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コスモス畑でつかまえて 文 / 露埼 紗羽 様 |
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「ったく、どこに行っちゃったんだ、アンジェ・・・」 ランディは、執務を終えた後にアンジェリークの姿が見えなくなったと ロザリアから知らされ、驚いて外へ飛び出した。 聖地にはすでに夕闇が迫っている。 「心当たりって言っても・・・・そうだ!もしかしたら・・・」 アンジェリークが大好きだと言っていた場所。 女王宮の裏手の少し奥まった所に花畑がある。 ランディはアンジェリークを連れて、何度かその場所を訪れていた。 今そこには秋桜の花が咲き乱れている。 あたり一面、淡いピンクの海が広がっていた。 その中に見え隠れする柔らかな金色。 ・・・・見つけた!・・・・ ランディはホッと胸をなでおろした。 「アンジェ!」 「ランディ様!!」 ランディの姿を認めた天使は、ドレスのままで駆けて来る。 そのままランディの腕の中にふわりと飛び込んで来た。 「やっぱりここだったんだ。ダメじゃないか! こんな時間にそんな格好で黙って抜け出して来るなんて!」 ランディは少し語気を強めてアンジェリークを諫めた。 「ほら、ドレスの裾をそんなに汚して。」 そう言ってランディはアンジェリークを軽々と抱き上げる。 「それで?一体どうしてこんな無茶をしたの?」 「わからない・・・ お仕事が終わったら、急にいっぱいの花が見たくなって、 気がついたらここに来ていたの。」 ランディはため息をつく。 「俺がどれだけ心配したと思ってるんだい? もう、絶対にこんな事しちゃダメだぞ!」 「ごめんなさい・・・」 しょんぼりするアンジェリークに、ランディは今度は優しく言い聞かせた。 「君にもしもの事があったらどうしようかって思ったよ。 これからは行きたい場所があったら、必ず俺に言う事。 俺がどこにだって連れて行ってあげるから・・・わかったかい?」 「ランディ様・・・ありがとう!!」 今にも泣きそうになっていた顔がパッと明るくなり、 花のような笑顔が零れる。 「私ね、ランディ様が来てくれるって思ってた。 何故だかわからないけど、絶対に見つけてくれるって確信があって・・・ だから・・・私・・・」 「アンジェ・・・もしかして俺を試した? もし、俺が来なかったらどうするつもりだったの?」 アンジェリークはふるふると首を振った。 「そんな事はないわ・・・」 そう言いながら、アンジェリークの両手はランディの頬をおおった。 キラキラと輝く瞳が、ランディを見つめる。 ![]() 「だって、あなたはこうして来てくれたじゃない・・・ やっぱり私の思ってたとおりだったわ。」 そのままアンジェリークは顔を寄せ、ランディの唇に、 薄紅色の秋桜と同じ色の可憐な唇を合わせた。 ランディの熱い瞳がアンジェリークを見つめ返す。 「アンジェ・・・じゃ、これから先の事もわかるの?」 「・・・それは・・・ランディ様次第よ・・・?」 ランディに抱かれたままで、アンジェリークは悪戯っぽく微笑む。 すっかりと日が落ち、星月夜が2人の姿を照らし始めている。 柔らかな夜風は秋桜の群れを一斉に揺らし、甘やいだ香りを2人に運んでいた。 fin. |
うわ〜〜v 私の煩悩全開イラに こんな素敵なお話をつけていただきました! 心配してくれる優しいランディ様と ちょっと小悪魔っぽい可愛いアンジェ・・・。 どちらも私が想像した通りで、ウットリです(≧∇≦) 露埼さん、ドツボをつくお話をありがとうございますーvvv(亜綿) 【gallery】に挿絵より大きい元絵が置いてあります。併せてご覧くださいv |
露埼 紗羽 さんのサイトはこちらから >>> ![]() |
03/01/07up