02.07.29
ナイス親友
地下鉄で。
竹刀を持った学生服、中学1年生と見受けられる少年二人。
ヤセのチビを、仮にAと呼称。
ヤセのノッポを、仮にBと呼称。
A「もうすぐ合宿だよな」
B「うん、ダリイ」
A「ほんとダルイよな。なんでこんな部活入っちゃったんだろうな」
B「おれ、将棋部にしておけばよかった」
A「ああ、ナカムラとヨシダは将棋部で楽しそうだもんな」
B「囲碁部でもいいけど」
A「え、うちの学校にそんな部活あるの?」
B「しらねえ」
A「アハハハ、なんだよソレ」
(一呼吸置いて)
A「でもさ、剣道部入らなかったらさ」
B「ん?」
A「おれ達、こんな仲良しになれなかったかもしれないんだぜ」
B(沈黙)
A「っつーか、仲良しなのは、剣道部は関係ないか」
B(沈黙)
A「ねえ、どう思う?」
B(少しの間の後)「ヒカルの碁、漫画集めようかな」
A「ああ、ぼく、集めてる人知ってるよ」
B「どうしようかなあ、金ねえしなあ」
(以後、囲碁の話からゲームの話、そこから下ネタへと話は移ってゆく)
さてこの二人。
私は、ナイス親友だと睨みたい。
Aの空回りっぷりもナイス。
Bの素っ気無さもナイス。
願わくば、大人数の状況下で、Aが空回りした時に、Bが助け舟を出してあげるような、
そんな間柄であってほしい。
でも、引篭り予備軍でもあるよな、A君は。B君次第で。
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