朝目覚めたら
横にアンジェはいなかった
甘い金の曜日の夜を
二人っきりで過ごすはずだったのに
ぼんやりとした頭に
徐々によみがえる悪夢
『ランディ様の、わからずや!』
恋人の泣き顔がよぎった
――――そんなつもりじゃなかったんだ
泣かせてしまうなんて―――
「オレって最低だよな・・・・」
思わず口について出る言葉は後悔のしるし
ちょっとしたすれ違い
いつものささいな恋人同士の痴話喧嘩
周囲から見たなら、きっと
勝手にどうぞ!って言われちゃうくらい
でも昨晩は違った
風の守護聖はいつもより少しだけ
ムキになってしまったのだ
青空が拡がる午後のひととき
待ち合わせ場所にいた恋人は
燃えるような赤い髪の青年と
楽しそうに話してた
きまぐれな風が吹いて、金の髪を乱すと
青年はごく自然に彼女の前髪に手をやって
直してあげた――ただそれだけ
自分で驚くくらいカッと熱くなった
ココロの中で『アンジェにさわるな!』って叫んでた
表情に出てたのかもしれない
炎の守護聖はふと彼に気付くとおどけたフリをした
『よう、色男。お嬢ちゃん、君のKNIGHTのおでましだぜ』
金の髪の恋人は笑顔を浮かべる
咲き誇る花より美しい、輝いた表情を
『そんな表情(かお)・・他の男に見せたくない』
大好きだから独占したくなるんだ
オレだけのアンジェでいて欲しい
そんな風に思ってしまうのはいけないこと?
赤い髪の青年が去っていった後も
彼女が恋人を迎え、デートが始まっても
風の守護聖の憂いは晴れなかった
『ランディ様、どうかしたんですか?昼間っからずっと変!』
私邸に帰って、二人っきりの部屋で
軽くキスを交わした後もいまひとつ。
いつもと違う恋人の様子に、少女は怪訝そうに問いかけた
『なんでもないよ』
なんとなく返事もぶっきらぼう
子供みたいになっちゃうんだよね
『なんでもないわけ、ないでしょう?』
『別にホントに・・・』言いかけた彼の言葉にかぶせるように
『嘘!絶対、なんかすねてるわ!』愛らしい唇からきつい一言
『すねてなんか、ない!』
『すねてる』Repeat again?
『言ってくれなきゃ、わかんない!』
言えるもんか!こんなこと!
――アンジェを独り占めしたいだなんて、
そんな・・・子供っぽいこと!
こうした言い合いも、充分子供っぽいと思うケド?
Cool down, the boy and young lady!
夢の守護聖がいたらあきれるだろう。
同じセリフのどうどうめぐり
まるで回転木馬に乗ってしまったみたい
とうとう恋人は部屋を飛び出していってしまった
How do I get to her house, or our places?
ベッドのシーツの上で迷子になったオレ
彼女は何処?My sweety, I miss you.....
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