![]() Water Puzzle 文 / 露埼 紗羽 様 ![]() |
想いを映しながら、水のパズルは組み合わさる。 形も色も自在に変えながら・・・・ |
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2人の唇がゆっくりと離れた。 くちづけの余韻が胸に甘く広がる。 「君の誕生日、こうしてまたお祝いする事が出来てとても嬉しいよ。」 「ありがとう・・・・ランディさま・・・」 出逢ってから、何度目の誕生日だろう。 想いを通わせてから、何度この日がめぐって来たのだろう。 大切に愛を育み続けながら、少女は誰よりも美しく、 少年は立派な青年へと成長を遂げていた。 2人で一緒に過ごす事が出来る幸せ。 それはアンジェリークにとって、何ものにも代えがたい贈り物。 「私、初めて逢った時から、どんなふうに変わった? ランディさまの目にはどんなふうに映ってるの?」 「初めて逢った頃は、あんなにあどけなかった君が、 今はこんなに綺麗になって、俺は時々不安になるよ。 だからこうして、君を腕の中に閉じ込めてしまうんだ。 君を誰にも渡したくなくて。」 「そんな事・・・・私はどこにも行かないのに・・・。 ランディさまは・・・気づいてる? 私は、こうしてあなたの腕の中にいる時が一番幸せだって事。」 「ランディさまだって、自分がどれだけ素敵になったか、 ちっともわかっていないでしょう?」 「俺が?」 「そう。こんなに素敵な人が私の一番大切な人よ!って 時々聖地中に叫びたくなっちゃう。」 アンジェリークはおどけた笑みを浮かべて、 ランディにそう言ってみせた。 「アンジェは俺の前でいろんな表情を見せてくれるね。 初めて逢った時から、クルクル変わるその表情が可愛くて。 表情だけじゃない。今でも、君と逢うたびに、新しい君を発見するよ。 アンジェの事、全部知ってるつもりなのに、 こんな君もあるんだ、って俺はいつも驚かされる。 だから俺は、いつまでたってもアンジェから目が離せない。」 「ランディさま。 私ってそんなに危なっかしいの?」 「そうじゃないよ。目を離したすきに、 俺の知らなかった新しい君が、どんどん増えていくんだ。 だから片時も油断が出来ない。」 「もうっ! それって・・・もしかして・・・振り回されてる・・・って思ってない?」 「まさか!ひどいなぁ、アンジェ。 俺がそんな事思ってるって、本気で考えてる?」 「うーん、ちょっぴり本気。」 「こらっ!」 悪戯っぽいしぐさを見せるアンジェリークは、少女のように愛らしい。 ランディは、怒ったようなそんな口調とは裏腹に、 優しい微笑みをアンジェリークに向けた。 「でもね、アンジェ、俺は嬉しいんだよ。 いつだってそんな君を一番近くで見ていられるんだから。 誰よりも近くで感じる事が出来るんだから。 どんな君でも、俺の愛する本当の君だよ。」 「ランディさま・・・・」 「これからもどんどん新しい君を見せて欲しいんだ。」 「そんな私を見せられるのは、ランディさまにだけ。 私を変えられるのはランディさまだけ。 私はいつだってあなたに変えられるの。あなたの思い通りに・・・・・」 「俺だって・・・君のためならどんなふうにでも変われるよ。 君の望むままに・・・・・」 ランディは恋人を抱きしめる腕に愛しさを込める。 「これからもずっと・・・こうしてあなたの腕の中にいさせてくれる?」 「もちろんさ・・・・ここは君のためだけの場所だから・・・・」 fin. |
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03/04/28up