八百源さんの苦悩
いやね、先生。ここんとこ頭痛がさ、ずっと痛いのよ。
痛いし、辛いんだこれが・・・。
しかもね、先生。食欲がなくなっちゃってさあ。
だってね、先生。いつもなら朝飯もさ、軽〜く3杯はいけちゃうのにさ。
一杯目はオシンコで、二杯目は納豆でしょ。
それで最後は、こうミソ汁をぶっかけてさ、
ね、先生。これをサラサラっとね。
それがさ、先生。ここんとこ二杯しか食えないんすよ。
だからさ、先生。なんだか気になっちまってさ、
うちのやつもそんなに気になるなら先生に診てもらえってもんすからね。
でさ、実際どうなの?先生。俺、重たい病気かなんかなんすかね?

この人は実在します。
すごく苦しんでいた様だったので、待ち合い室の段階から気になっていたんだけれど、
順番が僕の一つ前だったのし、
聞くとはなしに、聞こえてしまったわけで
とにかく大声で、さらに看護婦さんたちは笑いを噛み殺しているし、
結論をいえば、この人を熱心に診察した後、先生は、
『ウ〜ッム』とうなってから一言。
『食べ過ぎです。胃腸薬出しときましょう』
と言ったのでした。