03.01.29
蜘蛛膜下出血




父が蜘蛛膜下出血で倒れた。
この数日間で得た知識を大雑把ながらまとめておく。

【原因】
脳動脈瘤の破裂が,原因のおよそ80%である。動脈瘤(ドウミャクリュウ)とは、血管にできたコブ(瘤)のこと。たとえば、膨らみすぎた風船が、いつか破裂してしまうのと同じように、このコブがある時破裂して出血する。コブは、生まれつきの体質で出来る。コブが出来て、はじける確率は、一万人にひとり。
そのほかの原因としては、高血圧、動脈硬化、血管奇形など。なかには,原因不明のものもある。
血管が枝分かれするところにできやすい。
【症状】
血管がはじけた瞬間の、突然の激烈な頭痛は必発。(この激痛で、大抵はその瞬間に意識を失う)
しばしば嘔吐を伴う。重症の場合には,手足の運動障害,意識障害も加わる。

ごくまれに、強い頭痛を感じて、意識を失うことなく歩いて病院にくる人もいるという。それは、コブがはじける前に数滴の血液が漏れている状態。それは、いつはじけてもおかしくない状態。
だが、これを蜘蛛膜下出血と診断するのはとても難しい。CTスキャンでもわからない。骨髄液を採って血が混じっていれば、即入院。その際、本人に確認をとらず、眠らせるという。それは、本人を驚かせて血圧を上げないため。
また、一度眠ったら、手術が終わるまで、麻酔(鎮静剤)は解かれない。
蜘蛛膜下出血の患者は、手術が終わった後でしか、自分がどうなったのかを理解できない。

【検査】
脳CT scan、脳脊髄液検査などにてくも膜下出血の診断がついた場合、原因を調べるために、脳血管造影検査を行う。この検査で脳動脈瘤の破裂が確認されると、多くの場合手術を行うことになる。

【手術】
脳動脈瘤のネック・クリッピングといって、動脈瘤の首根っこを特殊な金属製のクリップで挟んで止める。こうすることによって、破裂部への血液の流れが遮断され、出血を繰り返すことが防げる。
後にクリップを取り出す必要はない。

【その他】
・脳血管連縮……動脈瘤破裂の際、血液は脳全体に染み込んでいる。その血が、脳の毛細血管に付着し、血管を締める。破裂後、1〜2週間が最盛期。
血の巡りが悪くなることにより、麻痺、痴呆、記憶障害などが起こる。

・身内の血液……手術中、輸血を必要とすることはあまり無い。が、「もしも必要な場合、同じ血液型の身内が待機していたほうがいいのでは?」と医師に聞いたら、「それは迷信」との答え。どのような輸血においても、他人の血液のほうがよく、身内の血液ではダメらしい。なんでそうなのかは、今のところ調べられなかった。だれか教えて。


蜘蛛膜下出血で、病院に着く前に死亡する確率、30%。
入院中死亡する確率、20%。
なんらかの障害が残る確率、40%。
全治、10%。

それでもがんばれ、親父様。




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