものだと記憶している。そう、工藤やこの川相の時代には僕は高校野球の専門誌にも絵を描いていたんだ。
まっ、それはそれとしてだ。今まさに、甲子園では 夏の大会が行われている。犠牲バント、送りバントというと、高校野球の代名詞のようなものだけれど、最近では同じ時間帯に行われているメジャーリーグでも頻繁に見られるようになってきた(ひと昔前ならメジャーで送りバントなんて考えもよらなかった作戦だ)そこでだ。高校野球とメジャーの送りバントにどんな違いがあるのだろうか?と観察してみたんだ。それはね、送りバントを決めた選手に対するベンチの対応なんだ。
メジャーでは、送りバントを決めた選手に対し、ベンチの選手は皆ハイタッチで迎える。作戦を無事に遂行した事に対する賛辞を惜しまないのだ。無論、スタンドも同じである。しかし、高校野球のそれはどうだろう?一人二人は手を合わせているようだけれど、監督は当たり前の態度しかしていない風にも見える(無論、全員がそうではない。まるで自分の事のように喜ぶ監督もいる。それは確かに素晴らしい)僕はここに大きな問題があると思う。選手が単なる将棋の駒みたいに見えてしまうんだ。人格が見えない。それでも熱心な高校野球ファンに言わせれば、「そこがいいんじゃん!」と言うかも知れない。でもそこが解決されないと、日本の野球はベースボールになれないんじゃないかと思うんだ。
これは、物凄く余談かも知れないけれど、実は昔々、その高校野球の専門誌の取材でベンチ裏通路である選手にインタビューした事があるんだ。インタビューって言ったって、記事になるモノではなかったけれどね。その時話した選手は四番で出場していた。地方大会4割5分の打率とホームランでも特筆モノの選手だった。その試合で、その彼にワンナウト一塁でベンチから送りバントのサインが出て、了解のサイン(帽子のつばを手で触れる)をしたにもかかわらず、強攻に出てアウトになりチャンスをつぶしたんだ。試合後、そのチームの監督は苦虫を噛み潰したような顔つきで、「色々ありますから・・・」と答えていた。その監督を囲む輪から少し離れたところで、あまり歳の変わらない僕は彼に話し掛けた。最初は、涙と「誰?オマエ・・・」という感じだったけれど、ポツポツと話してくれた。そこで話した事のほとんどはもう憶えていないけれど、一言だけ忘れられない 言葉がある。それはね、「自分はココ(甲子園)にバントをしに来たんじゃない」という言葉だった。今、彼がどこで何をしているのかは分からないが、僕は、しばらく彼が気になっていたし、高校野球を観る度に彼を思い出す。
僕は送りバント(犠牲バント/サクリファイス・バント)というのは、有効な作戦であるのは間違いないし、堅実な戦術である事も否定しない。でも、その作戦を遂行するのは個人であり、人格があるのだ。ただ単なる駒としてのワンプレーなら、僕は「絶好球だったから打った」という彼のそのプレーの選択の方が人間的で好ましい気がする。