文 / 露埼 紗羽 様










「・・・フリスビー。」

「・・・ビー玉。」

「ま?・・・マシュマロ。」

「・・・ロッククライミング。」

「グ?くでもいいのかい?・・・じゃぁ・・・くすりばこ!
アンジェが俺のためにいつも用意してくれてる。」

「うふ。・・・・ココア。」

「ア・・・・・アンジェリーク・・・愛してる。」

「ええっ?」

「俺の気持ちなんだけどな。ダメ?・・・うーん・・・・・アイゼン。あっ!」

「やった!"ん" がついたからランディ様の負けよ!
ランディ様が鬼!」

「あ〜あ。え?何?今度は鬼ごっこなの?」

「うふふ、そう!」


アンジェリークは繋いでいた手を離すと、
柔らかな金色の髪にリボンを揺らしながら、
ランディの傍らからすり抜けた。
スカートの裾が天使の羽のようにふわりと翻える。


「ランディ様〜、こっちこっち、早く〜!」

「よおし!」


駆け出したランディは、あっという間にアンジェリークに追いついてしまった。


「ほら、つかまえた!」

「ああっ、もう!」

「俺に敵うって思ってた?」

「思ってた!」

「は〜っ、アンジェには負けるよ。」

「ほらね?」

「あ・・・あははは!」





後ろから抱きかかえるように捕えられたアンジェリークは、
ランディの腕に縋るようにしてこう言った。


「ねぇ、ランディ様、いつまでも、こうして私の事つかまえていてね?」

「君がイヤだって言ってもそうするさ。」

「イヤなんて・・・言うわけないじゃない・・・」


自分を見上げるアンジェリークを、ランディの優しい眼差しが包み込む。
アンジェリークがランディの手に指を絡めると、ランディも力強く握り返した。
繋ぎ合った手と手の暖かなぬくもりに、お互いの気持ちを感じ合いながら、
2人は再びゆっくりと歩き出す。


「じゃ、さっきの続きよ。・・・アイスクリーム。」

「・・・夢中。俺は君に夢中だよ。」

「もう!ランディ様ったら!私も夢中よ!
・・・それじゃ・・・海。また今度連れて行ってね、海。」

「わかった。み・・・み・・・ミイラ〜。襲っちゃうぞ〜〜!」

「きゃー、怖〜い!・・・・・ラ?・・・ええっと・・・・・」

「降参する?」

「ううん・・・・・・そうだ!・・・ランディ様、大好き!」

「アンジェ、君こそ、そんなのあり?」

「ありよ?」

「ずるいなぁ・・・大好き?・・・・・・き・・・・・・」


ランディは立ち止まり、アンジェリークの肩を抱き寄せた。


「・・・・え?・・・・」

「・・・・・キス・・・・・・」


アンジェリークの視線の高さに腰をかがめると、
その唇に優しいキスを落とす。


「やっぱり私・・・ランディ様には敵わないな・・・」


アンジェリークは薔薇色に染まった頬を、
ランディの胸の中に預けた。
そんなアンジェリークをランディの両腕がそっと抱きしめる。

大切なものを守るように。



「・・・ずっと、ずっとそばにいるからね・・・」



                         
... 幸せはいつだって腕の中に...



いつもお世話になっている露埼さんが、私の今年のお年賀イラスト
またまたとても素敵な 甘い甘いショートストーリーをつけてくださいましたっvvv
こうやって 無邪気にじゃれての2人だけの会話から、溢れんばかりの愛を育んでいるのね〜〜(*^^*)
あまりにも幸せそうな2人の様子に、こちらまで空に舞い上がりそうなくらい幸せになります(≧∇≦)
しかし、露埼さんのお話は どうしていつも 私のストライクゾーンにズバッとはまるんでしょう〜〜?
全く羨ましい才能です〜っ!ホントにどうもありがとうーーーvvv
もっと前に書いてくれたのに、引越しと重なっために 今頃のアップになってごめんなさい(^◇^;)ゞ
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03/04/15up