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この度は釣竿工房 月のサイトにアクセス頂き誠に感謝申し上げます。

カスタムロッド=CUSTOM RODとは 

カスタムロッドとは何か?
カスタムロッド=仕立て竿をはじめて聞く方やこれからご注文を検討される方に、ご参考までに述べてみたいと思います。

カスタムロッドビルダー(Custom Rod Builder)釣竿師,釣竿職人

元々釣竿は、他の製品もそうであった様に大量生産を主体化する以前には、お客様の要望に答えて仕上げてゆくものが主体であり、古き良き日本の仕立て文化の上に成り立っていました。
もちろん、海外でも大筋はその通りですし、今でもクラフトマンとかビルダーという言葉は、当然生きております。
カスタムロッドビルダーとは、 文字通り釣竿職人=釣竿師の事でそれを生業として生計を立てている専業人、職人(Professional)を指すと思います。

昨今になって私自身も、良く出くわしたり、聞いたりする事の中で
 趣味で釣竿を作っておられる方もビルダーと単純に言う事が多々ありますが、その場合はアマチュアロッドビルダーというのが適切な言葉だと思います。
時々、「私はビルダー」だとおっしゃる方がいらっしゃいますので、プロとして失礼があってはならないと思い、プロとして踏まえた上でお話を進めていくと、実は他に職業をお持ちで
 趣味でロッド作りをされている・・・・なんて言う事もよくあります。
または、他に本業をお持ちになり、副業としてロッド作りをされている方もいらっしゃいます。
 それに関しては、現在日本では、職業の自由は保障されており、多様化はまぬがれないのでそれはそれで良いと思います。
しかし、 ビルダー=Builderという言葉は日本語の響と少しことなり、英語を使うと聞こえが良い感じがするのかもしれませんが、
日本語で「私は釣竿職人=竿師です。」
と言えば即専業=プロの釣竿職人にあたります。
 例えば、イミグレの職務質問等でも、職業は?と聞かれればカスタムロッドビルダーと答えるには、本業で答えなければならないのは当たり前の事です。
当然いまさらながら私は専業=プロの釣竿職人になります。

カスタムロッド(Custom Rod)

当工房のカスタムロッドは、完全仕立てのオーダーメイドが基本で構成されています。
よって、同じ魚を釣るという目的の道具であっても一般に市販されているロッドや、量産メーカーが作り出すロッドとは少し性質が異なります。
 また、カスタムロッドと分類されるあるいは記述されたり言われたりするものの中にも、本来の持つカスタムロッドとは相違点があるものが存在していますので
とてもややこしくなっているのが現状なのは否めないところです。
 そういう諸事情も事実ありますので、当工房は、完全仕立てのものを=フルオーダーカスタムロッドまたはフルカスタムロッドと呼んで区別しております。
それに対して、ある程度の規模で同じロッドが量産化されたものを単に量産品、一般市販品、あるいは、メーカー品と呼ぶ事にしております。
以上の点において、ここで言うカスタムロッドはフルオーダーについて述べたものが基本となりますのでその点をご理解ください。
(ただし、当方でも一部ブラックムーンシリーズというセミカスタム品も扱っています)

人間には個性や体格、釣り方などによって、自分にあった道具選びをするというのは、ごく自然な事でそれは、ある程度のキャリアや時間、体験、経験した方の中、あるいは始められたばかりの方であっても自分専用の道具の選択は、当然あっても良い事だと思います。

シリアルナンバー管理

カスタムロッドの基本は、任意のブランク=竿の素材の形から、ユーザーの要求にこ答えて、それを形にして、1本のロッドとして完成させてゆくもので
 その要望にできるだけ答えて見えない形を具現化したものであります。
よって、そのロッドはそのユーザー個人のオリジナルであり、シリアルナンバーで識別されるように管理されています。
 シリアルナンバーで管理する事で、複雑多様化する仕様をすぐに追跡調査してユーザーの好みや仕様を理解できるように成り立っております。
これは、病院に於けるカルテと同じ意味を持つとご理解頂ければ幸いです。
 お仕立ての際は、ユーザーの技量や経歴等とは全く比例していませんので、基本的には"自分に合った釣竿が欲しい"というお気持ちさえ持って頂ければ、決してカスタムロッドは、難しいものでは無く、
お客様の ニーズによってご相談に応じてご相談に乗らせて頂くのもビルダーの基本と思います。
ですからその点は、何卒、お気軽ご相談くだされば幸いです。

ご注意ください

以上の内容を踏まえた上で、カスタムロッドの持つ性質や道具としての特性上以下の点にご注意ください。

月=MOONのカスタムロッドは、コアユーザー/ハードユーザー=お客様の中にはとても強烈な個性や釣り方、場所、にあった物作りを具現化したロッドが多々あります。
それは当然の成り行きで、オリジナルユーザーであれば特には問題はないと思います。
 しかしながら最近は、物流の形態も様々に多様化しています。
その中で何らかの事情そのロッドを手放す方(オリジナルユーザー)もいらっしゃいますが それは、個人の事情の自由ですから仕方がない事と理解しております。
 また、オリジナルユーザーが万が一手放す場合においても、この特性をご理解した上で譲り受けられた場合には、大きく威力を発揮する可能性もありますが そうでない場合もあります。
例えばですが、転売に次ぐ転売で不特定多数の方が手にされる場合は、まったく使い難い場合がありますし、本来の用途と全く違う仕様として売られ方をしたケースを 近年見かけます。

 それは今に始まった事ではなくて、形態は変われども過去の歴史の中で、武士が自分用に打ってもらった刀を事情で手放なさなくてはならなかった場合もあったように、
それが質から質へと流れて行った事も当然あった事でしょう。
そう思えば、自然の流れと言えば理解できるところで21世紀にはデジタル化してより多くの流れるルートが存在します。
 それは、水が高いところから低いところへと自然に流れていくように、物と人も流れていくものかもしれません。

 21世紀の我が国日本は、自由主義、資本主義経済が保障された国ですから、今更あえて述べるのもどうかとは思いますが、
転売やオークションも個人の良識の範囲で自由ですが、カスタムロッドの場合はその特性を上手にいかしたものがかえって使い辛い場合もかなりの確率である事をご理解ください。
つまり、すでにシリアルを所得したオリジナルユーザーの手を離れた時点でそれは、カスタムロッドでは無いという事も同時に発生する可能性を大きく含んだ事になります。

 例えば、同じマグロの竿でも人によっては、ギンバルが必要無かったり、グリップの位置もその人に合わせていたり、釣り方もマグロ用ブランクであっても他の魚用に製作したり、乗船する船が変わったり、釣法が違っていたり、 他のパーツをお客さんの指定でどうしても組み込まなければならなかったりと……事情は様々のようです。

 月のカスタムロッドはあくまでもシリアルナンバーを所得したオリジナルユーザーに対して 保障されたものであり、 すべての保障内容は、オリジナルユーザーが所得した優遇されるべき権利であります。
逆に、これだけの個性によってさまざまな仕立形態=バリエーションが存在するので唯一の鍵がシリアルナンバーです。
それだけシリアルは大切なものとご理解ください。

何らかのご事情で転売品を入手された方のロッドの修理や仕立て直し=チューンをお断りする場合もありますので予めご了承ください。
以上の点において、当工房でのオリジナルのお仕立てでは無く、上記のような何かのご事情で"月=MOON"のカスタムロッドを手にされる方はご理解の上末永く使って頂ければ幸いです。

当工房の釣竿は、あらゆる釣りや自然を愛する方々にその楽しみや思い出や幸福を作る手段の一つとして出来るだけの協力は惜しまないつもりでこれからも製作してゆきたいと思っております。

読み苦しい点も多々あるとは存じますがその点は、その点につきましては何卒ご容赦願います。

最後までご拝読頂きまして誠にありがとうございました。


2010年3月吉日 釣竿工房 月

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