With Cream 

文 / 観音寺まろん 様





アンジェリークが台所で生クリームを泡立てている。
今日の大切なデザートに飾り付けるために。

カシャカシャカシャ。
気持ちを込めようと、手で泡立てているから
1人でいる台所には、その音しか聞こえない。

アンジェリークが、台所の入口に立つランディに気がついたのは
生クリームの泡立ちに満足して、その手を止めた時だった。

「もしかして、うるさくて起きちゃった?」

「いや、そんなんじゃないんだけど…
 見てもいいかな?」

「ま〜だ〜。
 用意が出来たら、ちゃんと呼ぶから、奥で待ってて、ね。」

ランディは台所から、アンジェリークに押し出されようとしていた。

「あっ。」

ランディがアンジェリークの顔を見て声を上げる。
そして、その顔に自分の顔を近づけた。

「ほら、ココ。クリームがついてるよ。」

そのまま顔を近づけて、クリームのついている所を舌先で
舐め上げた。
ランディは1度顔を離して、彼女を見つめる。

2人だけの甘い空気の中、もう1度ランディはアンジェリークに
顔を近づけた。
彼女は目を閉じる。

アンジェリークの口の中にも、クリームの甘さが伝わる頃。
彼女はランディの首の後ろに回していた手の先で、
彼の頬に触れる。

今度はランディの頬にクリームがついた。

そのクリームの感触に驚いて、ランディはアンジェリークから
顔を離した。

「だって、まだデザートが出来あがってないんだもの。」

ふふっといたずらっぽく笑って、アンジェリークは
もう1度、生クリームの入ったボウルを手に取る。

「俺のデザートは君で充分なんだけど。」

ランディが、ごく自然にさらっと言い流した言葉。
アンジェリークは、ただ顔を赤らめて、
出来あがっているはずの生クリームを、再びかき混ぜ始めた。


END



まろんさんのサイトのキリ番ゲットで書いて頂きました、
甘々のランアン新婚さんVerです。
生クリームみたいにあっま〜い2人ですね〜♪
デザートはアンジェ♪それっていいかも〜!(笑)

       (コメント:元PURE×PURE合同管理人 ちりさま)


 


01/08/17up