01.06.13
医者ぎらい
歯医者で、何の説明もなしに
前歯4本かぶせ歯に変えられた経験以来、
医者ぎらいになった。
首に、しこりが出来たのは、1年前。
でも、当然のごとく病院にはいかない。
だって医者ぎらいだもん。
ほうっておけば、いずれ治るだろうだろう。
しかし、予想に反して、しこりは消えてくれない。
だんだん、大きくなってきた。
首筋に、ビーダマ大の青紫のふくらみができた。
怖くなってきた。
首筋のしこりは、ガンの症状であると、いつかテレビで見た記憶があった。
医者に行くのは、数年ぶり。
そして、ガンという可能性。
恐ろしくて、体が小刻みに震えた。
色々考えた。
ガンだったら、どうしよう。
親になんて言おう。
これからの人生を、どう過ごそう。
皮膚科は、混んでいた。
待ち時間が、拷問のようだった。
医者の診察。
「あー、毛穴にバイキンが入って、膿んじゃってるね。
じゃ、塗り薬と、飲み薬あげとくね」
以上、5分。かかったお金、2000円。
ホッとして、人呼んで、デニーズでパーティーした。
「医者ぎらいもほどほどに」と、笑われた。
でも、こんなに自分の死を大真面目に考えたのは、はじめてだった。
いつ死んでもいいや、と思っていたはずなのに。
いざ死と直面すれば体が震えるのだ、ということがわかった。
医者ぎらいのおかげで、ちょびっと世界観が変わった。
それにつけても、ホント、このホッとした脱力感よ・・・。
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