02.02.20
赤い靴ショック



赤い靴はいてた女の子 偉人さんに連れられていっちゃった
横浜の埠場(はとば)から船に乗って 異人さんに連れられていっちゃった
今では青い目になっちゃって 異人さんのお国にいるんだろう
赤い靴見るたび考える 異人さんに遭うたび考える

『赤い靴』の曲である。
歌詞にも出てくる「横浜」。
元横浜市民の私は、「赤い靴の女の子」は当然「横浜」の専売特許かと思っていた。

けど、六本木の街角で、赤い靴の像を見かけた。
見れば、「赤い靴の町、麻布十番」とかうたっている。
出た! 観光地パクリだ!
とおもって、ヘラヘラ笑いながら説明文読んで、そして青ざめた。

赤い靴の女の子は、岩崎きみちゃんという。
きみちゃんは静岡で生まれ、まだ赤ん坊の頃に母親と北海道に渡る。
開拓の地、北海道の生活は予想以上に過酷であり、母親は自分の生活さえままならなくなる。
きみちゃんは3歳の時に、宣教師ヒュエット夫妻に養子に出される。
その後、ヒュエット夫妻は任務を終え帰国するが、きみちゃんは連れて行かれていない。
不治の病・結核にかかり、六本木の孤児院に預けられたのだ。
その後きみちゃんは病気と孤独に闘うも、9歳でひっそりと息をひきとった。

赤い靴の歌は、きみちゃんと別れた母が野口雨情(作詞家)に話して、
「きっと異国で元気に暮らしているさ」との願いを込めて書かれたもの。

ちなみに、きみちゃんの像は、静岡・横浜・六本木・北海道にそれぞれあるそうな。

……うーむ。
きみちゃんの壮絶な人生にも感銘を受けたが、
一番関係ない、まったく関係ない「横浜」には愕然とさせられた。



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