- 2017/07/08
- 荒神/宮部みゆき
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元禄の頃。香山藩の山深い開墾の村を災いが襲った。九死に一生を得た猟師の孫の簔吉が拾われたのは、村で畏れられている隣藩の永津野藩重臣の身内だった。両藩にまたがる長年の諍いが山の災いとなって暴れ回る。
宮部みゆきの時代小説なので、怪力乱神を語る系。物語系統で言うなら「孤宿の人」の方が近いけど、最初に「あんじゅう」のくろすけを思い出したなぁ。最初静かにに始まって、ぐわーっと盛り上がる宮部流がいつもながらすごい。この話は何十人も死んでしまう災厄で、根っこには藩と藩主同士の諍いがあるんだけど、藩主は全然出てこなくて、きっと後で、山の村でこんなことがありましたと報告されて、そうか、で終わってしまう話なんだよなぁ。実際問題あんまり役に立たなかった小日向さんは、年取ったら重役ではないけど一目おかれる長老とかになるんだろうか。
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