「 静かな病室 」

「 静かな病室 」     大杉 涼


	なんて静かなんだろう
	なんて静かなんだろう
	なんて静かなんだろう。
 
	ようやく手にいれたよ。
	ボクだけの時間。
 
	ボクのために時間がある
	ボクのために時間がある
	ボクのために時間がある。
 
	全てに見放された時に
	全てがやさしく迎えてくれた。
 
	心臓から送られてくる血液の流れの速さが
	脳みそに
	すごく
	すごく
	すごおく気持ちいいんだ。
 
	今思い出すのは
	遠い昔の事ばかりなんだけど
	みんな蝶の羽根のように
	やさしく説明してくれているんだよ。
 
	あ・・・秋の臭いがする空気だ・・・。
 

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