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![]() T 「今日、泊ってくよね?」 手作りの特大ハンバーグをパクついている ランディに、彼女はいきなり尋ねた。 「フガ?」 ランディは情けない声を出して目を白黒させて 懸命にほおばったものを咀嚼しようとした。 途中、咽喉に詰まりそうになってむせる彼に、 アイスティーを手渡しながら、 金の髪の少女はにっこり微笑んだ。 とりあえず飲み込んで一息ついたランディは、 恋人の顔をまじまじと見ながら問い返す。 「え・・と、アンジェ。 それは・・・」 「だから、今夜は私の部屋に、 お泊りするでしょ?」 微笑みをたたえたまま、アンジェリークは 再び同じことを言った。 「・・・俺が?」 「そう」 「き、君の部屋に・・・?」 「うん」 最初に理解した意味が間違っていないと わかって、ランディは改めて真っ赤な顔になった。 「それって、うーんと」 ランディはまともにアンジェリークの顔も 見られずにつぶやいた。 「俺、こういう時何て返事したらいいのかな?」 「ランディ様ったら」 アンジェリークはランディの皿にポテトサラダを 取り分けながら、ちょっとはにかんだように笑った。 「別に、YESかNOでいいんじゃないですか?」 「そ、そうか。・・・・じゃ、じゃあ、YES!」 力いっぱい答えた彼に、一瞬びっくりしたように 目を丸くしてから、アンジェリークは コロコロと笑い出した。 ランディは照れくさそうに一緒になって笑うと、 また目の前のごちそうにかぶりついた。 U 夕飯のあと、お茶を飲みながら、 二人はゼフェルに借りた映画のビデオを観た。 それは熱血アクションSFスペース巨編で、 ランディはすっかり見入ってしまい。 二人っきりの甘いムードつくりが出来るような 内容ではなかったのだが・・・。 娯楽映画には必ずあるヒロインとヒーローの ラブシーンはそれなりにロマンティックだった。 二人がけのソファに並んで腰掛けながら、 ランディはアンジェリークの肩さえ抱けずに ウデをソファの背もたれに置いたままだった。 映画も終盤に差し掛かると、アンジェリークも すっかり没頭して画面を見つめていた。 ランディはといえば、途中のラブシーンを見てから いきなり現実に戻ってしまい、傍らの彼女が 気になって気になって、なかなか映画のストーリー を追うことができなくなっていた。 すぐそばに、照明を落しても輝きを失わない 金の髪がある。花のような香りが ランディの鼻腔をくすぐった。 彼女の長い睫毛は時折瞬き、画面の光を受けて 碧い瞳はさらに輝く。 ランディは画面より、アンジェリークの 横顔を見てしまう。 背もたれの腕を、いかにさりげなく アンジェリークの肩に置くべきか。 彼の頭の中は、宇宙の危機よりその事で いっぱいになっている。 所在なげだった腕をアンジェリークの肩に まわして抱き寄せようと「勇気」を出して 決行しようとした・・・・。 画面では宇宙船が爆破されるか否やと いうところで、人工知能を持つロボットが ヒロインに迫りくる。アンジェリークが 思わず声をあげて「きゃ・・」とつぶやいた。 ランディはびくっとなって手を引っ込めた。 アンジェリークは彼の不審な態度に やっと気付き、ランディに向き直った。 「ランディ様?」 「あ、うん、今の危なかったよな。 ハハハ」 アンジェリークはうなずきながら、 また画面に向いたが、そのまますとん、と ランディの肩にもたれかかった。 彼の心臓はまたバクバクである。 この鼓動が彼女に伝わってしまうのでは ないかとランディはちょっと心配になった。 危ういヒロインを救い出したヒーローが 大団円のキスをしたとき、ランディは やっとアンジェリークの肩をそっと抱いた。 アンジェリークはちょっとランディを 見上げて、にっこり微笑んだ。 「とっても面白かったね。 あとでゼフェル様にお礼しなきゃ」 「うん。そうだね」 「ランディ様、あったかいお茶、 いれ直してきましょうか?」 「あ、アンジェ!」 立ち上がろうとした時にいきなり呼ばれて、 アンジェリークはびっくりした。 「なに?」 ランディは頬を上気させていたが、 アンジェリークの瞳をまともに見られずに すぐ下を向いた。前髪が彼の表情を隠す。 アンジェリークは次の言葉を待った。 「お茶の前に・・・」 「?」 「き、君が欲しいんだ」 ・・・彼女は彼のあまりにも直球なセリフに ちょっとだけ面食らった。 V エンディングスタッフロールが終わりかける頃、 ランディは映画でみたよりも甘いキスを アンジェリークからもらっていた。 肩にまわした腕は、アンジェリークの華奢な 身体を強く抱き締めている。 小鳥が啄ばむような軽い口づけから、 だんだんと情熱的になっていく自分を ランディは止められずにいた。 いつのまにか右手がアンジェリークの背中から 腰に下りて、前に回ってくる。 胸のふくらみを探し当て、感触を確かめる。 アンジェリークは口づけに夢中になりながら 時おり小さな声を上げた。 加速していく愛しさを持て余すように、 ランディの唇がアンジェリークの白い咽喉から 襟元までキスの雨を降らす。 ランディの指がもどかしくアンジェリークの ブラウスのボタンにかかったが、なかなか 外すことができない。 アンジェリークはランディの手に 自分の手を置いた。 ランディが問い掛けるような目をしたが、 彼女は黙って自分でブラウスのボタンを ひとつずつ外していった。 小さなレースの下着が現れて、 続けて彼女自身が背のホックを外す。 抑えていたものがはじけるように、 真っ白い肌と紅い花が現れた。 ふたつのふくらみを目の当たりにすると、 ランディはちょっとだけ躊躇った。 「本当に、いいのかい?」 アンジェリークは答えず、ランディの手を 取ると、自分の胸に導いた。 ランディは胸の頂きを指でなぞりながら、 もう片方の胸に口づけした。 「アンジェ・・・・好きだ」 「あ・・・」 囁きを繰り返し、ランディの唇が白い肌を 行き来していく。アンジェリークの口からは 何度もため息がこぼれた。 ゆっくり、唇と舌で紅い蕾を味わいながら ランディの手は探していた。 腰から、足、膝のあたりまで愛しげに這い、 またのぼりつつそれにたどりついたとき、 アンジェリークが小さく「いや・・・」と あえいだ。 「ご、ごめん!」 途端にランディが手を引っ込める。 行為を中断されたアンジェリークは 素直すぎる恋人の慌てた様子を眺めた。 こういう最中にそうつぶやいたからって バカ正直に否定と取ってしまう男がいるだろうか? アンジェリークは呆気に取られつつも やっぱり愛しさが勝ってしまう。 「ランディ様、大好き」 「え?ちょっ・・・」 裸の胸にぎゅっと抱き締められて、 ランディはさらに慌てた。 アンジェリークは照れるランディの顔を 見つめながら、悪戯っぽく囁いた。 「続きは、シャワーのあとでね」 おしまい♪ |
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ランディ様の狼狽振りがとても初々しくて、可愛いです〜♪そんなランディ様を 大胆にリードしていくアンジェがまた 小悪魔的でキュートですね(^∇^) みみちゃん、素敵な2人の夜を書いてくれてありがとう〜! これで終りだとランディ様が可哀相なので 今度またこの続きを書いてね!(笑) |
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01/10/31up