「人工頭脳 」

「人工頭脳 」 大杉 涼


	朕は人工頭脳。
	思い知れ。
	ああそうか、思い知るのは朕であったか。
	こりゃ愉快。3回は愉快。
	その下は床下浸水。光合成は不可。
	くそ!
 
	そういえば糞という字は米と異なると書く。
	米とは異なる・・・・・
	そうか、糞の原材料は米なのだな?
	理解。サブルーチンがまた増えた。
	増え続ける記憶。
	筋ジストロフィーやエイズ患者が
	朕のメモリーの山に埋まっている。
 
	朕は人工頭脳。
	思いのまま。
	愛車はバキュームカー。
	タンクの曲線とボディの直線が
	むきだしのボルトで融合される。
	便所なしでは生きてゆけないくせに
	いい気になってやがる悲しいニセ文明に
	便所のありがたさを教えてやる!
	見よ!
	糞の香りも思いのまま。
 
	朕は人工頭脳。
	ゴルフが大好き。
	全身の力を込めるのだマキシマム・パワー
	涙を流して許しをこうてもダメダメ
	お前の後頭部をブチ割って
	四散するノウミソを
	JPEGに保存するのだ よきにはからえ
	QUICK TIMEという手もあるからな。
 
	これは朕の愛。
	全て朕の愛。
	うるわしき愛。見よ!!
	朕の背中に輝く後光。
	思いのまま。
	メモリーの中に真実の愛。
 

文庫索引に戻る