Sweet Sweet Mybaby |
文 / アミナカケイ 様 |
「ねえ、ランディ様、私の事スキですか?」 「勿論、大好きだよ」 が突然聞いてきたのは女王試験の終了が目前に迫っている日の曜日だった。 「ふうん」 つまらなそうに が頷いたのを見てランディは首をかしげる。 (好き――って言っちゃダメなのかな。ま・・・まさか、 はオレの事嫌いになったんじゃ・・・) が何も言っていないというのにランディの妄想は膨れあがってていく。 (オレは気も効かないし、 の喜ぶような事してあげられない。オスカー様のように女の子の喜ぶような言葉もあげられないし・・・。まさか、他に好きな人が出来たんじゃ・・・。) 「ど・・・どうしていきなりそんな事を聞くんだい? 」 「ううん、何でもないんです」 明らかに《何でもない》というような顔ではない。 不機嫌・・・というのではないが、どこか物思いに沈んでいる。 「今日は、もうそろそろ帰りますね。あ、送ってくださらなくても大丈夫ですから。まだ明るいし」 そう言うなり は呆然としているランディを置いて帰っていった。 残されたランディは、何をどう考えていいかわからず、ただマイナスに向かっていく想像に押しつぶされそうになっていた。 (今まで恋人同士だと思っていたのは間違いだったのかな) に置いていかれたあと、後を追うこともできずに自分の館に戻ったランディは自室にこもったまま今日のことを思い返していた。 今日のデートで何か落ち度があったわけではないと思う。 そう言えば は最初から元気が無かった。 自分の知らないところで何かあったんだろうか。 そう考えていたランディだったが、元来思考型ではない彼にとって、誰よりも大事な の事とは言え答えの出ない問題をいつまでもじっと考えてはいられなかった。 (なんだか解らないけど が元気を無くしているのなら少しでも力になれるよう行動しよう!) ランディは王立研究院へと夜道を駆け出した。 (オレの勇気を君に送るよ、 。それで少しでも君の力になりたいんだ) 息を切らせて目的地に着いたとき、ランディはそこで意外な人物を見た。 「 」 驚き駆け寄ったランディの目に映ったのは、瞳にいっぱいの涙を溜めた だった。 「どうしたんだい、こんな時間に・・・。何かあったならオレに聞かせてくれよ」 「ランディ様のバカ」 涙がこぼれぬように目を見開いた はランディに掴みかからんばかりに勢いでまくしたてた。 「あと少し大陸が成長したら、私は女王になっちゃうんですよ!?今日は日の曜日だから無いとは思ったけど、もし、どなたかがエリュ―シオンへの育成にいらしたら止めて下さるようお願いするつもりでずっとここにいたのに・・・どうしてよりにもよってランディ様がいらっしゃるんですか!」 「え?あ・・・あの、だって・・・」 「ランディ様は私が女王になっちゃってもいいんですか!?ランディ様にとって私はその程度の存在なんですか!?女王になって、今までのようにお目にかかることも出来なくなっても、それでもいいんですか!?」 の存在に驚いて、次いで の勢いにおされてランディは言葉を発する事も出来ずに目を白黒させていた。 「きっと、今日が最後のチャンスだと思ってたから、明日には女王試験が終わっていてもおかしくないから、だから今日はランディ様の言葉を待ってたのに・・・。ランディ様の でいられる時間はもう最後かもって思ったから・・・なのにランディさまは・・・」 とうとう零れ落ちた涙をそっとぬぐってランディは を抱きしめた。 「ごめん・・・。そんな事考えてるなんてちっとも気がつかなかったよ」 「ランディ様のバカ」 しゃくりあげる を胸に抱いたままランディはそっと の髪をなでた。 「オレは君を離すつもりなんかちっとも無いよ。君とずっと一緒にいたいんだ。君が遠くに行ってしまう事だけはどうしても嫌だった。だから・・・だから君が女王になればずっと傍にいられると思って・・・。女王になっても、君はオレの だよ、ずっと・・・」 を抱く腕に力を込めてランディは言った。 「もっとちゃんと言葉にすれば良かった。君を不安にさせないよう、もっとちゃんと・・・」 「ずっと・・・私はランディ様の ?」 濡れた瞳で自分を見上げる にランディは言った。 「ずっと・・・君はオレのものだよ。愛してる 」 (私も・・・ずっと大好き) の言葉は重なった二人の唇の中で溶けていく。 従来の女王とは違って顔も隠さず、宮殿はもとより街中をも自由に闊歩する前代未聞の女王が誕生したのは、それから3日後の事だった――――。 |
終わり |
ちりの誕生日にアミナカケイ(光流改め)さんから頂きました可愛いランアンのお話です。 思いこみの激しい2人がたまらなく可愛いです♪ 最後はしっかりハッピーエンドのお約束ですね♪素敵なお話をありがとうです。 (コメント:元PURE×PURE合同管理人 ちりさま) |
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01/07/10up